聴覚障がいについて 人の声や物音が聴こえない、または聴こえにくいという障がいを聴覚障がいといいます。生まれつき(先天性)、病気や事故、加齢によるもの(後天性)など、聴覚障がいとなった年齢や環境などによって聴こえ方には個人差があります。聴こえを良くするために補聴器を使う人もいます。 主な特徴 ●外見からわかりにくい 外見からは聴こえないことがわかりにくいため、声をかけたのに気づかない場合があります。また、わかりにくさゆえに、誤解を受けたり、危険な目にあったりすることも少なくありません。 ●視覚を中心に情報を得ている 音や声による情報が得にくいため、文字や図などの視覚により情報を入手しています。 聴覚障がいの人と出会ったら 聴覚障がい者が困っている場面に居合わせたら、手話ができなくても、筆談や口話で情報を伝えましょう。携帯電話に文字を打って見せる方法もあります。 《主なコミュニケーション手段》 ●筆談:紙や手のひらに文字を書いて伝え合う方法で、最も手軽な手段です。 ●口話:口を大きく開けてゆっくりはっきり話します。 ●手話:聴覚障がいのある人たちが、気持ちを伝え合う言葉で、手や身体の動きで表現する方法です。 ●空書:空中に文字を書いて伝えます。 こんな場所では、こんな配慮を ●駅のホームやバス停では 電車やバスの中、駅のホームなどのアナウンスは、聴覚障がい者には聞こえないことが多いので、筆談などで伝えてあげてください。特に、事故などの緊急時には速やかな対応が必要となります。 ●公的機関、病院、銀行、デパートなどでは 聴覚障がいのある方がスムーズにコミュニケーションをとれるように、次のようなものを設置しておくと便利です。 ・ファクシミリ 聴覚障がいの方には電話の代わりとなるものです。 ・簡易筆談器 磁気で文字が書けるボード。書いた文字をワンタッチで消去することができます。インクを使わないため、手を汚さずに筆談ができます。 ・振動式呼び出し器 震動により呼び出しを知らせる装置で、病院や銀行などの窓口で利用されています。 ・電光表示板 窓口などで順番を知らせたり、緊急時にリアルタイムの情報を提供することができます。正確な情報を素早く知らせることができるため、健常者にも有効な情報伝達手段です。 聴覚障がいに関するマーク 耳マーク 聴覚障がい者は、外見からは障がい者であることがわかりにくいため、耳が不自由であるということを示すために作られたのが「耳マーク」です。 窓口などでこのマークを表示されたり、診察券や預金通帳にこのマークが貼付されている場合は、相手が「聞こえにくい」「聞こえない」ことを理解し、「手招きで呼ぶ」「大きな声ではっきり話す」「筆談をする」などの対応をお願いします。それにより、聞こえないために後回しにされるといった不利や不便の解消に役立ち、聴覚障がい者が安心して問い合わせをすることができます。