展覧会リーフレット
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展覧会

河野通勢展
2008年2月2日(土)~3月23日(日)


種別 特集展
主催 平塚市美術館
観覧料 一般200円、高大生100円
※各減免をのぞく
日数 44日
入場者数 8,503人
担当 土方明司(当館館長代理)


●内容
 河野通勢(こうのみちせい1895–1950)は、大正期から昭和戦前期にかけて活躍した画家です。高橋由一に学んだと言われる美術教師・写真師であった父河野次郎のもと で絵画を学び、早熟にして天賦の才能を見せます。デューラーなどに影響を受けた細密で存在感あふれる徹底した写実描写で知られる作風は近代美術のなかにあって異彩を放つものです。二科会への出品から、白樺派への接近、そして岸田劉生の率いる草土社へ参加、劉生死後は大衆小説の挿絵を精力的に制作し、近代の画家として小説挿絵の草分け的な存在でもありました。
 通勢の絵画は、「何でも描けた」と中川一政に言わしめた天才的な描写力とハリストス正教会の信者としての強い宗教的な内面性を持ちつつ、独特の空想的な物語を包含するものです。それは、画集などをもとにした独学ゆえの特異なものでしたが、神的なものへの憧憬ともみえる精神性は、大正期の時代精神とも通底する生命主義を感じさせます。
 近年になって、関係者のもとに大量の未発表作品が発見されました。特に十代から二十代にかけて執拗に描いた裾花川周辺を題材にした初期風景画、そして聖書・神話を題材にした作品群は圧巻です。また『項羽と劉邦』『井原西鶴』などの挿絵原画は、高い密度と完成度があります。さらに、銅版画についても関東大震災に取材した一連の作品は大変貴重なものです。その他にも、日記、覚え書き、スケッチ帖、書簡類などの膨大な資料が新たに見つかりました。それらはより如実に作家の目指していたものを示しており、制作の秘密を明らかにしうるものであり、今までにない河野通勢の画家像を発見することができると思われます。
 本展は、代表作を含めながら今回の新発見の作品を中心にして展示し、初期作品から制作のなかでひとつの区切りとなった昭和前期までの、河野通勢の特色が明確であった時期に絞って作品を構成しました。ともすれば岸田劉生の陰に沈みがちであった作家像ですが、その原点を今いちど見直すことによって、大正期の美術史の中で極めて個性的な輝きを放つ河野通勢の、今までにない姿を紹介しました。


●関連事業
○学芸員によるギャラリートーク
日時 2月24日(日) 15:15-15:55
3月15日(土) 14:00-14:40
場所 美術館展示室
解説 土方明司(当館館長代理)
参加者数 130人


●主な紹介記事・番組
1月24日 「大正期の鬼才 河野通勢展」 タウンニュース
1月24日 「早熟にして天賦の才能 河野通勢展 平塚市美術館」週刊芸術新聞
1月25日 「大正の鬼才 河野通勢-新発見作品を中心に」読売新聞
2月2日 「河野通勢展きょう開幕」 読売新聞
2月14日 土方明司「大正期の鬼才(1) 細密描写に祈り貫く」 読売新聞
2月15日 土方明司「大正期の鬼才(2) 描く前 柳に深々と一礼」 読売新聞
2月16日 土方明司「大正期の鬼才(3) 諭し受け 内面性色濃く」 読売新聞
2月17日 「よみがえる大正期の鬼才 洋画家・河野通勢」 NHK新日曜美術館
2月19日 土方明司「大正期の鬼才(4) 虚心な視線 岐路見据える」 読売新聞
2月21日 土方明司「大正期の鬼才(5) ほかの絵を自在に応用」 読売新聞
2月22日 ジャンル別番組ガイド「新日曜美術館 よみがえる大正の鬼才 洋画家・河野通勢」 ステラ 
2月27日 田中三蔵「河野通勢展 新出作品でイメージ覆る」 朝日新聞
3月12日 「文化往来 西洋と江戸の統合 画家・河野通勢を再評価」日本経済新聞

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