浸水被害対策として雨水幹線改修工事に着手

平成26年10月22日

 

平塚市側の説明

落合克宏市長:

 今月接近した台風18号については、人的被害はなかったものの、床下浸水や道路冠水、通行止めなどの被害がありました。先週接近した台風19号については、事前に土木部が用意した土のう14,000袋を市民に配付するなどの対策を講じまして、大きな被害は発生しませんでした。

 今後の台風対策にも関係した内容ですが、今年7月に策定をしました「平塚市総合浸水対策基本計画」の短期対策箇所に位置付けまして、平成26年度から平成30年度までの5年間で、小田原厚木道路から王御住運動公園までの約600メートルの区間において拡幅改修工事を進めます。
 今回工事を進めます、岡崎地内を流れる西海地(さいかいち)雨水幹線は、時間雨量30ミリメートル程度に対応する農業用水路として整備されていた排水路で、豪雨が発生した時には排水路周辺に水があふれまして、隣接する幹道23号大句丸島線も一時、車の通行ができない状況になります。先日の台風18号のときも冠水した地点です。浸水被害の対策を重点的に行う箇所となっています。
 今年度は下流の区間105mの改修に着手します。工事の詳細については、発表資料のとおりです。

 

 

質疑内容の要旨


Q記者:今回は一部の地区を改修するということだが、いずれは全部工事をする予定なのか?
A市長:いずれ全体的に改修します。小田原厚木道路から西に進んだ王御住運動公園までの約600メートルの区間を計画的に改修していきます。

Q記者:一部改修なのは何か理由があるのか?
A下水道整備課長:5か年計画で行う事業で、金額も1億円を超える工事です。全体では5か年で総額6億円程度の事業となっていますので、計画的に整備を進めていこうと考えています。


Q記者:城所大排水路(小田原厚木道路から大正橋の間)はすでに工事が完了しているのか?
A下水道整備課長:城所大排水路についても5か年の間で整備をしていくのですが、現状の構造物が、ほかと比べてまだしっかりしているところなので、最後の年に改修する予定です。5か年の中でやることは間違いないです。

Q記者:たまった水が狭いところに一気に流れ込むと、城所大排水路周辺で氾濫することは考えられないか?
A下水道整備課長:現状としては、今年度やる工事の中で、住宅のところも水止めを設置する等、予備的な工事を行いますので、その辺は注意して行いたいと思います。


Q記者:上流は伊勢原市となるのか?
A下水道整備課長:平塚市です。

Q記者:市民農園も全て水浸しになった。少し土地が低くなっていると思う。
A土木部長:おっしゃるとおりです。この改修工事に合わせて、今、通行止になっている道路についてもかさ上げの処置をしたいと考えています。大雨になると平塚市内でも最も浸水被害が発生する地域として、早急に手を付けたいと考えています。


Q記者:工事後は30ミリメートルの雨量から、どのくらいの雨量まで対応できるようになるのでしょうか?
A下水道整備課長:時間雨量で51ミリメートルに対応できる構造物を考えています。国の交付金をもらいながら、進めていきます。

Q記者:工事にともなって周辺の通行止めとか、市民に影響が出てくるか?
A土木部長:基本的には田んぼの中にありますので、耕作物のある時期にはできない関係上、毎年渇水期に工事をすることになると思います。そのような関係で5か年計画となります。


Q記者:周辺の通行止や断水等はないと考えていいのか?
A土木部長:民地を借りて工事をすることを考えているので、基本的には大句丸島線には影響ありません。場合によっては、隣接する農道が通行止になる可能性はあります。

Q記者:平塚市総合浸水対策基本計画では7カ所の地区を短期重点対策地区としているが、他の地区の進捗状況は?
A土木部長:すでに今年度から始める地域もありますが、岡崎地区については今年度から開始しています。そのほかの地区についても、詳細設計を立てている最中ですので、来年度から順次手を付けていきたいと考えています。


Q記者:来年から5か年計画ということか?
A土木部長:計画は今年度から5年間の中で重点地区7カ所すべて行っていきたいと考えています。

Q記者:この排水路はいつ整備されたものなのか?
A下水道整備課長:数十年経過していることは確かなのですが、正確な時期は分かりません。農業用水として、30ミリメートルの雨水に対応できるように整備されたものです。その後、下水道部局で雨水幹線としての位置付けをしたものです。


