3月定例市長記者会見・旧横浜ゴム平塚製造所記念館が開館 移築復原工事完了でオープニング記念式典

平成21年3月26日

 

平塚市側の説明

 
大藏律子市長:
 
みなさんおはようございます。新年度を目前に控えまして、数年間にわたって継続事業として進めてまいりましたいくつかの取り組みがここで完結いたします。
 
記者のみなさまにはすでにご案内しておりますように、平塚市中心市街地と旭地区との交通利便性を高めます「玉川橋・東雲橋」。
 
それから吉沢地区の安心安全な暮らしの実現に大きく貢献いたします「消防署土沢分遣所・消防団第16分団庁舎」の複合施設。
 
そして、平塚海岸の魅力アップと湘南ひらつかビーチパークへのアクセス向上を図ります「浜辺のさんぽ道」がそれぞれ完成いたします。
 
また、本日ご紹介いたします「旧横浜ゴム平塚製造所記念館」も、約3年におよぶ移築復原工事が最終段階に入り、みどりに囲まれた八幡山の地で静かに再出発の時を待っております。
 
それぞれの施設や道路が毎日の暮らしに潤いと安心を与え、市民のみなさまに末永く愛され親しまれることを願っているわけでございます。
 
4月からの利用開始に先立ちまして、3月29日の日曜日にはそれぞれの場所でオープニング式典が開かれます。
 
ご多忙中とは存じますけれども、記者のみなさまにもぜひお出かけをいただき、多くの市民にお伝えいただきたいと願っております。
 
【旧横浜ゴム平塚製造所記念館】
 
本日の案件をご説明申し上げます。本日の案件は、市民が憩う文化遺産として再出発の旧横浜ゴム平塚製造所記念館でございます。
 
平塚市内で唯一現存しております明治時代の洋風建造物「旧横浜ゴム平塚製造所記念館」の移築復原工事が完了し、4月から資料館としての要素を備えた文化施設として開館いたします。
 
館内には自由に見学できます展示室や応接室のほか、サークル活動にも利用できます会議室・厨房を整備いたしました。
 
一般から公募いたしました愛称も決まり、市民が憩う文化遺産として再出発いたします。
 
この移築復原工事は平成18年度から3年間、歴史的建造物保存・活用事業として進めてまいりました。
 
開館に先立ちまして、3月29日オープニングセレモニーを開催し、平塚の歴史を見つめてきた記念館の再出発を祝います。
 
この旧横浜ゴム平塚製造所記念館の愛称でございます。記念館が多くの方々から愛され、幅広く利用されるとともに、建物を恒久的に保存し、歴史と文化的価値を紹介する資料としても活用されるよう、記念館の愛称を募集いたしました。
 
募集期間は昨年の8月15日からの1カ月間でございました。応募総数70件、60名の応募者でございましたが、その中から愛称決定委員会で決定をいたしました。
 
提案者・平塚市在住の4名の方々から応募のあったものを合成した名称「八幡山の洋館」という愛称に決まりました。
 
次に旧横浜ゴム平塚製造所記念館の施設利用概要でございます。
 
開館時間は午前9時から午後9時半まで。休館日は月曜日でございます。それから年末年始です。月曜日が祝日の場合はその後の休日でない日が休館日となります。
 
入場料については、拝観は無料です。会議室・厨房の利用については有料となり、事前申し込み制となっております。
 
施設概要でございますが、お手元にパンフレットを配布してございますので、中を見開いていただければと思います。
 
旧応接室は復原展示室として活用します。旧第一会議室と旧第二会議室は貸室となります。また、旧第二会議室の南には展示室を設けてございます。それから、厨房は会議室との併用で有料での貸し出しをいたします。そのほか、廊下がございます。
 
利用の申し込みでございますが、希望日の属する月の三か月前の1日から7日までの先着順となってございます。
 
また、この指定管理者は旧横浜ゴム平塚製造所記念館運営管理共同事業体に指定管理者として決まりました。
 
次ページでございますが、オープニングセレモニーは先ほど申し上げました、平成21年3月29日午後1時から、この記念館内で開催をいたします。
 
内覧会の後、記念イベントといたしまして、「湘南座」による一人遣い人形浄瑠璃の「三番叟」を演ずることとなっております。
 
移築復原の経緯でございますが、話の発端は平成13年12月、横浜ゴムから「耐震性に問題があるのでこの記念館を取り壊したい」との申し入れがあったことに始まっております。
 
