平塚市民病院北棟コンクリート設計基準強度不足に関する施工者への対応

平成24年11月22日


平塚市
担当 平塚市民病院 改築推進室 二之宮
電話 0463-32-0015 内線5213
 

平塚市民病院北棟コンクリート設計基準強度不足に関する施工者への対応


 平塚市民病院北棟のコンクリート強度調査で、柱、梁の一部が設計基準を満たしていないことが判明した問題で、平塚市民病院としては法的責任を問うことは難しいと考え、施工者に対して一連の請求をしないこととしました。

 

経緯

 平塚市民病院の改築に伴う国土交通大臣の認定手続を行うに当たり、平成3年竣工の北棟の耐久性調査のため、平成23年10月にコンクリート強度を調査したところ、地下1階の柱、梁の一部で設計基準強度を満たしていないことが判明しました。
 その後、構造再計算により、当時の建築基準法に適合することが確認できたことから、国土交通大臣の認定取得に向けた手続を進めておりました。

 

これまでの調査

 設計基準強度不足の原因について、当時の記録などを確認するとともに、施工者への聞き取りを行いましたが、特定することはできませんでした。

 

判断した理由

 施工者に対する法的責任としては、まず、契約内容となっている強度が出ていないのは契約違反であるとして債務不履行責任を問えるかについて考えましたが、施工時には求めた以上の強度が確認されており、その後に強度不足に至った原因については不明であることから、債務不履行責任を問うことはできないと考えております。


 建築物に要求される耐震性強度が不足しており、建造物としての瑕疵があるとして、瑕疵担保責任を問うことが考えられますが、「建造物の瑕疵」というためには、単に設計基準強度を満たしていないと言うだけでは足りず、その強度が不足する結果、そのまま放置することが、「危険な状態である」とまでは言わないまでも、建物としての効用・安全を損なう可能性が相当程度予測されるなどの状態にあることを必要とします。しかし、北棟が構造再計算により安全が確認されていること、また、平成24年9月24日付けで国土交通大臣の認定が得られたことから、瑕疵担保責任を問うことも難しいと考えております。


 請負人の債務不履行責任に係る期間は5年、瑕疵担保に係る期間は10年と規定しており、この点からも責任を問うことはできないと考えております。


 構造再計算のために支出した費用については、債務不履行若しくは瑕疵担保責任が問えない以上、施工者に対して法的請求をすることができないと考えております。
 

構造再計算のために支出した費用  4,095,000円