平成21年 年頭市長記者会見

平成21年1月5日

 

平成21年 年頭市長記者会見

平成21年1月5日 

新年によせて

大藏律子市長:
 
みなさん、明けましておめでとうございます。大変厳しい社会経済状況の(中で新年の)幕開けとなりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 
はじめに、この平成21年の年頭にあたりまして、平塚市はどんな年になるのか…というあたりについて、若干お話をさせていただきたいと思います。
 
今年は、平塚市総合計画の第1次実施計画の最終年度にあたります。3か年の最終年度でございます。
 
昨年来での厳しい経済状況の中でございますので、推進すべき事業の選択と、それに必要な資源の集中を行うことでより高い成果が得られますように、職員一同取り組んでいきたい、そう思っております。
 
行政改革や財政健全化プランを確実に実行していくことはもちろんのことでございますが、市民や地域の持つ力をまちづくりに生かすことで、このような厳しい状況を乗り越えてまいりたい。
 
また、そのためには、これまで築いてまいりました市民の皆様と行政との信頼関係を一層深めた市政運営を進めていきたい、そう思っている年頭でございます。
 
では、(平成)21年に予定している主な施策等について、ご説明申し上げたいと思います。
 

行政提案型協働事業

 
まず、何よりも「行政提案型の協働事業」を進めたいと思っております。これは市民と行政が連携いたしまして、限られた財源、限られたスタッフの中で行政が抱える課題に取り組む行政提案型の協働事業を、この4月から本格的にスタートさせたいと取り組んでおります。
 
すでに4つの事業を定め、それに対する公募で団体も決まりまして、進め方について話し合いも進んでいるところでございますので、行政と市民との協働により生み出された「新たな推進力」が、平塚市のまちづくりを進める大きな原動力になることを期待して取り組んでまいります。
 

平塚海岸「浜辺のさんぽ道」

 
2つ目は、平塚海岸に「浜辺のさんぽ道」が整備されます。
 
これは(平成)20年秋から取り組んできたことでございますが、ビーチパークのボードウォークの東端と新港駐車場を散歩道、「浜辺のさんぽ道」と称しておりますが…整備することで、ビーチパークの駐車場不足(解消)を図ってまいりたいと思っております。
 
3月末には完成の予定でございます。将来的には、「さがみ縦貫道」が整備されますと、八王子や埼玉方面から観光客増加が見込まれますし、海岸整備は平塚の魅力を高めるためにも大変重要な取り組みだと考えております。
 
(平成)21年度からは、ビーチバレーボールコートの増設や観客スタンドの新設なども盛り込む予算を考えているところでございます。
 

木谷實生誕100周年記念・棋聖戦

 
3つ目は、この平成21年は、木谷實生誕100周年にあたる年でございます。それを記念する事業を考えてまいりたいと思っております。
 
1月25日が、平塚ゆかりの棋士木谷實九段の生誕100年でございます。"囲碁のまち平塚"の囲碁文化振興に向けた記念事業といたしまして、まずは第33期棋聖戦を平塚で行います。その際に「大盤解説」のほか、「木谷實(九段)を語る」という、ゆかりの方々の鼎談を予定しているところでございます。
 

平塚市美術館の企画展

 
そして4つ目、美術館の企画展でございます。特徴的なものを開催し「平塚の美術館ここにあり」を示したいと思っております。
 
そのひとつは、「わたしがえらんだ ちひろ 展」を考えております。神奈川県内では「ちひろ展」というのは初開催でございますが、東京都練馬区や長野県安曇野市にあります「いわさきちひろ美術館」から約150点の作品を拝借いたしまして展示いたします。
 
いわさきちひろの絵と言いますと、誰もが一度は見たことがある、子ども・平和をテーマにして描かれた作品が多くございますので、その中で「わたしはこれが好きだ」といようなことで、作品の人気投票やメッセージを募集するなどいたしまして、いわさきちひろさんをより身近に感じていただけるような市民参加型の企画展を目指しております。
 
企画展のもうひとつは「日本のカー・デザイン20~21世紀」展、これも開催しようと思っております。美術館でこのようなクルマの展示をするというのは、初めてだと思います。
 
県内にあります企業のご協力をいただきまして、現代の基幹産業であります自動車のデザインとその機能美の歴史をひもといてまいりたい、そんなふうに考えているデザイン展でございます。
 
そこには、本市にあります日産車体の車をつくるところがございますので、その車も展示をさせていただくという予定で考えております。
 

旧横浜ゴム平塚製造所記念館

 
それから、八幡山公園に整備を進めてまいりました旧横浜ゴム平塚製造所記念館がオープンいたします。4月のオープンに向けまして、この年明け早々から外構工事が始まります。
 
記念館には、明治時代の雰囲気を味わえるように復原展示した部屋とか、市民の皆様に有効にご活用いただくための部屋などが用意されます。そこにはピアノも設置いたしますので、お洒落な雰囲気でのミニコンサートなどにも利用いただけるようになるとうれしいな…と考えているところでございます。
 

小中学校体育館耐震補強事業

 
そして、この(平成)21年(に予定している事業)の最後でございますが、どんなに財政が厳しかろうとも疎かにすることができないという意味で、小中学校体育館の耐震補強事業の充実を図ってまいります。
 