平成16年の4月に平塚市として「記念館を保存したい」という機運も盛り上がり、横浜ゴムから贈与されました。
 
平成16年7月には国の登録有形文化財として登録し、その年の9月から解体収集工事に着工してます。
 
その間、市民公募によるワークショップで利用活用方法を検討してまいりました。
 
また、平成18年5月移築復原工事の実施設計に着手し、復元工事を19年6月から着工をいたしました。
 
この平成19年度には市民公募によりますワークショップで、管理運営等の検討をしてまいりました。
 
20年9月、記念館本体の建築工事が完了をいたしました。
 
そして、外構工事を完了させ、この3月29日にオープニングセレモニー、4月からオープンという予定になっております。
 
復元工事に要した経費は、3か年の継続事業として2億7900万円を要しております。
 
以上が旧横浜ゴム平塚製造所記念館についてのご説明でございますが、後ろのページにはこの記念館の「概要」横浜ゴム記念館になるまでのいきさつですとか、それぞれどのように活用されてきたか、そして特徴がどこにあるか等を記述してございますので参考にしていただければありがたいです。
 
わたくしからの説明は以上でございます。
 
 

質疑内容の要旨

 
 
【旧横浜ゴム平塚製造所記念館】
 
Q記者:資料室にはどういうものが置いてあるのか?
 
A社会教育課課長代理:展示室につきましては、横浜ゴム記念館の建物の概略でありますとか、移築復原工事にいたるまでの経緯でありますとか、あと今までの歴史的なことのパネル展示をさせていただいております。
 
応接室につきましては、明治時代の雰囲気が味わえる家具が展示してございまして、それにつきましては、リーフレットの写真の通りでございます。
 
Q記者:利用の予定(申し込み)はすでに入っているか?
 
A社会教育課課長代理:団体登録が10件ほどきてまして、その中で申し込みをされてこられた団体が4団体ほどございます。あとは、市の関係の利用も入っております。
 
Q記者:家具の展示とあるが特注(特別注文)でつくったのか?
 
A社会教育課課長代理:特注で展示させていただきました。
 
Q記者:椅子などは当時の物を展示しているわけではないのか?
 
A社会教育課課長代理:(移築復原に合わせて)新しく製作したものでございます。
 
Q記者:(県内では)文化財の火災が相次いでいる。記念館の防火対策などはどうなっているのか?
 
A市長:自動火災報知機2つの設置、それから消火器の配備をしてございまして、夜間は機械警備になります。
 
27日に外溝工事が終了し、引き渡しが行われますが、それに伴いまして3月の末までは夜間におきまして社会教育課で警備員を常駐配備することを考えております。
 
4月以降は指定管理者の管理となりますので指定管理者とそこら(警備員の配備など)は十分協議をしてまいりたいと思っております。
 
Q記者:指定管理者による管理方法などは、具体的に決まっているのか?
 
A社会教育課課長代理:当面、今の予定では、指定管理者のほうも夜間警備に人を配置するということで、お示しされております。
 
Q記者:スプリンクラーなどは設置されていないのか?
 
A社会教育課課長代理:それは今、付いておりません。
 
Q記者:(今後も)つかないのか?
 
A社会教育課課長代理:現在はついてないですけれども、今後の検討になると思います。
 
 
【大型事業建設計画の見通し】
 
大藏律子市長:
 
みなさまからご質問いただく前でございますが、前回の記者会見、あるいは議会等でこの間「財政シミュレーション」を3月中にお示しをしますというふうに申し上げてまいりました。
 
現在、庁内で調整中でございまして、来週早々にシミュレーションしたものをお示しすることとなってございますので、あらかじめご了承いただきたいと思います。
 
Q記者:正確なことは覚えてないが、(財政シミュレーションの提示は)3月中ではなくて3月の中頃ではなかったか?
 
A市長:(2月の定例)記者会見で、確かにそういうことを申し上げました。議会でその後いろいろありまして、「3月中に」というふうに申し上げましたので…。
 
今、内部で最終のチェックをしているところでございますので、来週早々をお待ちしていただければと思います。
 
 
【環境事業センターの焼却炉一部停止】
 
Q記者:他市へのごみ焼却委託はいつまで続けるのか?
 
