視覚障がいについて 視覚障がいのある方の中には、全く見えない方と見えづらい方とがいます。見えづらい方の中には、細部がよくわからない、光がまぶしい、暗いところで見えにくい、見える範囲が狭い(視野の一部が欠けたり望遠鏡でのぞいているような見え方)などの方がいます。また、特定の色がわかりにくい方もいます。 外出の際には、白い杖(白杖=はくじょう)を使用したり、盲導犬を連れたりして移動します。白杖には、路面の状況や段差を確認する役割のほか、周囲に視覚障がい者であることを知らせる役割もあります。 主な特徴 ●一人で移動することが困難 慣れていない場所では、一人で移動することが困難です。 ●音声を中心に情報を得ている 目からの情報が得にくいため、音声や手で触ることなどにより情報を入手しています。 ●文字の読み書きが困難 文章を読むことや書類に文字を記入することが難しい方が多いです。 視覚障がいの人と出会ったら 視覚障がい者自身から支援を求めることは難しいので、戸惑っている様子の時は、まず声をかけてください。ちょっとした配慮が大きな助けとなります。 《接し方》 ●話しかけるとき そばに行って、前から「どうなさいましたか?」「お手伝いしますか?」などと声をかけてください。 ●説明をするとき 「あそこ」「そっち」などの指示語や、「赤い看板」といった視覚情報を表すことばではなく、「右に10メートル行くと左側にコンビニエンスストアがあります」のように具体的に伝えてください。 ●誘導をするとき 白杖の反対側に立ち、腕をつかんでもらい、半歩前をスピードに気をつけながら歩きます。いきなり身体に触れたり、手を引っ張ったり、後ろから押したりしないでください。 段差や階段の前ではいったん止まって、「下りの段差です」「上りの階段です」などと教えてあげてください。別れる時は安全な場所で、本人の立っている場所と向いている方向を伝えてください。 こんな場所では、こんな配慮を ●駅のホームやバス停では 「バスに乗りますか?」「行き先はどちらですか?」などと声をかけてください。車内では、本人の意思を確認し、空席へ誘導するなどの支援をしましょう。 ●横断歩道では 「駅側に渡るのですか?」などと具体的に聞いてあげてください。「渡りますか?」だけだと、本人の希望と違う方向へ連れて行ってしまうことがあります。 ●レストランや飲食店では メニューの内容や値段の説明があると注文がしやすくなります。 食べられない物を事前に聞いたうえで取り除いて提供し、料理の位置は手を添えて教えてあげてください。 ●デパートやコンビニエンスストアでは 本人の要望を聞いたうえで、買い物のサポートをお願いします。商品に関する情報(値段、日付、仕様、色など)を教えてあげてください。 ●トイレでは 初めてのトイレは様子がわからないので、トイレの中まで案内し、便器の向き、水の流し方、トイレットペーパーや鍵の位置などを教えてあげてください。 異性の場合は、近くにいる同性の方に依頼してください。 盲導犬について 視覚障がい者が外出する際に、障害物を避けたり段差や角を教えるなど、安全に歩くためのお手伝いをするのが盲導犬です。視覚障がい者と一緒に電車やバスに乗ったり、飲食店などに入ることが法律で認められています。ハーネスという白い胴輪を身に着けていて、それを通して情報を伝えます。 盲導犬はペットではありませんので、頭をなでたり、食べ物を与えたりすることはやめましょう。 点字ブロックについて 駅や横断歩道で見かける黄色いでこぼこを点字ブロックといいます。棒が並んだブロックは進む方向を、点が並んだブロックは止まる位置であることを示しています。 視覚障がい者にとって点字ブロックは道しるべとなるとても大事なものです。荷物を置いたりふさいだりしないよう気をつけましょう。 視覚障がいに関するマーク 盲人のための国際シンボルマーク 世界盲人連合で制定された視覚障がい者のための世界共通のマークです。「このマークを手紙や雑誌の冒頭に、あるいは歩行用に自由に使用してよい。色はすべて青にしなければならない」とされています。 信号機や国際点字郵便・書籍などで見かけるマークです。 このマークを見かけた場合には、視覚障がい者への利用の配慮について御理解、御協力をお願いします。 ほじょ犬マーク 身体障がい者補助犬同伴の啓発のためのマークです。身体障がい者補助犬とは、盲導犬・介助犬・聴導犬のことを言います。 「身体障害者補助犬法」により、公共の施設、交通機関、デパート、スーパー、ホテル、飲食店等にも、補助犬を同伴できるようになりました。お店の入り口でこのマークを見たり、補助犬を連れている方を見かけた場合は、皆様の御理解、御協力をお願いします。