3月定例市長記者会見 市制80周年記念 棟方志功展を開催

平成24年3月22日

平塚市側の説明

 

落合克宏市長:

 おはようございます。今日は3件ご報告を申し上げたいと思います。まず最初に、市制80周年記念の棟方志功展を開催ということで、お話をさせていただきます。
 平塚市美術館では、平塚市市制80周年記念の事業といたしまして「棟方志功展」を開催いたします。
 棟方志功につきましては、鎌倉山にアトリエを構えた神奈川県ゆかりの作家の一人です。本展では、出身地青森市にある財団法人棟方志功記念館、それから青森県立美術館の所蔵作品からその画業を回顧させていただきます。
 今回ここにお示しをしてありますいろいろな作品ですけれども、初期から晩年に至るまでの代表的な作品56点を紹介いたします。
 また、展覧会にあわせまして、美術館周辺、文化ゾーン3館の連携事業を実施をいたします。博物館では棟方志功が生涯敬愛をしましたゴッホの、星空の絵に託した思いをたずねる映像をプラネタリウムで上映いたします。中央図書館では、志功の作品に関する図書、それからゴッホとの関わりを知る図書を展示いたします。そして、美術館では、志功の使った技法を学んで、木版画を制作するワークショップを開催いたします。
 また、鎌倉のアトリエでは、生前から「棟方志功板画美術館」として作品の展示を行っておりましたが、2010年9月に休館をいたしまして、平塚市や近隣市町の方々が気軽に作品を見る機会は少なくなってしまいましたので、県内では約20年ぶりの回顧展となるということで、本展をぜひご覧いただければありがたいなというふうに思っています。
 志功につきましては、こちらに具体的に書いてございますので見ていただければありがたいと思います。
 (資料)下のところ、市制80周年記念「棟方志功展」ということで、会期でございますが、平成24年4月14日の土曜日から6月3日の日曜日まで、期間として45日間でございます。
 開館時間は午前9時30分から午後5時まで。入場は午後4時30分までです。
 休館日は月曜日。ただし4月30日は開館をいたします。
 観覧料としましては、一般は700円、高校生・大学生は500円でございますが、20名以上の団体割引もございますし、一番下にある、和服の方の入場についても割引がございます。
 関連事業などは、今説明を申し上げました。それから文化ゾーン3館コラボレーション事業についてもご覧いただきたいと思います。
 その他としまして、今年、市制80周年記念(事業)がございます。今回の棟方志功展と、7月21日の土曜日から9月2日の日曜日まで、「上村松園と鏑木清方」展の開催を予定をしております。
 

質疑内容の要旨


Q記者:今回の棟方志功展の特徴は?
A学芸員:基本的には、全般的に、青森にほとんどの多くの作品が集まっていますので、その中から有名な作品を含め、なるべく代表的なものを皆さんにご紹介したいというのが特徴です。

Q記者:棟方志功と平塚との関わりはあるのか?
A美術館長:青森出身の作家ですけれども、鎌倉に長いこと住んでらしたんですね。平塚は湘南ということなんですけれども、私どもは非常に幅広く考えまして、三浦半島の当たりから箱根のお山くらいまでを全部ゆかりの作家というふうに考えまして、例えば、去年の秋しました伊東深水も鎌倉逗子に住んでいた作家なんですけれども、棟方志功も鎌倉ゆかりの作家なんですが、平塚にも全く関係ないわけはないということで、取り上げたということです。


Q記者:特に平塚と関係するというわけではないのか?
A市美術館長: 平塚市と特に、という訳ではないです。


Q記者:博物館のプラネタリウムでゴッホを上映するが、ゴッホの影響は棟方志功の絵にあるのか?
A美術館長:非常にゴッホの持っていた強い面、表現の強さですよね、そういったものは志功の作品にも見られますし、やはり志功がゴッホを好きになったという、「わだばゴッホになる」ということを言ったぐらいに好きになる、生涯ずっとゴッホを尊敬していたということは、ゴッホの作品の力強さとか、色彩の強さとか、そういったようなものに非常に関心を持って、興味を持って、そして、それを自分の作品の中にも取り入れたと思いますし、自分の性行としても、そういうものがあるというふうに感じたんではないんじゃないかなと思います。