A中戸川副市長:ご承知のように3号炉(の排出ガス測定の)が結果が出まして、稼働することができましたので、現在2号炉と3号炉、2炉で動いております。
 
しかし、3炉を止めた後遺症がありまして、まだゴミの量が減っていない状況。今日現在で1700トンくらい残っております。従いまして、3月一杯は現在の体制で各市にお願いをしたいというふうに考えております。
 
それからあと、1号炉の原因究明と改善策というのをやっておりまして、その結果が4月の初めごろには出るのではないかと…。
 
従いまして、その時点で3炉の運転ができるかどうか、または2炉でやっていくのかという決断が出ると思いますので、その時点で(他市町にごみ処理を委託している)対応をどうするかということをもう一度再検討したいというふうに思っております。
 
Q記者:(定額給付金に伴う)商品券の発行を検討していると思うが、どのように対応していく考えか?
 
A市長:定額給付金に対するプレミアム商品券の発行(については)、商工会議所と商連(平塚市商店街連合会)から議会(3月定例会)中に要望をいただきました。
 
そのほか、飲食店協同組合やあるいは政党からの要望もいただいているとこでございます。商工会議所、商連等と出す(発行する)ことのメリットやデメリット等を含めまして、現在、協議を進めているところでございます。
 
Q記者:場合によっては、平塚市として補正予算等で(商品券の発行に伴う費用負担を)支出する考えがあるということか?
 
A市長:最終決断はまだ出ておりませんが、これまで申し上げてきたことは主体的に事業者、あるいは関連者、農業の分野は農業、工業の分野は工業、商業の分野は商工業分野の方々が自ら計画を立て、積極的に「こういうふうにやります」というものがある場合は、「行政として必要なサポートをいたします」というふうに申し上げてまいりましたので、今回の場合も、商業者が主体的に「こういうような計画でやります」というものが公としてやるべきだと判断をしたら支援をしたいと思っています。
 
 
【県の受動喫煙防止条例】
 
Q記者:少し先の話になるが、先日、県議会で受動喫煙防止条例が可決され、来年の春から施行される。平塚市庁舎も対象になってくるが(現状では)喫煙所が確保できてないと思う。(分煙方法などを)検討する考えはあるか?
 
A市長:条例との関係で、まだ具体的に検討は内部組織でやっておりませんが、県条例は県内全体にもちろん及ぶわけでございますから、検討をこれからしたいと思います。現在、何が足りないとおっしゃいましたか…?
 
Q記者:喫煙所がおもて(建物外)に出ている状況は、これからは通用しなくなると思うが、どう考えるか?
 
A市長:十分検討してみたいと思います。
 
Q記者:本庁舎の1階だと建物外なので大丈夫だが、2階では(建物内の)ベランダになるので、ダメ(条例に適用しない)ということか?
 
A市長:ちょっと…、わたくしはまだそこまで十分承知しておりませんで、担当がおりましたら…。では、今後、条例との関係でどうなのかを、うち(庁内で)できちんと精査させていただいて、またお示しすべきものがあったらお示ししたいと思います。
 
 
定例市長記者会見における質疑内容を広報・情報政策課広報担当でとりまとめて掲載しています。
 
 
 

記者発表資料

 
  • 説明する大藏律子市長
平成21年3月26日
平塚市
担当 社会教育課 文化財保護担当 見留
電話 0463-35-8124
 
 
 
 

市民が憩う文化遺産として再出発
旧横浜ゴム平塚製造所記念館が開館
移築復原工事完了でオープニング記念式典

 
 
 平塚市内で唯一現存している明治時代の洋風建造物「旧横浜ゴム平塚製造所記念館」の移築復原工事が完了し、4月から資料館としての要素を備えた文化施設として開館します。館内には自由に見学できる展示室や応接室のほか、サークル活動等にも利用できる会議室・厨房を整備。一般公募した愛称も決まり、市民が憩う文化遺産として再出発します。
 
 同記念館の移築復原工事は平成18年度から3年間、歴史的建造物保存・活用事業として進めて来ました。開館に先立ち、3月29日にオープニングセレモニーを開催し、平塚の歴史を見つめてきた記念館の再出発を祝います。
 
 
  • 横浜ゴム記念館の南立面図
旧横浜ゴム平塚製造所記念館の愛称
 
記念館が多くの方々から愛され、幅広く利用されるとともに、建物を恒久的に保存し、歴史と文化財的価値を紹介する資料としても活用されるよう、わかりやすく親しみやすい記念館の愛称を募集しました。
 
愛称  八幡山の洋館(はちまんやまのようかん)
 
提案者  平塚市在住の4名
 
募集期間  平成20年8月15日~9月15日
 
応募総数  70件(60名)
 
