知ってますか障害者差別解消法 合理的配慮の好事例集 はじめに 平成28年4月1日に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行されました。この法律では、障がいのある人への「不当な差別的扱い」の禁止と「合理的な配慮」の提供を行うことなどを通じて、障がいのある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら共に生きる社会、「共生社会」の実現を目指しています。 同法に基づき、障がい者差別解消の推進を図るため、平塚市・秦野市・伊勢原市・大磯町・二宮町(3市2町)が連携し、湘南西部障害保健福祉圏域障害者差別解消支援地域協議会を創設し、各種取り組みを進めてきました。 これまでの活動を通じて、様々な方から寄せられた事例のうち、「合理的配慮]の提供に関する好事例を御紹介します。 この好事例が皆様の大きな一歩に繋がることを願っています。 事例1 聴覚障がい者に対する配慮〜施行前よりよくなった!〜 イベント等のチラシや参加申込書の記載欄に、ファクス番号やメールアドレスが入るようになりました。また、窓口で筆談や身振りで対応してくれる人も多くなりました。他にも病院や駅、電車内を始め、様々な場所で字幕による表示も増え、とても助かります。 耳マークの図を掲載して説明しています。 知ってますか?耳マーク 聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人や聞こえにくい人への配慮を表すマークでもあります。 聴覚障がい者は、外見からはその障がいが分かりにくいために、誤解されたりするなど、日常生活を送る上で困難なことがあります。 このマークを提示された場合は、相手が「聞こえない・聞こえにくい」ことを理解し、コミュニケーションの方法等への配慮をお願いします。 事例2 援助や配慮が必要な方への思いやりのある行動〜ヘルプマークを知っている人が増えてきた!〜 電車に乗っている時、座っている方が席を譲ってくれました。車内にはヘルプマークのシールが貼ってあり、ヘルプマークを付けている私たちに配慮してくれたのだと思います。 最近では、公共機関や小学校などでもヘルプマークのポスターが貼られています。様々な世代の方が福祉に関心を寄せてくれることに期待感が高まります。 ヘルプマークの図を掲載して説明しています。 ヘルプマークって?? 義足や人工関節を使用している方、心臓や腎臓等の内臓機能に障がいのある方、難病の方、妊娠初期の方など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくためのマークです。 ヘルプマークを身に着けた方を見かけた場合は、電車やバスなどでは席をゆずり、困っている様子を見かけたら声をかけるなど、思いやりのある行動をお願いします。 事例3 相手を知ることがその人らしさを認める第一歩〜お互いが寄り添い合える社会に(身体障がい)〜 私は、外出の際に電動車いすを使用しています。買い物先の店員さんが、手の届かないところにある商品等を取ってくれるので助かっています。よく利用するスーパーでは、店員さんが自分のことを知っているため、すぐに対応してくれるので、とても助かっています。また、移動する際に夫が付き添ってくれることにも感謝しています。 事例4 職場の仲間に支えられて〜まわりの人の心配り(精神障がい)〜 自分自身の体調悪化に、なかなか自分でも気づくことが難しく、具合が悪くなっても言い出せないことがあります。そんな時に「大丈夫?様子がおかしいよ。先生に診てもらおう。」と言って、職場の仲間が診察に同席してくれたことがありました。その人のおかげで、適切に受診でき、とても助かりました。 事例5 障がいがあっても周囲の理解やサポートが大きな力に〜ともに生きる社会に(知的障がい)〜 中学生のとき、私の障がいを理解しようと、先生が親身になって話を聞いてくれました。先生のおかげで、自分の得意なことに気づくことや興味の幅を広げることができました。自分のことを理解してくれた先生との出会いは、大人になっても頑張る支えになっています。 お互いが認め合い、お互いが気づき合い、誰もが尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障がいのある人とない人との交流の機会を通じて、双方の理解を深めていくことが大切です。 ここで紹介した事例は、数ある事例の中の一つになります。 私たちには、障がいのある方に対する「不当な差別的取扱い」とならないように、また「合理的配慮」の提供が適切に行われるよう様々な状況や場面に応じた柔軟な対応が必要になります。 この事例集が皆様の参考になれば幸いです。 みなさんの声をお聞かせください 市町の障がい福祉に関する窓口では、障がいを理由とする差別に関する相談に応じています。 平塚市 福祉部 障がい福祉課 TEL:0463-21-8774 FAX:0463-21-1213 秦野市 福祉部 障害福祉課 TEL:0463-82-7616 FAX:0463-82-8020 伊勢原市 保健福祉部 障がい福祉課 TEL:0463-94-4721 FAX:0463-95-7612 大磯町 町民福祉部 福祉課 TEL:0463-73-4530 FAX:0463-73-1285 二宮町 健康福祉部 福祉保険課 TEL:0463-75-9289 FAX:0463-73-0134 令和3年3月 湘南西部障害保健福祉圏域障害者差別解消支援地域協議会 https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/fukushi/page45_00032.html (注)この事例集では、障害の「害」の字を、法令等に関するものや固有名詞以外のものは、ひらがなで表記しました。