視覚と聴覚の重複(盲ろう)障がいについて 視覚障がいと聴覚障がいの両方をあわせ持つ重複(盲ろう)障がいには、大きく分けて次の4つのタイプがあります。 ・全盲ろう・・・全く見えなくて、全く聞こえない人 ・全盲難聴・・・全く見えなくて、少し聞こえる人 ・弱視ろう・・・少し見えて、全く聞こえない人 ・弱視難聴・・・少し見えて、少し聞こえる人 コミュニケーション手段 主なコミュニケーションの方法としては、次のようなものがあります。これらの中から一つ、あるいは複数の方法を組み合わせて使用します。 ①触手話・接近手話(弱視手話) 触手話は、手話が見えない全盲ろう者が、手話の形を手で触って読み取る方法です。 接近手話(弱視手話)は、弱視ろう者の見え方にあわせて、接近するなどして手話を行う方法です。 ②点字 点字の触読が可能な盲ろう者は、点字を読み取ることでコミュニケーションをとることがあります。「ブリスタ」というドイツ製の速記用点字タイプライターで打ち出した点字テープを読み取る方法や、コンピュータと接続した点字ディスプレイに出力する方法などがあります。 字タイプライターのキーの代わりに通訳・介助者が盲ろう者の指を直接たたく方法(指点字)があります。 ③手のひら書き 盲ろう者の手のひらに文字を書いて伝える方法です。 ④音声 盲ろう者に聴力が残っている場合、その盲ろう者が聞こえやすいように耳元や補聴器のマイク(集音器)に向かって話す方法です。 ⑤筆談 盲ろう者に視力が残っている場合、通訳・介助者が紙などに文字を書いて伝える方法です。 ⑥指文字 五十音に対応する指文字や、アメリカ手話のアルファベットを、盲ろう者に触らせたりして伝える方法です。 ⑦その他 パソコン通訳など 盲ろう者と話すときは 「手話ができないから」と遠慮せずに、積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。特別なコミュニケーション手段を知らなくても、手のひらに文字を書くだけで会話できる方も少なくありません。 ●自分の名前を伝える 盲ろう者はすぐそばに人がいてもわかりません。そっと手や肩に触れてから名前を伝えましょう。 ●周囲の状況を伝える 現在いる場所の状況(広さ、形、何があるかなど)を伝えてあげてください。例えば部屋に入った時には、「縦長のロの字形に机が並んでいます」、「入口と反対側の壁側にホワイトボードがあります」などと具体的に状況を伝えましょう。 ●話し始めたらいつも触れておく 突然手を離されると盲ろう者は不安になってしまいます。常にどこかに触れているようにしましょう。 ●あいづちを打つ しぐさで「あいづち」や「うなずき」などをしても盲ろう者にとっては確認しにくいので、肩を軽くたたいたり、手話を使うなど、代わりの方法で「あいづち」を打つようにしましょう。 ●話が通じているか常に確認する 読み取り違いや聞き違いがあると、話が伝わらなかったり誤解を招いたりします。盲ろう者の表情や発言内容などを確認し、伝わっていない場合は最初から言い直したり、さらに説明を加えるなどしましょう。 ●その場から離れるときは、そのことを伝える 何も言わずに突然その場を離れると、盲ろう者は不安になってしまいます。「トイレに行くので、5分ほどここで待っていてください」などと、離れる理由と時間を伝えてからその場を離れましょう。その際は、壁や柱などに手を触れさせるなどして、空間に孤立させないようにしましょう。