3月定例市長記者会見・平塚市民病院が地方公営企業法を全部適用

平成22年3月25日

平塚市側の説明

 
 大藏市長: 
 それでは平塚市民病院が、地方公営企業法を全部適用することについて説明します。地方公営企業法とは、地方公共団体が経営する企業の組織、財務及び職員の身分の取り扱い、その他企業経営の基準を規定したものです。これまで平塚市民病院は、地方公営企業法のうち、財務規定のみを適用する一部適用の状態にありましたが、4月1日からその全ての規定を適用する全部適用に移行します。
 移行に伴い、病院運営に広範囲な権限と責任を持つ病院事業管理者を市長が任命し、設置します。
 病院事業管理者は、市長から4年の任期をもって任命される市民病院の運営責任をもつ特別職です。
 市長の権限である、予算の調整権、議会への議案提出、決算の審査・認定の付議、過料を科すことを除き、病院事業管理者が、市民病院の業務執行を代表します。
 なお、地方公営企業法の全部適用に移行しても、市が直接運営する平塚市立の病院であることに変わりはありません。
 全部適用移行日は、平成22年4月1日となり、先日記者発表させていただきましたが、病院事業管理者は、別所隆(べっしょたかし)現伊勢原協同病院、病院長が就任します。
 なぜ、地方公営企業法の全部適用に移行するのかと申しますと、これは平成20年11月に定めた「平塚市民病院将来構想」に掲げた改革のひとつでもあります。市民病院の診療機能の見直し、その在り方に関しての抜本的な検討や南棟の建て替えなど様々な課題に対応するために実施します。
 全部適用とするメリットとしては、これまでは、市長と病院長の責任の所在が不明瞭な点がありましたが、病院事業の代表者として病院事業管理者を設置することにより、運営責任の明確化が図れることです。
 病院事業管理者が担当する主な事務としては、一つ目は、必要に応じて病院内に新たな課を設けること。二つ目は、職員の任免、給与、勤務時間その他の勤務条件、懲戒、研修及びその他の身分取り扱いに関すること。三つ目は、病院事業に必要な資産を取得、管理、処分することなどです。 
 このようにして、運営責任の明確化が図れることで、今まで以上に効果的・効率的な運営体制を構築することが可能となります。これにより、病院職員の意識改革や運営健全化に向けた取り組みを進めることができます。
 それから、本日の午後2時に、松沢県知事の定例記者会見で発表される予定ですが、3月26日付で平塚市民病院が神奈川県神奈川DMAT指定病院の指定を受けます。
 DMATとは、災害の急性期、災害発生から48時間以内に活動できる機動性を持ち専門的な訓練を受けた医療チームのことで概ね、医師、看護師等4~5人で編成するものです。Disaster Medical Assistance Team の頭文字をとってDMATと呼んでいます。
 神奈川県では、5つの災害医療拠点病院を「神奈川DMAT指定病院」に指定し、災害時における迅速な医療体制の充実強化を図っていますが、今回これに平塚市民病院も加わることになります。
 

質疑内容の要旨

 
Q記者:具体的には4年間で財務体質、サービスなどはどう変わるか?
A病院事務局長:収益を上げる方向になります。病院管理者が経営について責任を負うということになります。4年間の間に実績がでなければ市長から罷免されるという可能性もあります。
 
Q記者:数値目標はあるんですか?
A病院事務局長:特にありませんが、赤字を解消することが第一の目標になります。
 
Q記者:診療科目を増やしたり、減らしたりということはあるのか?
A病院事務局長:そこまではどうでしょうか。医師を確保できれば診療科目を増やすことも可能ですが。
 
Q記者:具体的な話はあるのか?
A病院事務局長:ありません。
 
Q記者:全部適用になればそういう判断もできるのか?
A病院事務局長:そういうことになります。
 
Q記者:この科の医師を増やそうとか、減らそうとかいうこともできるのか?
A病院事務局長:収益を上げることができればですね。
 
Q記者:一般会計からいくら補てんしているのか?
A病院事務局長:一般会計からは約10億円です。赤字の額は、近年上下しておりますのでいくらとは申し上げられません。 
 
Q記者:黒字になったことはないのか?
A病院事務局長:かなり以前のことです。
 
Q記者:何年赤字状態が続いているのか?
A病院事務局長:後で調べてお答えします。
 
Q記者:病院管理者に別所さんを選んだ理由は?
A市長:平塚市民病院で働いていたことがあります。
 
Q記者:経営の才覚があるなど何かを期待してのことか?
A市長:そういうことから任命しました。医師であるとともに、病院全体を掌握しており、経営能力があると見込んで任用しました。
 
