市民病院医療事故の和解案 12月市議会定例会に提出

平成22年11月18日

平塚市
担当 平塚市民病院 医事課入院担当 田丸
電話 0463-32-0015 内線2132

市民病院医療事故の和解案
12月市議会定例会に提出

 
 
    平塚市は、平塚市民病院で平成20年3月に発生した医療事故の損害賠償請求訴訟について、東京地方裁判所が示した和解案を受け入れる方向で、12月市議会定例会に賠償金の支払いに係る議案を提出します。
 
和解の相手方  平塚市内在住、男性(当時69歳)の遺族
 
和解金額    17500000円
 
事故概要及び賠償の理由
 当該患者は、平成20年3月1日(土)11時24分、朝からの腹痛のため平塚市民病院救急外来を受診、当直医(消化器内科医)の診察を受け、血中アミラーゼの上昇を認めるなどしたため、急性膵炎の疑いで入院した。
   同医師(主治医)は、点滴、抗生剤、鎮痛剤及び解熱剤の投与と血液培養検査を行い、一旦は腹痛が軽減したが、同日20時に血圧低下・心肺停止に陥り、心肺蘇生処置によって心拍・呼吸ともに再開した。
   21時50分、ICU(集中治療室)に転室となったが、その際、入院時の検査結果を再確認したところ、CT画像にて腹腔内の遊離ガス像が疑われ、穿刺検査でも血性腹水が確認されたため、消化管の穿孔と診断、家族の承諾を得て緊急の開腹手術を23時44分から実施し、穿孔部位のS状結腸切除術、人工肛門造設、腹腔洗浄を施行して3月2日(日)1時50分に終了した。手術後は、血液透析、抗生剤、昇圧剤投与等の敗血症に対する集中治療を行ったが、予後不良で経過し、3月3日(月)8時50分に死亡した。
   その後、患者遺族の要望により主治医、消化器内科部長及び副院長(医療安全管理部長)が2回にわたって面談し、診療経過の説明を行ったが、遺族は、「診断の遅れがなく直ちに手術を実施していれば、救命できた高度の蓋然性がある。」として、平成21年8月24日、東京地方裁判所に総額55768456円の損害賠償請求を提訴した。
   病院は、「S状結腸穿孔はきわめて重篤な疾患であり、発症後の経過時間から考えて、来院後直ちに診断がなされ手術を行ったとしても、救命できた高度の蓋然性があるとはいえない。」として、裁判において双方が主張を展開してきたところ、本年8月26日に裁判所から和解勧告がなされた。
   本市ではこの対応を協議した結果、原告の精神的苦痛を考慮し、和解勧告を受諾することとしたものである。