11月定例市長記者会見 市消防本部と市民病院が救急ワークステーション(派遣型)を実施

平成24年11月22日

平塚市側の説明


落合克宏市長:

 おはようございます。今日は2件お話ししたいと思います。1点目に市消防本部と市民病院が救急ワークステーション(派遣型)を実施ということで、救命率向上のため、市民病院と連携をして平成25年1月から試行運用をスタートします。
 救命率向上のため、平塚市消防本部と平塚市民病院が連携し、救急ワークステーション(派遣型)の試行運用を来年1月から実施することになりました。
 救急ワークステーション(派遣型)は、医療機関に救急隊を派遣し、平常時は救急隊員の病院実習を行い、救急要請があった場合は必要に応じて医師が救急車に同乗し、救急出場するものです。
 平成25年度からの本格的運用に先立ちまして、救急隊員の病院実習の状況や、救急隊と市民病院の医師との連携活動の状況などを検証するため、試行的に実施するものです。
 実施をする医療機関でございますが、平塚市民病院です。期間は来年の1月7日の月曜日から3月29日の金曜日まで、時間は平日の午前8時30分から午後5時15分まででございます。
 (資料の)ちょっと下の方に行きまして「医師の出場基準」でありますが、救急ワークステーションにおいて医師の同乗を要請する場合につきましては、車両やがれきなどに挟まれる事故で、救出に時間を要する場合や現場での医師の救命処置が必要な場合などを考えております。
 「目的」でございますが、救急ワークステーションを実施することによる効果が主に3つございます。1つは、医師同乗出場による傷病者の救命率の向上、2つ目として、救急隊員の救急医療に関する知識及び技術の向上、3つ目に救急隊と医療機関との連携の強化でございます。
 試行期間における実施状況を踏まえまして、救急ワークステーションの有効性を検証した上で、来年度から本格的に運用してまいりたいと考えております。
 また、神奈川県内における救急ワークステーションの実施状況でありますが、横須賀市が今年の4月から実施しておりまして、平塚市が県内では2番目ということになります。
 

質疑内容の要旨


Q記者:救急ワークステーションは国のモデル事業などになっているのか?
A消防長:今年度の総務省消防庁の調査によりますと、全国で57消防本部でやっていられます。ここにもありますように、救命率の向上ですとか、あとは救急隊員の病院実習ですね、技術ですとか知識、そういったものの向上を目指している訳で、特にモデル事業ということではないです。

Q記者:消防署にいるだけでは時間がもったいないから、病院に詰めてその時間に実習するという考え方か?
A消防長:そうですね。救急隊員にとってはそういう意味もございます。


Q記者:一緒についていかなければいけないような事故が市内で増えているのか?
A消防長:そうですね。重傷者の数が増えておりまして、重傷者の搬送件数ですけれども、23年が768件ございます。ちなみに22年ですと667件、21年ですと406件ということで、重症患者が増えておりますので、そういう方々の救命率の向上を図るということで、お医者さんが救急車に同乗していただいて治療することによって、救命率の向上が図られるということです。

Q記者:どうして重症患者が増えているのか?
A消防長:全体に救急出場件数が増えているんですよ。この10年間で平塚の場合ですと約30%。これは全国的な傾向なんですけれども、昨年ですと1万2500件くらいということで、救急搬送の件数そのものが増えていますね。そういう中で重傷患者も増えているということでございます。あとは高齢化ということも1つの要因にはなろうかと思います。


Q記者:病院から出発すると医者を乗せられることと、病院で救急隊員の実習ができるという、その2つの効果があるということか?
A消防長:はい。主にはその2つです。
A市民病院事業管理者:あと連携があります。


Q記者:医師の同乗は今までなかったのか?
A市民病院診療部長:実習としてお医者さんが乗っているというケースはありますけれども、そこで医師から助言を受けるとか、医師が治療するということはございません。


Q記者:病院側はどういうお医者さんが乗るのか?
A診療部長:救急医が乗ります。救急医というのは全ての重傷度、全ての診療科、全ての状態に対して対応する能力をつけた専門の医師です。その医師が複数で、ローテーションを組んで、乗る担当を決めておいて、乗るということです。

Q記者:その救急医は何人いるのか?
A診療部長:救急専門医は6名います。実際にER救急センターで診療しているのは3名おります。通常の平日の昼間ですと、通常は2人いて、1人が乗って出かけ、留守番がいるという形です。


Q記者:本署から出て近い場合と、市民病院から医師を乗せて出る場合とどちらがいいか、どう判断するのか?
A診療部長:そこら辺は非常に難しい部分もあります。実際には、救急隊は要請があってから1分かそこらで出られると思いますが、私どもは3分から5分くらいいただいて、その間に出かける。救急走行をするので、現場には10分とか15分では行きたい。それは現場の救急隊員のイメージに入れておいていただいて、そのまま直に搬送した方がいいのか、そこにドクターを呼んだ方がいいのか、その場で判断してもらうことも発生すると思います。 
 

※定例市長記者会見における質疑内容を広報・情報政策課広報担当でとりまとめて掲載しています。

記者発表資料


平塚市
担当 消防救急課 救急救命担当 水野
電話 0463-21-9729
 

市消防本部と市民病院が救急ワークステーション(派遣型)を実施
救命率向上のため市民病院と連携し平成25年1月から試行運用をスタート


 救命率向上のため、平塚市消防本部と平塚市民病院が連携し、救急ワークステーション(派遣型)の試行運用を平成25年1月7日(月)から実施します。
 救急ワークステーション(派遣型)とは、医療機関に救急隊を常時派遣し、平常時は救急隊員の病院実習を行い救急医療に関する知識及び技術の向上を図りますが、救急出動時には必要に応じて医師が救急車に同乗し、現場で必要な救命措置を行うことで救命率の向上を図ることを目的としているものです。平成25年度からの本格的な運用に先立ち、病院実習や救急隊と市民病院との連携活動状況などを検証します。
 なお、当該事業の実施は県内では横須賀市に続き2例目です。

 

実施概要

名称    平塚市救急ワークステーション(派遣型)
実施場所  平塚市南原1丁目19番1号 平塚市民病院(別所隆病院事業管理者・石山直巳病院長)
実施期間  平成25年1月7日(月)~3月29日(金)
実施時間  平日の午前8時30分~午後5時15分
派遣隊員  救急隊員3人
配置車両  救急車両1台
業務内容  病院施設から救急車による救急出場
      病院施設から救急車に医師が同乗する救急出場
      救急隊員の病院実習(救急救命士の再教育・救命士以外の救急隊員実習)
医師の出場基準 車両や瓦礫等による挟まれ事故で、救出におおむね20分以上要すると予想される場合
        複数傷病者発生事故で、現場での医師の救命処置が必要と判断した場合
        救急隊が、現場での医師の救命処置が必要と判断した場合
目的      医師の同乗出場による傷病者の救命率の向上
        救急隊員の救急医療に関する知識及び技術の向上
        救急隊と医療機関との連携の強化


 試行期間中における実施状況を踏まえ、この事業の有効性を検証した上で、平成25年度から本格的な運用に移行する予定です。