Q記者:病院長との関係はどうなるか?
A病院事務局長:市長の権限のかなりの部分が病院管理者に移行します。例えば契約、職員の任命などそういった権限が病院管理者に移ります。病院長の権限はそのままです。
 
Q記者:病院長の権限は全く変わらないということですね。
A市長:病院長が組織ですとか経営的な数値、決算、予算書を出したりという責任を持つというのがこれまでの病院長ですが、今度は、病院管理者がその部分を行います。
A病院事務局長:今まで経営の責任は、病院長の判断ということになっていました。今後は、経営の責任は病院管理者、診療部門につきましては病院長になります。
 
Q記者:4年間で黒字化してほしいというハードルは設けていないのか?
A市長:市民病院が、経営として継続できるように、かつ一般会計からの繰り出し額を最小限に抑えながら、市民病院として医療、健康という部分でサービス向上できたかという面で評価することになると思います。
不採算部分を担っていただくこともありますから、応分の負担は当然だと思いますが、医療という行為において採算を黒字化できるような宿題は課しております。病院長が、経営、診療の両方に責任を持ってやるということは、あれだけの規模の市民病院を担っていくのには重たいと思います。そこをきちんと責任の体制を分化できるという意味で、良い方向に行くだろうと思います。
 
Q記者:不採算部門においても公的に維持しなければならない分野は残すのか?
A市長:今までやってきたことを切り捨てることはありません。診療科が変わるということは出てくるかもしれません。
A病院事務局長:負担金を10億円市から出しているということは、不採算部門をやってもらっていると考えるからです。それを切り捨てるということは、一般会計からの繰り出し金がなくなればそういうことも考えられますが、現状では一般会計からの繰り出し金があるから不採算部門もやっているということです。

Q記者:他の病院と比べて高コスト体質になっているということはあるのか?
A病院事務局長:あります。高度医療という部分をとってみますと、高度医療というものは、いつも使っているわけではなく、必要としている患者さんがおりますので、そういった不採算部門があるわけです。高度医療をやらなくていい、もっと採算の合うものだけにしてしまうということも考え方の一例としてあるわけです。
 
Q記者:それ以外の部分で給料などで高くなっているものはあるんですか?
A病院事務局長:給料の高い部分はあると思います。
 
Q記者:そこにメスは入れるということか?
A病院事務局長:今後できることになります。今までは人事院勧告で給与体系は決まっていましたが、今後は、病院管理者と労働協約の中で決まっていくということになります。

記者発表資料

平塚市
担当 病院総務課病院総務担当 山下
電話 0463-32-0015

平塚市民病院が地方公営企業法を全部適用


 地方公営企業法とは、地方公共団体が経営する企業の組織、財務及び職員の身分の取扱い、その他企業経営の基準を規定したものです。これまで平塚市民病院は、地方公営企業法のうち、財務規定のみを適用している一部適用の状態にありましたが、4月1日からその全ての規定を適用する全部適用に移行します。
 移行に伴い、病院運営に広範囲な権限と責任を持つ病院事業管理者が市長の任命により設置されます。
 なお、全部適用に移行しても、平塚市立の病院であること、市の直接運営であることに変わりはありません。


 全部適用移行日 平成22年4月1日
 病院事業管理者 別所隆(べっしょたかし)現伊勢原協同病院 病院長

 

移行目的

 平成20年11月に定めた「平塚市民病院将来構想」に掲げた改革のひとつ。市民病院が診療機能の見直し、その在り方に関しての抜本的な検討や南棟の建替えなど様々な課題に対応するために実施。

 

全部適用とするメリット

 これまでは、市長と病院長の責任の所在が不明瞭な点があったが、病院事業の代表者として病院事業管理者を設置することにより、運営責任の明確化が図れる
 運営責任の明確化が図れることで、今まで以上に効果的・効率的な運営体制を構築することが可能となる。これにより、病院職員の意識改革や運営健全化に向けた取り組みを進めることができる

 

病院事業管理者の役割

 市長から4年の任期をもって任命される市民病院の運営責任をもつ特別職。市長の権限である予算の調整権、議会への議案提出、決算の審査・認定の付議、過料を科すことを除き、病院事業管理者が、市民病院の業務執行を代表する。

 

経過

 平成19年12月総務省から公立病院事業運営の改革に総合的に取り組むための指針として「公立病院改革ガイドライン」が示された。その中で病院運営の効率化、病院再編ネットワーク化及び病院運営形態の見直し方法として、地方公営企業法の全部適用、地方独立行政法人化、指定管理者制度、民間譲渡などがあげられた。
 これを受け、平成20年11月に策定した「平塚市民病院将来構想」に、今後厳しくなると予想される運営状況を改善するため運営責任の所在を明確にし、多くの権限が付与される病院事業管理者を置く地方公営企業法の全部適用へ移行する旨を盛り込んだ。

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