9月定例市長記者会見 タブレットを利用した簡易認知機能検査を始めます

令和2年9月18日

タブレットを利用した簡易認知機能検査を始めます
平塚市側の説明


落合克宏市長:
 次に「タブレットを利用した簡易認知機能検査を始めます」についてご説明いたします。
 認知症の高齢者は、2025年には全国で約700万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人に達すると言われています。認知機能の低下に本人自身や周りの人が早く気づき、本人が安心して暮らしていけるよう、早期から対応することが重要です。
 そこで平塚市では、認知機能の低下が疑われる人を早期に発見し、早い段階から適切な支援につなげていくことを目的に、タッチパネル方式により簡単な認知機能の検査ができる「物忘れ相談プログラム」を搭載したタブレット端末を市内13カ所すべての高齢者よろず相談センター(地域包括支援センター)に9月23日から配備します。「物忘れ相談プログラム」は、短時間・低ストレスで認知機能の検査ができ、結果は点数化・グラフ化されて、その場で確認することができます。
 検査の結果、認知機能の低下が疑われる方は、2次検査として「TDAS(ティーダス)プログラム」というプログラムによる検査を受けていただき、その結果によって認知症予防教室の案内や、サロンや認知症カフェなどの紹介、あるいは医療機関への受診勧奨などを行います。
 このように高齢者よろず相談センターの医療職や認知症地域支援推進員が関わり早期に発見し、適切に対応することで認知症になるのを遅らせたり、認知症になっても進行を緩やかにしたりすることができます。
 詳細につきましては、発表資料、関連資料をご覧ください。
 私からの説明は以上です。

質疑内容の要旨


Q記者:このタブレットを導入しているのは、他自治体などにはあるのか。
A福祉部長:県内では、相模原市が本市と同じ物忘れ相談プログラム3台を平成27年から導入されているというふうに伺っています。本市では市内の高齢者よろず相談センター13カ所に配備いたしますので、より多くの方にご利用していただけると考えております。

Q記者:同様のプログラムもあると思うが、そういったものは他自治体に導入されているのか。
A福祉部長:そもそも神奈川県で国立長寿医療研究センターというところで開発していた認知機能評価、iPadを利用するようなシステムなんですけれども、そちらによって認知機能評価を行っております。本市もそれを昨年度まで利用しておりました。神奈川県の事業として機器をお借りして事業を行っておりましたけれども、やはり神奈川県の事業でいつ終了になるかも分からないということもありましたので、平塚市ではこちらの物忘れ相談プログラムのほうに変えております。ちなみにこの神奈川県の事業ですけれども、5市4町でご利用になっていると伺っております。

Q記者:県の事業は現在も続けているということか。
A地域包括ケア推進課長:現在も続いております。

Q記者:事業の終了が見えているものなのか。
A地域包括ケア推進課長:県の事業なので、来年はあるのかというのが、毎年度予算が確定するまで分からないというところがございます、確実に事業ができるようにということも含めて検討しまして、導入しました。

Q記者:両方のサービスを並行してやるものということではないということか。
A地域包括ケア推進課長:そうです。今回導入したものに切り替えて実施するということです。

Q記者:県のプログラムに、もう少しこういう機能が欲しいといったようなことがあって切り替えたというわけではないのか。
A地域包括ケア推進課長:神奈川県のものとの違いですけれども、所要時間も物忘れ相談プログラムについては5分程度でできるものになります。神奈川県のものは最短でも15分程度時間がかかるということで、設定によってはもう少し時間がかかるということもあります。それから、神奈川県のものは検査をしたものがその場ですぐに結果が出なくて、一度県に送ってそのやりとりをする中で結果が返ってくるということで、その間はiPad自体を送るようになりますので、その間は利用できないというところもございました。

Q記者:一度県に送るとどの程度期間がかかるのか。
A地域包括ケア推進課長:長いと2カ月、3カ月かかる場合もありました。

Q記者:県のシステムは、いつ平塚に導入されてこれまでどのくらいの人が利用したのか。
A地域包括ケア推進課長:活用したのは一昨年からの2年間です。

Q記者:多くの人数をさばけないシステムだったということか。
A地域包括ケア推進課長:そうです。それと今回導入させていただいたのは、その場で結果が出るということで、普段は各高齢者よろず相談センター13カ所に配備しますが、高齢者に身近な高齢者よろず相談センターで気軽に受けていただくことができます。それと日々の相談業務を高齢者よろず相談センターでは行っておりますので、そういった相談業務の中で寄り添いながら気軽に検査を受けていただいて、その次の支援につなげていこうということです。そういったところがメリットとしてありますので、導入させていただいたということです。

Q記者:市内の認知症の方の人数は。
A地域包括ケア推進課長:正確には何人という数字を出すのは非常に難しいところではありますが、令和2年3月末時点で介護認定を受けていられる方が約1万1,700人いらっしゃいます。その介護認定を受ける際にかかりつけのお医者様の意見書ですとか、訪問で調査員が調査するということをするのですが、その中で認知症の方が約1万人程度。これは、日常生活はほぼ自立しているのですが、何らかの認知症を有するということで、約1万人の方がいられるという集計をしております。なお、日常生活に支障をきたしている方ということですと、約6,800人というふうに想定をしております。先ほども少し触れましたが、介護認定を受けていられない方ですとか、認知症ではなくても認知機能の低下がみられる方などいらっしゃると思いますので、実際には市では把握できていない方もこの他にいられるとは思っています。

