肢体不自由について 肢体不自由の方の中には、手や足など身体の一部または全部に障がいのある方、姿勢を保持することが難しい方などがいます。歩行、起立、着替え、食事、物の持ち運びなど日常生活に支障があり、多くの方が杖や義足、車いすなどを使用しています。障がいの内容はさまざまで、生まれつきの障がい(先天性)か、病気や事故による障がい(後天性)かによっても個人差があります。 また、重度の肢体不自由と重度の知的障がいをあわせ持ち、常時介護が必要な「重症心身障がい」の方もいます。 主な特徴 脳性まひ、脊椎損傷、頚椎損傷など全身に障がいが及ぶものや、関節リウマチなど身体の多くの関節に障がいが及ぶものなどがあります。 ●全身に障がいがある人は、立ったり座ったりの基本動作に加え、姿勢の保持も困難な場合があり、多くの人が車いすを使用しています。 ●脳性まひの人には、自分の思いとは関係なく手足や顔が動くという特徴があり、言語障がいがある場合もあるため、意思伝達が困難なことがあります。 ●関節リウマチになると、身体の多くの関節に炎症が起こり、腫れや痛みを伴い、進行すると関節の変形と機能障害を起こします。一日のうちでも症状に違いがあり、周囲からの理解も得にくいため、無理をして悪化させてしまうこともあります。 肢体不自由の人と出会ったら ●困っている様子を見かけたら優しく声をかけ、本人の意思を確認してから支援することが大切です。介助者が一緒にいても必ず本人の意思を確認してください。 ●車いす使用者は、目線が低いため見上げなければならず、疲労感がありますので、身をかがめるなどできるだけ目線を合わせて話をしてください。 ●自分の意思を伝えにくい方も、一生懸命伝えようとしていますので、意思疎通に努めてください。 ●関節に痛みや変形がある方は動作に時間がかかります。また、身体に触れられるだけで痛みを感じる場合がありますので注意してください。 こんな場所では、こんな配慮を ●公共交通機関、道路、駐車場などでは ・電車の乗り換え、バスの乗り降りなどは、段差や隙間があると危険を伴いますので、できるだけ移動の支援や見守りをお願いします。 ・歩道に自転車を置いたり、通路に物を置いたりしないでください。また、車いす使用者が通れるスペースの確保をお願いします。 ・障がい者用駐車場は、車いす使用者などの車を駐車するために設置されていますので、いつでも利用できるように配慮してください。 ●デパート、コンビニエンスストアなどでは ・店舗での買い物では、高いところにある物に手が届かなかったり、運んだりすることが困難な場合がありますので支援をお願いします。また、車いす使用者が通れる通路の確保が必要です。 ・手指に障がいのある方は、レジでのお釣りの受け渡しがしづらい場合があります。おつりを確認しながら財布に入れてあげるなどの気配りが必要です。 ●公共機関の窓口などでは ・書類などの記入の際には、慌てずゆっくり書ける場所を用意してください。また、車いすの使用者が書きやすいよう、机の一部を低くしたり、車いすのまま机の下に足が入るように下は空けておきます。 ・片側の手に障がいがある方の場合、紙が動かないように紙を押さえるなどの気配りが必要です。 ・代筆が必要と思われるときは、本人の意思を確認してから代筆をしてください。 肢体不自由に関するマーク 障がい者のための国際シンボルマーク 障がいを持つ人々が容易に利用できる建物、施設であることを明確に示す世界共通のマークです。 個人の車に表示しても、駐車禁止を免れたり、障がい者専用駐車場が優先的に使用できるなどの証明にはなりません。 ※このマークはすべての障がい者を対象としたもので、特に車いすを利用する障がい者を限定し使用されるものではありません。 ●優先利用を示す案内表示 最近は駐車場等でピクトグラム(絵やマークなどで物事を示す図記号)を使用した案内表示が多く見られるようになっています。このような表示を見かけたら障がいのある方等が優先して利用できるよう配慮をお願いします。