市民病院に高性能IVR-CTを導入

平成25年11月1日

平塚市
担当 経営企画課経営企画担当 大場
電話 0463-32-0015
                

市民病院に高性能IVR-CTを導入


 市民病院は、救命救急医療と高度で先進的医療の提供を可能にし、幅広い領域と各診療科で利用することを目的に、大学病院クラスで導入されている64列CT検査装置を備えた高性能IVR-CT(64列)を11月から本格的に運用開始しました。
 このIVR-CTは、血管撮影装置とCT検査装置が一体となった医療機器で、血管撮影装置で血管、臓器を透視撮影し、CT検査で全身の断層撮影が行えます。これにより、外傷のカテーテル塞栓術(TAE)や肝癌化学塞栓術(TACE)などを行う際に、今まで以上の治療効果を望むことができます。

 

これまでは

 血管撮影装置とCT検査装置は別々の医療機器であるため、血管治療の状況をCT検査装置で確認するためには、患者さんに移動していただく必要がありました。しかし、機器が一体化したことにより、患者さんは移動せずに血管に関する検査や治療を、迅速、安全かつ正確に行うことができ、今まで難しかった細かい作業も可能となります。

 

検査・治療のメリット

  • 救命のため一刻を争う救急外傷の患者さんにとって、移動せずにCT検査と血管撮影が同時に行えることは、体への負担の軽減が図れるとともに、迅速で正確な治療ができる大きなメリットがあり、救急医療体制の充実が図れます。
  • 肝癌への化学塞栓術など、治療部位を確認しながら正確で安全な処置を行うことが可能となります。
  • CTで検査しながら行う処置など血管撮影装置の透視機能が利用できるため、確実で精度の高い治療選択が可能となります。
  • 脳梗塞など血管性疾患に対しての塞栓術、コイリングなどを正確に施行できます。

 

IVR-CTの活用

 各診療科と連携し、外傷、肝癌、血管系疾患など選択的処置の必要性がある治療に対し、高精細な血管撮影画像、CT画像を元に効果判定をしながら、高度で先進的な治療を行います。また、急性期病院・地域医療支援病院として、地域の医療機関と連携し、有効に活用していきます。

 

用語解説

外傷カテーテル塞栓術(TAE)
  外傷骨折などで出血が見られる場合は、手術前にカテーテルを用いて出血している血管を塞栓し止血すること

肝癌化学塞栓術(TACE)
 足の付け根の動脈から、肝臓内の腫瘍に栄養を補給する細い動脈までカテーテルを挿入し、抗癌剤などを掃射して腫瘍細胞を壊死させる方法

コイリング
 足の付け根の動脈からマイクロカテーテルを挿入し、脳動脈瘤などの中に細いコイル状で詰め物をし、出血することを防ぐ方法