選考  愛称決定委員会(市民・教育長ほか 計7名)
 
旧横浜ゴム平塚製造所記念館の施設利用概要
 
開館時間  午前9:00~午後9:30
 
休館日  月曜日(当日が祝日の場合はその後の休日でない日)/年末年始
 
入館料  拝観無料、会議室・厨房の利用は有料(事前申し込み制)
 
施設概要
旧応接室(復原展示室)、旧第一会議室(貸室)、旧第二会議室北(貸室)、旧第二会議室南(展示室)、厨房(会議室との併用で貸し出し)、廊下
 
利用申込  希望日の属する月の3か月前の1日から7日前まで(先着順)
 
指定管理者 旧横浜ゴム平塚製造所記念館運営管理共同事業体
 
オープニングセレモニー
 
日時  平成21年3月29日 午後1:00
 
場所  旧横浜ゴム平塚製造所記念館(平塚市浅間町1番1号)
 
プログラム
市長あいさつ、愛称提案者(4名)の表彰、テープカット(5名)、内覧会、記念イベント:「湘南座」による一人遣い人形浄瑠璃「三番叟」
 
移築復原の経緯
 
平成13年12月 横浜ゴム(株)から平塚市に「耐震性に問題があるので取り壊したい」と申し入れ
 
平成16年 4月 横浜ゴム(株)から贈与
 
平成16年 7月 国の登録有形文化財(建造物)として登録
 
平成16年 9月 解体収集工事着工
 
 (平成16年度 市民公募によるワークショップで活用方法等を検討)
 
平成18年 5月 移築復原工事の実施設計に着手
 
平成19年 6月 復原工事着工
 
 (平成19年度 市民公募によるワークショップで管理運営等を検討)
 
平成20年 9月 記念館本体建築工事等(建物の復原)完了
 
平成21年 3月 外構工事完了予定
 
平成21年 4月 オープン予定
 
 復原工事費 2億7900万円(平成18~20年度 3か年継続事業)
  • 横浜ゴム記念館の写真
旧横浜ゴム平塚製造所記念館の概要
 
旧横浜ゴム平塚製造所記念館は、平塚市内では唯一、神奈川県内でも数少ない明治時代の洋風建造物。関東大震災での倒壊を免れた上、平塚空襲(昭和20年)の戦火でも焼け残りました。創建されて以来、平塚の歴史とともに存在し続け、国の登録有形文化財にも登録されています。
 
無煙火薬を製造していた日本火薬製造の建物として創建。大正8年に日本火薬製造が日本海軍に買収され海軍火薬廠となってからは、将校クラブ(横須賀水交社)の応接室、娯楽室、食堂として賑わったほか、横浜ゴム時代は、主に会議室、貴賓室として利用されて来ました。
 
明治期の洋風建築の特徴をよく表わした木造平屋造りの建物は、主屋の塔屋とアーチ型の窓など美的装飾を施した外観が特徴。また、二方に張り巡らせたベランダや八角形平面のベイウィンドウなども高い評価を得ています。
 
今後は、資料的な復原展示室、ミニコンサート、ギャラリー、会議、安らぎと憩いの場等に、多目的に有効活用する施設を目指します。
 
名称 旧横浜ゴム平塚製造所記念館(八幡山の洋館)
 
竣工年 推定:明治45年(1912年)
 
設計 不詳
 
施工 不詳
 
面積 195.11平方メートル (応接室、第一・第二会議室、厨房、廊下、ベランダ)
 
構造 木造平屋建て(塔屋付)
    管理棟を併設=事務室、倉庫、トイレ等の機能(鉄骨造平屋建て)
 
建物の評価
 
「神奈川県近代洋風建築調査報告書」(執筆:吉田鋼市横浜国立大学教授)では、「小規模ながら明治期の木造洋風建築の佳品たることは確かである」と評価されています。
 
建築的な特徴として、よく整った塔屋の形、主屋のアーチ型の窓やその上下に施された装飾、北側の壁に設けられたベイウィンドウ(出窓)などが挙げられます。
 
また、日本火薬製造~海軍火薬廠時代は、その後の多くの軍需工場進出の礎となり、平塚市の工業の発展に大きく影響を与えた一方、平塚が空襲を受ける一因ともなりました。
 
この建物は、日本火薬製造時代の施設で現存する唯一の遺構であり、平塚の近代史のシンボルとしても評価できます。