Q記者:このシステムに乗り換えることによって、どれくらいの件数を見込んでいるのか。
A地域包括ケア推進課長:1カ所の高齢者よろず相談センターで年間60件程度見込んでおりまして、市全体で780件程度検査を行うことを想定しております。日々の日常の相談支援業務を行う中で利用していただいて、実際の検査状況を見ながら検査できる場面や機会をとらえて、有効に活用していきたいと考えています。

Q記者:1年間で780件ということか。
A地域包括ケア推進課長:はい。

Q記者:県の事業でやっていたもの市独自にやるということは思いがあってのことだと思うが、平塚市としての思いや考えは。
A市長:平塚市は認知症に対して長い間取り組んでまいりまして、特にこの高齢化が進む中では認知症の方が疑いも含めて多くなっていられます。この認知症については、早く発見というか見つけて早く対応することによって、その方がいきいきと地域で生活できるという社会ができますので、それを進めていくために今回この機器を導入させていただき、なるべく早くそれも簡単に発見をしてその方が今後、認知症に寄り添って長生きしていただきながら進めていける、そういう地域を作っていきたい。そういう思いで、今回導入をさせていただきました。

Q記者:県が市の都合と関係なくやめてしまうということで変えるというわけではないということか。
A市長:そうではないです。私ども自身が、平塚市がこの認知症に対する取り組みとして、今回この機器の導入を進めたということです。

Q記者:予算規模はどれくらいか。また、なぜ今この時期に導入なのか。
A地域包括ケア推進課長:予算としましては、機器一式のリースということになりまして、月額約16万円で5年のリースということで、正確には56カ月のリースになりますけれども、税込み約895万円ということでございます。なぜこの時期にということですが、認知症施策というのは大変重要になってきております。高齢者福祉計画というものがあるのですが、その7期という平成30年から32年にかけての3カ年の計画の中で、認知症総合施策の推進というのが重点施策の一つに位置付けられております。認知症の人を単に支える側というふうに考えるのではなくて、認知症の人が認知症と共によりよく生きていけるような環境を整えることが必要というふうに考えております。ですので、こういったタブレットを導入して、早く検査を受けていただいて、早期に対応するということも大事ですし、地域や私たち市民一人一人の認知症や認知症の方を正しく理解することが大事だというふうに考えております。この認知症を早期に対応するということでございますけれども、なかなかいきなり病院に受診して、疑われるから診断しましょうというのはなかなかハードルが高いと、そこまではすぐには進めないというようなことを聞いております。そういった中で、こういった簡単に検査・テストができるものを、それを身近な相談窓口の高齢者よろず相談センターで配備して、気軽に受けていただく、あるいは支援員とかかわりをもって相談を受ける中で気軽に使っていただいて、次の支援につなげていただく、寄り添った支援ができるということで、導入させていただいたということになります。
 
定例市長記者会見における質疑内容を広報課広報担当でとりまとめて掲載しています。

記者発表資料

平塚市
担当 地域包括ケア推進課医療・介護連携推進担当 相原
電話 0463-20-8210

タブレットを利用した簡易認知機能検査を始めます

 
 認知症は誰もがなりうるものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含め、多くの人にとって身近なものとなっています。認知機能の低下に本人自身や周りの人が早く気づき、本人が安心して暮らしていけるよう、早期から対応することが重要です。
 平塚市では、簡単な認知機能の検査ができるプログラムを搭載したタブレットを各高齢者よろず相談センター(地域包括支援センター)に配備し、検査を行うことで簡易かつ短時間で認知機能の低下がみられる人を発掘し、早期の対応や指導を行います。お住まいの地区の高齢者よろず相談センターで検査を受けられますので、気軽に御連絡ください。
 

実施時期

 令和2年9月23日(水曜日)から
 

実施場所

 平塚市内の各高齢者よろず相談センター 13カ所
 

申し込み

 事前予約が必要です。
 お住まいの地区の高齢者よろず相談センターに電話してください。
 

費用

 無料
 

概要 

 鳥取大学の浦上克哉教授が考案した「物忘れ相談プログラム」とアメリカのMohs博士らにより開発された「TDASプログラム」を利用し、タッチパネル式の端末で簡易に認知機能の検査ができます。検査結果は、その場でプリントアウトして確認することができます。
「物忘れ相談プログラム」は質問項目が少なく、短時間・低ストレスで検査が受けられます。検査の結果、認知機能の低下が疑われる方は、2次検査として「TDASプログラム」による検査を受けていただきます。その結果によって認知症予防教室等の案内をしたり、サロンや認知症カフェを紹介したり、あるいは医療機関への受診勧奨などを行うなど、高齢者よろず相談センターの医療職や認知症地域支援推進員が関わり早期発見、早期対応を図ります。