Q記者:浸水被害に関連した質問なのだが、台風18号の時に保育園が浸水した地域についてはその後どういう対応をするのか?
A市長:総合浸水対策計画の重点地区ではないのですが、低地で浸水被害が起きるところですので、土木部と連携してしっかりと対応しなくてはいけない地区だと考えています。事前に土のうを用意したり、近くに土のうステーションの設置も検討していきたいと考えています。また、前回も浸水した時に市の職員を派遣して一緒に子どもたちの安全対策をしていますので、施設と市との連絡を密にして、保護者や関係機関などに速やかに連絡し、対応していきたい。消防につきましても巡回の強化をして、できるだけ対応を早めていきたいと思っています。土木部も極力そのようなことがない対応ができるように取り組みを考えたいと思っています。


Q記者:土のうステーションはいつごろ設置するのか?
A下水道整備課長:年内には設置したいと考えています。


Q記者:今回の真土の浸水の原因は分かったのか?
A土木部長:渋田川の水位が急激に上がったのが主な原因だと考えています。もう一つ、水田の稲刈りが終わった時期ということもありまして、稲わらがあふれた水とともに流れて、詰まってしまったことが原因です。これに対応するという点では渋田川の早期改修が考えられます。断面がかなり砂で埋まっている状態ですので、浚せつのお願い、雨水ますの点検を心がけていきたいと考えています。

A市長:渋田川は県の管理河川ですので、毎年、県には強い要望をかけているのですが、県も予算的な問題等で浚せつなどができない状態です。引き続き県と連携して、対応しないと根本的な解決にはならないと考えています。県と市が協調してうまく水が流がせるように取り組んでいきたいと考えています。


Q記者:真土・東中原の周辺に遊水地はあるか?
A下水道整備長:遊水地は現状としてはありません。真土大塚山公園の東側にある程度水が貯められるような構造になっています。


Q記者:平塚市内に遊水地はないのか?
A下水道整備課長:遊水地はないですが、調整池はあります。区画整理の中で調整機能の確保という意味合いで、日向岡、めぐみが丘、真田・北金目にあります。市ではまちづくり条例の中で、市街化区域で5000平方メートル以上の開発については雨水の流出抑制の施設を作ることとなっています。ちなみに、先ほど質問のあった保育園の南側は24,000平方メートルの開発が今行われていまして、雨水抑制の施設設置が進められています。雨水については行政と住民の方、企業との協力を得ながら対応しなければいけないと考えています。


Q記者:市が率先してやることはないということか?開発業者と市民との間で協議して設置するということか?
A市長:重点地区については、基本的には河川の水位が上がって内水が排除できない状況ですので、それを排除するには、雨水を貯める、浸透させるといった工夫が必要だと考えていますので、そういった対応をしていきたいと考えています。


Q記者:止水板の普及については?
A市長:土のうの配布についてかなり反響がありましたので、今後も止水板で効果が得られる場所を紹介して、やっていきたいと考えています。


Q記者:渋田川の浚せつの件だが、2年連続で浸水の被害が出ているのに県が対応していないということか?
A市長:計画的に県も考えていただいていると思いますが、すぐに対応できる財政状況ではないということです。しかし、これだけ被害が出ているので、県に何とか一緒に考えるようお願いしたいと考えています。


Q記者:今回の被害の後、要望は出していない?
A市長:直接は行っていませんが、具体的に被害等をまとめて申し入れをしなければいけないと考えています。

A下水道整備長:今年度中には一部浚せつをする予定です。時期については、もう少し後になると思いますが。昨年の豪雨でも被害が大きかったので、住民からの要望もあり、県にお話ししています。


Q記者:流域市町村との協力も必要なのでは?
A市長:協議会を作って、流域住民の方も協議会に加わって要望しています。


Q記者:伊勢原の方は河川の整備が進んでいない状態で、全部平塚に流れ込んでしまうと思うが、伊勢原市の協力を仰ぐことも考えているか?
A市長:両市の関係部局と常時連携し、協調して進めなくてはいけないと考えています。今回も平塚の立地は最下流にありますので、上流部の水がすべて流れてきますので、そのために上流部の市町村にしっかりと対策をしていただくよう、いろいろと連携、協議しているところです。

 

 