Q記者:技術的、表現的な部分で、ゴッホの影響の具体例はないのか?
A美術館長:影響を受けるというのはいろんなことがあると思いますけれども、例えば、ゴッホが描く杉の木のようなものを描くというのは、そういう影響というのは決していいわけではない。まねみたいなようなものであって。棟方志功の、そういった意味での影響は考えられない。ないと思います。ただ、ゴッホが持っている精神とか、力強さとか、そういったことの影響を受けたんだと思います。ですからテーマでも、ゴッホは風景などをいっぱい書いていますけれども、棟方志功は人物が多いですし、それから仏教に取材するような、釈迦十大(弟子)ですとかそういったような作品を描いておりますので。そういう非常に直接関連するような影響はないと思います。


Q記者:プラネタリウムの作品は具体的にはどんなものか?
A学芸員:ゴッホは星空の絵をいくつか描いております。風景画の中に空を描いた、夜の風景を描いたものがいくつかありますので、それをいくつか紹介しています。


Q記者:プラネタリウムに直接、関係あるわけではなく、映写するだけか?
A学芸員:そうです。プラネタリウムに投影します。丸いドームのところで投影しますので、けっこう迫力があります。


Q記者:動画なのか?
A学芸員:はい。動画です。短い映像です。

A美術館長:私も知らなかったんですが、宮沢賢治の(展覧会の)時に、プラネタリウム用につくった映像がありまして、ちょうど同じ時期に博物館で流したんですが、なかなかおもしろい。迫力があります。寝ながら見るんですが、ただちょっと酔っちゃいます。


Q記者:プラネタリウム用につくってあるのか?
A学芸員: そうです。


Q記者:プラネタリウムは何分くらいか?
A学芸員: このプログラム自体は30分くらい。その前にちょっと解説があるので、全体では50分程度、55分という予定。


Q記者:博物館がつくったオリジナルのプログラムなのか?
A学芸員: 30分の分は博物館が作成した物ではなく、製作会社の物です。

A美術館長:私どもなるべく、博物館・図書館・美術館が近いところにありますので、可能な限りコラボしたいという思いがありまして、博物館はゴッホの映像を流そうというものでございます。


 

定例市長記者会見における質疑内容を広報・情報政策課広報担当でとりまとめて掲載しています。

記者発表資料

平塚市
担当 美術館 学芸担当 江口
電話 0463-35-2111
 

市制80周年記念 棟方志功展を開催

 

 平塚市美術館では、平塚市制80周年記念の事業として「棟方志功展」を開催いたします。
 近代日本の版画家の中でも独自の木版画を制作し、国際的にも高く評価されている棟方志功は、鎌倉山にアトリエ構えた神奈川県ゆかりの作家のひとりです。没後35年以上がたつ現在でも、根強い人気と知名度を誇っています。本展では、出身地青森市にある財団法人棟方志功記念館、青森県立美術館の所蔵作品からその画業を回顧します。
 棟方志功は版画に限らず、彩色の肉筆画、墨画、書など様々なジャンルの作品を制作しています。本展では、上京して版画にめざめた頃の《星座の花嫁》をはじめ、民藝運動の柳宗悦らに影響を受けた墨一色摺りの《二菩薩釈迦十大弟子》、戦後の展開を方向づけた彩色の版画《鐘渓頌》や、故郷青森の文化に取材した晩年の《門世の柵》など、初期から晩年に至るまでの代表的な作品56点を紹介いたします。
 また、展覧会にあわせて、文化ゾーン3館の連携事業を実施します。博物館では棟方志功が生涯敬愛したゴッホの、星空の絵に託した思いをたずねる映像をプラネタリウムで上映し、中央図書館では、志功の作品に関連する図書や、ゴッホとの関わりを知る図書を展示します。美術館では、志功の使った技法を学び、木版画を制作するワークショップを開催します。
 鎌倉のアトリエでは、生前から「棟方志功板画美術館」として作品の展示を行っていましたが、2010年9月に休館し、平塚市や近隣市町の方々が気軽に作品を見る機会は少なくなってしまいました。県内では約20年ぶりの回顧展となる本展をぜひご覧ください。

