平成20年度平塚市民病院医療事故等の公表

平成21年6月17日

平塚市
担当 医療安全管理室 真間
電話 0463-32-0015 内線5196
 

平成20年度平塚市民病院医療事故等の公表

 

主旨

 平塚市民病院(平塚市南原1-19-1、病院長 石山 直巳)では医療の透明性を高め、患者の知る権利に応えるため、平成20年度の医療事故等について公表します。公表基準は別紙参照
 

公表の内容

 平成20年度の市民病院におけるアクシデントとインシデントの報告数、並びに代表的事例の概要を報道機関、平塚市民病院ホームページ(平成21年6月22日から)を通じて公表します。
 
 

 

平成20年度医療事故等の報告数 424件 (アクシデント11件、インシデント413件)

レベル

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

合計

0

1

0

0

2

3

1

122

108

99

81

410

2

3

1

2

1

7

3

1

1

0

1

3

4

0

0

0

0

0

5

0

0

0

1

1

合計

127

110

101

86

424

 
 
 

インシデント・アクシデント比率
 
インシデント・アクシデント比率のグラフ 平成20年度アクシデント3%、インシデント97%
 
 
 

 平塚市民病院医療事故等の4年間の推移

 
 

 

レベルの比較

平成17年度

平成18年度

平成19年度

平成20年度

0

35

35

4

3

1

162

404

352

410

2

21

17

14

7

3

12

10

9

3

4

1

0

0

0

5

0

1

0

1

合計

231

467

379

424

 
 

 

インシデント・アクシデント内容

 

平成17年度

平成18年度

平成19年度

平成20年度

注射

43

65

84

63

内服

59

96

64

87

チューブ類管理

37

67

42

92

転倒・転落

31

67

59

69

検査

9

20

22

18

針刺し

8

17

4

9

その他

44

135

104

86

合計

231

467

379

424

 
  

 

インシデント報告の主な事例と再発防止策

レベル

種別

概要(上段は代表的事例、下段は再発防止策等)

レベル0~レベル1412件

チューブ類管理

輸血中に患者が上肢を動かし、テープで固定してあったライン接続部がはずれ、少量の血液が飛び散った。

【再発防止策等】ロック付き輸血セットに切り替えた。

内服

カルテにロキソニンアレルギーがあることが記載されていたが、医師がそれを見落とし処方された。患者がそれに気がつき申し出があった。

【再発防止策等】全科に注意喚起を行うとともに、オーダーリングシステムに患者ごとの禁忌薬剤が表示できる機能を導入した。

注射

インスリンの注射量を指示するオーダーカードを、注射前に看護師2名で確認している際、刷込みされた標準的な薬品名(ヒューマリンR)とは別の薬品名(ヒューマログ)が欄外に書かれているのに気付いた。指示内容の再確認を行ったところ、薬品の変更が必要なことが判明した。

【再発防止策等】インスリンオーダーカードのサイズを含めて見直し、特殊指示欄を設けるなど、欄外に記入することがないように様式を変更した。

転倒

患者は、看護師に歩行の介助を受けて帰室した後、いすの上のタオルを取るため、介助なしで立ち上がろうとした際にバランスを崩し倒れた。

【再発防止策等】日常生活用品は、患者が立ち上がらずに届く範囲に置くなど患者と相談しながら、安全を考えたベッド周囲の環境整備を行うようにした。

 
 
 
  

 

アクシデント報告の主な事例と再発防止策

事故分類

概要(上段は代表的事例、下段は再発防止策等)

 

 

レベル2

7件

 

 

患者の四肢に著名な冷感があったため温枕(湯たんぽ)を使用した。翌日、上肢の発赤及び水疱が見られ低温やけどを起こしていた。

 再発防止策等 できるだけ温枕は使用せず、電気毛布とする。温枕使用時は、身体より10cm離す。接触する可能性がある患者は使用しない。以上のことを周知した。

患者は、不穏行動が見られ、体幹安全帯を装着していた。夜間、患者がバルーンカテーテルを引き千切り、先端が見つからなかったため、膀胱鏡で確認し除去した。

 再発防止策等 患者の尊厳と人権を配慮して、重大なものとならない限り、できるだけ抑制をしない方向で取り組む。

レベル3

3件

患者がトイレから戻り、部屋のドアを閉める際に点滴スタンドがドアに挟まり、点滴ルートが抜けると同時に後方へ転倒し右大腿骨頚部を骨折した。

 再発防止策等 入院中は、体力低下や環境変化もあり、日常的な行動にも転倒の危険性が潜んでいることを理解し、自ら注意して行動してもらうために、転倒防止に関するパンフレットを入院時に配布して注意を促すようにした。

レベル5

1件

食事形態を「お粥」「刻み食」とすべき患者に、普通のご飯と千切りのキャベツ、ニンジンのソテーを配膳し、患者はキャベツとニンジンを詰まらせ窒息死した。

食事オーダーが締切時刻後の入力であったために、栄養科において手書きで食札(食事内容を記載)を作成した。その際に食事形態の転記もれがあり、誤った食事形態となった。

また、病棟では食札に基づいてチェックを行ったため、食事形態がオーダーと違っていることに気づかなかった。

再発防止策等

締切時間内食事オーダー入力を徹底(2月23日診療科会議にて周知)

食事オーダーシステムの見直し

入院決定時の既定食を「常食」→「欠食」に変更(5月22日から開始)

手書き食札の廃止

締切後臨時食事オーダー入力の時間帯を設け、食札が出力できるように変更した。

この時間帯以降の食事オーダーは、受け付けないこととする。(7月1日開始予定)

看護師用ワークシート(患者ごとの指示及びケアの内容を印字した帳票)に食事形態(刻み食等)が印字されるように変更する。(6月19日から開始)

 
 

別紙

公表の基準など
 平塚市民病院では、「医療事故等のレベル」並びに「医療事故の公表基準」を平成17年4月に下記のように規定しましたので、これに基づいて公表します。

 
  

 

医療事故等のレベル

区分

レベル

内容

インシデント

レベル 0

間違ったことが発生したが、患者には実施されなかった場合

レベル 1

間違ったことを実施したが、患者には変化が生じなかった場合

アクシデント

レベル 2

事故により、患者に何らかの影響を与えた可能性があり、観察の強化や検査の必要性が生じた場合

レベル 3

事故により、患者に何らかの変化が生じ、治療・検査の必要性が生じた場合

レベル 4

事故により、生活に影響する高度の後遺症が残る可能性が生じた場合

レベル 5

事故が死因となった場合

 
公表基準
 各レベルに対応する公表基準は次のとおりとします。
 

 

公表基準の一覧

レベル

医療過誤

過失のない医療事故

レベル 0

一括公表

(個々の事案ごとには公表しない)

レベル 1

レベル 2

レベル 3

レベル 4

個別公表

一括公表 

レベル 5

個別公表

 
 
 レベル4のうち過失のない医療事故については、一括公表とし、個々の事案ごとには公表しないが、社会的影響を考慮のうえ、必要があれば個別公表をいたします。