その他の質問


Q記者:東八幡でデイケアを利用していた認知症の女性が息子に殺されるという事件が発生したが、市でデイケア事業者からの聞き取り等、状況把握はあったのか?
A市長:認知症の母親の介護に疲れていたことによる殺人を犯してしまったということで、平塚警察署により具体的な照会しているのですが、捜査中であるということで詳細な回答は得られていません。 本市で把握している状況は新聞報道で発表されているとおりでございます。 今後、関係する介護事業者からの聞き取りを進め、二度とこのようなことが起こらぬよう努めてまいります。

 また、今後さらに増加すると予想される認知症高齢者に対して市民の皆さんに理解を深めていただいて、どのように対応すべきかを考えていく必要があると思います。認知症ケアパスという、認知症の人の状況に応じた適切なサービス提供の流れの仕組みを作成・普及していきます。さらに住民の皆さん、保健・医療機関と連携して、認知症予防、それに今回のようにどうしても家族の人の負担が大きくなりますので、認知症の方やその家族を支援するサービスの提供を行います。前回の定例記者会見でお話ししました、認知症の簡易チェックシステムにも相談先が掲載されていますので、地域住民を含めた社会全体で見守る体制も整えていきたいと考えています。

Q記者:市としては関係する事業者に聞き取りを実施したのか?
A福祉部長:まだ行っておりません。


Q記者:痛ましい事件が起きてしまったが、介護保険を利用していたのにもかかわらず起こってしまったのは何が欠けていたと考えているか?
A市長:今後分析をしていかなくてはならないと思いますが、特に在宅の中で認知症の方を家族が支えていくのをケアしていく体制を強化していかなくてはならないと思っています。そういった仕組みがまだまだ浸透できていないのが大きな問題ではないかなと思います。

Q記者:再発防止のアクションはあるのか?
A福祉部長:福祉、介護、医療と連携して認知症ケアパスを作成、普及をしていきたいと考えています。ほかにも、認知症対策の施策があります。認知症チェックサイトの普及ですとか、徘徊している方にGPSをつけていくといったサービスも実施しています。 地域住民を含めた社会全体で見守る体制も整えていきたいと考えています。


Q記者:今回の事件はSOSがうまく出せない方への対策が必要では?
A福祉部長:行政だけではなかなか難しいと思います。民生委員など、地域の見守りをお願いするための研修会等を考えていかなければならないと考えています。


Q記者:GPSの貸出件数は?
A福祉部長:16件です。防災無線で高齢者がいなくなったという放送がありますが、警察と連携してご家族の方へGPSを紹介していただきたいとお願いしているところです。


Q記者:再発防止に向けて、要介護度などある程度の情報を出して状況を分かりやすくするつもりはあるか?
A市長:今すぐに情報を出すという判断はできませんが、震災とか大きな被害があった場合には、個人情報保護法や災害対策基本法の中で、支援をしなくてはいけない方たちの個人情報を提供できるという形になってきましたので、情報把握といった観点では今後検討しなくてはいけないと考えています。例えば、民生委員・児童委員に情報を持っていてもらうといった、今回のような悲劇を防ぐための情報提供のあり方を考えていかなくてはならないと思っています。


 

定例市長記者会見における質疑内容を秘書広報課広報担当でとりまとめて掲載しています。

記者発表資料

平塚市
担当 土木部下水道整備課計画担当 勝俣
電話 0463-21-8787
 

浸水被害対策として雨水幹線改修工事に着手

 
 今年7月に策定した「平塚市総合浸水対策基本計画」の短期対策箇所に位置付けて、平成26年度から平成30年度までの5年間で、小田原厚木道路から王御住運動公園までの約600mの区間において拡幅改修工事を進めます。
岡崎地内を流れる西海地雨水幹線は、時間雨量30ミリメートル程度に対応する農業用水路として整備された排水路で、豪雨が発生した時には排水路周辺に水があふれて、隣接する幹道23号大句丸島線も一時、車の通行ができない状態です。
 今年度は下流の区間105mの改修に着手します。
 
 
工事名   西海地雨水幹線築造工事その1
工事期間  平成26年8月13日から平成27年2月27日
工事着工日 平成26年11月予定
請負金額  145,648,800円
受注者   株式会社 伊達建設
工事概要  施工延長 105m、U型カルバート(4000×2000)