「リアル(写実)のゆくえ-高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」展を開催

平成29年4月4日

平塚市
担当 美術館 学芸担当 土方
電話 0463-35-2111
 

「リアル(写実)のゆくえ 高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」展を開催

 
 平塚市美術館では、企画展「リアル(写実)のゆくえ 高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」を、4月15日から6月11日まで開催します。
 江戸時代から徐々に招来された西洋画は、その科学的な写実技法が伝統的な日本の絵画と大きく異なり、当時の人々に衝撃を与えました。高橋由一は西洋の石版画と巡り合い、その迫真の描写に感動して洋画家を志しました。彼にとって写実とは、自然や身近なものなど外界に対する清新な感動を伝える手立てとして機能しました。さらに大正期、岸田劉生は北方ルネサンスの巨匠たちの「クラシックの美」をめざし卓抜した描写力で写実を極めました。それは現実を超え出る写実であり「内なる美」の表出として高く評価されています。劉生および彼の率いる草土社は同時代の青年画家たちに大きな影響をもたらしました。ここにおいて写実は外界の描写のみならず内面を表出する手段として機能しました。由一と劉生の事物に対するアプローチは異なりますが、両者とも偽りのない心情を示すため細部まで写実的に再現する必要があったことに変わりはありません。
 その後、写実絵画は時代の変遷とともに、様々な役割を担いました。また、写実という概念そのものも時代の思潮により変化をきたしました。それは西洋由来の写実をいかに消化し己のものにするかという意識の表れかもしれません。
 今また細密描写による写実が注目されています。本展は、移入され150 年を経た写実がどのように変化しまた変化しなかったのか、日本独自の写実とは何かを作品により検証し、明治から現代までの絵画における写実のゆくえを追うものです。
 

リアル(写実)のゆくえ 高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの

会期      平成29年4月15日(土)~6月11日(日) 50日間
開館時間  午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日    月曜日
主催      平塚市美術館
制作協力 NHKプラネット中部
協賛   神奈川中央交通株式会社
会場      平塚市美術館
     〒254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
     電話 0463-35-2111 ファクス 0463-35-2741
     URL http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/
     JR東京駅から東海道線で約1時間。JR平塚駅より徒歩20分。または平塚駅東改札口(北口)より、神奈川中央交通バス4番乗り場乗車「美術館入口」または5・6番乗り場乗車「コンフォール平塚前」下車。無料駐車場70台。
 
観覧料   一般800円、高大生500円
  • 20人以上の団体料金は一般640円、高大生400円
  • 中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
  • 各種障がい者手帳の交付をうけた方と付添1人は無料
  • 65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金
 

関連事業

  1. 巡回4 館の学芸員によるリレーギャラリートーク
    日時 4月15日(土) 午後3時~午後4時
    場所 展示室1 ※申込不要(要観覧券)
  2. 担当学芸員によるギャラリートーク
    日時 4月23日(日)、5月13 日(土) 各午後2時~2時40分
    場所 展示室1 ※申込不要(要観覧券)
  3. 対談 「リアル(写実)のゆくえ展を熱く語る」
    講師 江尻潔(足利市立美術館学芸員)、土方明司(当館館長代理)
    日時 5月21日( 日) 午後2時~午後3時30分
    場所 ミュージアムホール※申込不要、無料 ※先着150人
  4. 親子鑑賞サポートタイム
    日時 5月12 日(金)
    集合 午前10時(1時間程度を予定)
    ミュージアムホールにお集まりください。
    ※対象 未就学児とその保護者(保護者は要観覧券)、申込不要

同時開催

 平成29年度企画展「斎藤文夫コレクション 浮世絵・神奈川名所めぐり」
 平成29年4月15日(土)~6月11日(日)