第4章  基本理念・重点目標・基本目標 第4章 基本理念・重点目標・基本目標 1 基本理念 障がいの有無にかかわらず、すべての人が、ほかの人とは違った、その人特有の性質や性格である「個性」を持っています。 障がいのある人が家族や地域の人との交流の中で、その個性が能力や才能などに形を変えて発揮されて注目を集めることや、このことが周囲の人に元気を与え、温かい感情の芽生えにつながるなど、様々な「個性」が輝くことで、地域社会がより豊かになります。しかしながら、障がいのある人の中には、周囲の無理解や誤解などから、また、自身が抱える様々な困難や悩みなどから、自分らしく「個性」を発揮することをためらい、ありのままの自分を受け入れられない場合もあります。このことから、「障がい」や「障がい者」に対する理解や配慮がされた社会的障壁のない社会が求められており、障がいの有無にかかわらず、その人自身もそして、周囲の人からも尊重される社会を実現することが必要です。そのため、一人ひとりが、お互いの違いを知り、受け入れるなど、自ら行動を起こし、それを継続することがとても重要になります。以上のことを踏まえ、支える人と支えられる人に分かれることなく対等な立場で地域を構成する一員として、障がいの有無だけでなく、障がいのある人の年齢や性別にかかわらず、お互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もがいきいきとした人生を送ることができる共生社会の実現を目指し、本計画の基本理念を次のように定めます。 「自分らしさを大切にしながら 多様な個性が輝く共生のまち ひらつか」 2 重点目標、基本目標 重点目標を核に3つの基本目標が連携を図り理念の実現を目指します。 ページの上部に図を掲載 重点目標と基本目標の関連性について説明しています。 図の中心に「重点目標 認め合う」が円形で表記されており、その周囲を「基本目標1 育む」、「基本目標2 発揮する」、「基本目標3 支え合う」の3つの基本目標が各々円形で表記され、それらが線で繋がり囲んでいます。 (1)重点目標 「障がい」は「個人の心身機能の障がい」と「社会的障壁」の相互作用によって創り出されており、この「社会的障壁」を取り除くのは社会の責務であり、このことが「障がいの社会モデル」とされています。本計画の基本理念である、自分らしさを大切にしながら多様な個性が輝く共生のまちづくりを推進するためには、このことをすべての人が理解し、それを自ら行動を起こし、社会全体の人々の心の在り方を変えていくこと、すなわち「心のバリアフリー」を意識のみならず、人材育成の観点からも推進することが不可欠です。そのためには、お互いの「違い」や「良さ」を知り、認め、発信し、受け入れ、地域全体で障がいへの理解を深めることを特に重点を置いて取り組むべき目標として、本計画の重点目標を次のとおり定めます。 「重点目標 認め合う」 意識づくり、人づくりの観点から、自身の個性を伸ばし、自らの意思と選択により主体的に生活できる地域となるよう、障がいへの理解を深める取組を行い、お互いの人格と個性を尊重し、それぞれが認め合える、分け隔たりのないまちづくりを目指します。 (2)基本目標 重点目標を核に発達に支援が必要な子どもたちの健やかな成長と自立のため、段階に応じた切れ目のない支援やそのための体制の充実を図ること、障がいのある人が社会を構成する一員として、様々な手段や方法で参加し、社会、経済、文化その他のあらゆる分野で、多様な個人の能力や個性が発揮されていること、地域におけるすべての人が相互に支え合うことが重要であり、更にそれぞれが連携することが必要不可欠です。このことから、次のとおり基本目標を定めます。また、重点目標と3つの基本目標ごとに施策を位置づけ、障がい者福祉施策を重層的に展開していきます。 「基本目標1 育む」  一人ひとりが持つ特性に合わせ、園や学校、事業所、医療機関などと連携しながら、子どもや保護者を多方面から、段階に応じた切れ目のない支援を進めることにより、誰もが自分らしく個性や能力を育むことができるまちづくりを目指します。 「基本目標2 発揮する」 障がいのある人の積極的な社会参加を促進するため、一人ひとりの才能や能力を最大限に伸ばすとともに、それを引き出すための環境整備を促進し、一人ひとりが持つ個性を発揮することができるまちづくりを目指します。   「基本目標3 支え合う」 住み慣れた地域で誰もが安心して生活できるように、障がいのある人の立場に立った取り組みを進めるとともに、各種課題の解決に向け、行政や企業、地域の各種団体などの社会的資源が連携強化を図ることにより、共に支え合うまちづくりを目指します。