平成21年度工事予定は、小学校が2校、中学校が2校ございます。また、設計予定につきましては、21年度にはもう中学校はすべて設計委託が終了いたしておりますが、小学校の4校の委託もいたします。
 
小中学校の体育館の耐震補強設計および耐震補強工事を実施するものでございます。子どもたちの安心・安全のほか、市民のいざというときの避難場所にもなってございますので、安心・安全なまちづくりの一環としても避けて通れないという意味で、こちらを充実したいと考えております。
 
以上が、この平成21年に平塚市の考えていること施策等でございます。わたくしからは以上でございます。
 
 

質疑内容の要旨

 
 

1年の抱負

 
Q記者:丑年のこの1年をどんな年にしたいか?
 
A市長:暗い話が多いわけですが、20年よりも21年はもっと社会経済政治状況も混沌としてくるのではないか…というふうに思っています。
 
しかし、「冬来たれば春遠からじ」とか、真っ暗闇の夜もいつか必ず明けてくる…ことがありますように、明るいことをどんどん表に出しながら、ゆっくりゆっくりでも進めていきたい。
 
計画に決められた事業は、牛のようにゆっくりではなくて、これはもう、本当にスピードアップして具現化のために、行動を積極的にやっていかねばならないと思っておりまして、緩急取り混ぜながら、確実に未来に向けて歩み出す年。雲間から明るい光を感じ取れる年にしたいと、そんなふうに思っております。
 

日産車体工場の一部移転

 
Q記者:日産車体の九州新工場が9月に稼動するということだが、その件について(本日の記者会見で)全然触れないというのはどういうことか?
 
A市長:直接、うち(平塚市)で(日産車体側からの)お話を聞いていなかったんですが…
 
Q記者:社長が発表していて、平塚市として聞いていないというのはおかしいのではないか?
 
A市長:こちらに直接は(移転時期の話は)ございませんでした。今まで、発表するときには(事前に情報を)欲しいということでしたが、おっしゃるとおり平塚に(本社工場が)あり、しかも大きな工場の一部が九州工場の方に移転するというのが…。
 
昨年、(日産車体に)お話をうかがったときには、この21年度中は(移転は)無いのではないかというような感想を持っておりましたけれども、この(1月)1日の(新聞)発表で「9月には移転」ということでございますので、平塚市にとっては大きな影響が出てくるというふうに思います。
 
これは、法人市民税の関係もそうでございますが、市民がどのくらいになるかは分かりませんけれども、確実に移転をしていかれる方の平塚市民人口というのは減るわけでございますので、そういう意味では大きいと…
 
Q記者:大きな問題として捉えているのに、こちら(記者側)から質問しなければ(見解を)出さないというのはおかしいのではないか?(日産車体の移転については)市長から何らかの言及があると思っていた。市民のことを本当に考えているのか?法人市民税や市民税への影響は大きいと思うが、日産車体の考えを聞かずに、きょうの記者会見に臨んだのか?
 
A市長:そうです。正直言って今日、5日のこれまでには、まだ(日産車体の関係者に)お目にかかれるチャンスがなかったことと、それから、今日これから、ただいまのような問題は庁内でも検討いたしますので、何も(情報や見解を)もっていない状況で(この案件に)触れるというのは(日産車体や市民に)大変失礼だと思って、触れませんでした。
 
Q記者:しかし、(日産車体平塚工場の一部移転については)「(平塚天沼地区土地活用に向けた)調整会議」が組織されているのではないか?
 
A市長:そこ(調整会議)の場では、一切まだ(9月に移転するという話は)出ていませんでした。昨年の末までは…
 
Q記者:(日産車体が12月)31日に発表したというような情報も(市が)入手できていないということは、非常にお粗末だと思うが、市長はどう考えるか?
 
A市長:大変、情報収集が遅れていることは残念です。わたしどもは、発表の前には調整会議ももっていますので「必ず事前に(情報を)欲しい」というふうに申し上げましたが、それはありませんでした。そして、(市役所の)仕事始めも今日でございますので、今日から…
 
Q記者:こういう大きい話を仕事始めのときでなければキャッチできないというのは、(自治体の)危機管理体制としてもお粗末だと思う。この記者会見では「当然話がある」と思っていたが、何も出ないで終わるのは本当に残念だ…
 
A市長:ご感想をよく受け止めました。これから、本市としては検討します。双方での話はこれから始まってまいりますので…
 
Q記者:「これから」と言うが、それならば調整会議は何のために設けたのか?
 
A市長:調整会議は(市と企業側等の)両方が一緒になって4者(日産車体・日産自動車・UR都市機構・平塚市)が集まって(検討事項を協議)いたします。
 
Q記者:4者が集まらなければ何もできないということか?
 
A市長:「本市なりの対策は今日からいたします」と申し上げておりますが、先方から正式にお話もありませんし、こちらから(調整会議の開催について)投げかけてみたいと思います。しかし、その日程は今後の調整になっていこうかと思います。
 
 
※年頭市長記者会見における質疑内容を広報・情報政策課広報担当でとりまとめて掲載しています。
 
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