 

棟方志功について

 棟方志功は、1903(明治36)年、青森市で生まれました。幼い頃より視力が弱かったものの、独学で油彩を学び、21歳のとき「日本のゴッホ」になることを決意して上京。当初の油彩画は、ほとんど評価を得られませんでしたが、1926(大正15)年に版画家・川上澄生の《初夏の風》に出会い、木版画に自身の芸術の可能性を見出すことになります。
 1935(昭和10)年頃から、《萬朶譜》や《大和し美し》など、白と黒を鮮やかに対比した墨一色摺りの作品をつくりあげます。このころ、柳宗悦や濱田庄司の知遇を得て、民藝運動を通じて、その思想と仏教や古典芸能の世界を学び、《釈迦十大弟子》など代表作となる作品を発表していきました。また、同時代の詩人や小説家とも交友し、文学作品からインスピレーションを受け、文字と絵を一体化した表現も手がけています。
 戦後、1956(昭和31)年にはヴェネツィア・ビエンナーレに出品し、国際的にも評価されていきます。その後、大画面作品への挑戦、生まれ故郷の青森を題材にした作品や旅行先の風景や文化遺産に触発された作品を制作するなど、1975(昭和50)年に亡くなるまで創造へのエネルギーが止むことはありませんでした。

 

市制80周年記念「棟方志功展」

会期   平成24年4月14日(土)~6月3日(日) 45日間
開館時間 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日  月曜日。ただし4月30日(月曜日・祝日)は開館
主催   平塚市美術館
特別協力 財団法人棟方志功記念館、青森県立美術館
協賛   神奈川中央交通株式会社

会場   平塚市美術館
     〒254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
     Tel 0463-35-2111 Fax 0463-35-2741
     URL http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/
     JR東京駅から東海道線で約1時間。JR平塚駅より徒歩20分。または平塚駅東改札口(北口)より、神奈川中央交通バス4番乗り場乗車「美術館入口」または「日産車体前」下車。無料駐車場70台。

出品作  計56点

観覧料  
 

  • 一般700円、高大生500円
  • 20名以上の団体料金 一般560円、高大生400円
  • 中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
  • 市内の小・中学校全生徒、近隣市町小学校の全生徒へ展覧会ちらしを配布します。
  • 各種障がい者手帳の交付をうけた方と付添1名は無料
  • 65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金
  • 和服の方は割引あり

関連事業

 講演会「棟方志功の芸術」(先着150名、申込不要、12時より整理券配布)
 講師:武田公平氏(棟方志功記念館館長補佐)
 4月21日(土)午後2時~3時30分 ミュージアムホール

 ワークショップ「棟方志功の技法に挑戦!! 木版画講座」(要申込)
 講師:三塩佳晴氏 (版画家)
 5月12日(土)、20日(日)、26日(土) 午後1時30分~4時30分 3回連続講座

 学芸員によるギャラリートーク (申込不要、要観覧券)
 5月4日(金曜日・祝日)、19日(土) 午後2時~2時40分 展示室2
 同時開催 木下晋展―祈りの心― 4月21日(土)~6月10日(日)

文化ゾーン3館コラボレーション事業

 平塚市博物館 プラネタリウム上映「ゴッホが描いた星空」(所要55分)
  期間     4月14日(土)~6月3日(日) ただし5月19日(土)、20日(日)を除きます
  投影日・時間 毎週土・日曜日 午前11時、午後2時 4月26日までの水・木曜日午後3時30分
  観覧料    200円(18歳未満・65歳以上無料) 各回定員70名

 平塚市中央図書館 資料展示「棟方志功展とその周辺」
  期間 4月13日(金)~5月30日(水)
  時間 平日・午前9:00~午後7:00、土・日・祝日・午前9時~午後5時
  場所 中央図書館1階ホール

 その他

  市制80周年記念展として、7月21日(土)から9月2日(日)まで、「上村松園と鏑木清方」の開催を予定しております。
 

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