内部障がいについて 内部障がいには、心臓機能障がい、腎臓機能障がい、呼吸器機能障がい、ぼうこう・直腸機能障がい、小腸機能障がい、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障がい、肝臓機能障がいの7つの障がいがあります。内部障がい者の共通の悩みとして、外見からは障がいがあることがわかりづらいため、周囲の理解が得られにくいなど、ストレスを受けやすい状況にあります。 ハート・プラスマーク 心臓・呼吸機能・腎臓・ぼうこうなどの内部障がい・内臓疾患を示すマークです。内部障がいの人は外見からはその障がいがわかりにくいため、このマークをつけている人を見かけたら配慮をお願いします。 ※このマークには法的拘束力はありません。 心臓機能障がい 全身に必要な血液を送る役割を果たす心臓の機能が、いろいろな病気(不整脈、狭心症、心筋症等)により低下してしまう状態です。脈拍を正常に調整するため、胸やお腹に「ペースメーカー」という医療機器を埋め込んでいる人もいます。 ●携帯電話などの電磁波により機器が誤作動する場合がありますので、マナーを守って使用してください。人混みや電車の中では、マナーモードではなく電源を切るようにしましょう。 じん臓機能障がい 病気により腎臓の働きが悪くなり、身体にとって有害な老廃物や水分を排泄できなくなり、不必要な物質や有害な物質が体内に蓄積してしまう状態です。不要物を取り除く「人工透析治療」を定期的に受ける必要があります。 ●人工透析治療は、定期的に一定の時間をかけて受ける必要がありますので、職場などでは理解と配慮が必要です。 呼吸器機能障がい 病気により肺の機能が低下して、酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかずに酸素が不足(呼吸困難、息切れ)する状態です。酸素ボンベを携帯したり、人工呼吸器(ベンチレーター)を使用している方もいます。 ●タバコの煙が症状を悪化させる場合もありますので、指定喫煙所以外では吸わないようマナーを守りましょう。 ぼうこう・直腸機能障がい 病気により、尿をためる膀胱、便をためる直腸が機能低下または機能を失ってしまった状態です。排泄物を体外に排泄するための人工肛門・人工膀胱(ストマ)を増設する方もいて、そのような方を「オストメイト」といいます。 ●オストメイトの方は、便意や尿意を感じたり我慢することができないため、便や尿を溜めておくための袋(パウチ)を、腹部に増設したストマに装着しています。そのため、パウチに溜まった排泄物を処理できるオストメイト用のトイレが必要です。駅、コンビニエンスストア、デパートなどでは、オストメイト用設備を備えた多機能トイレ等の設置と案内表示が望まれます。 オストメイトマーク オストメイト用設備があることを示すマークです。 ●頻繁にトイレに行ったりトイレの時間が長くなったりします。また、疲れやストレスが溜まりやすくなっていますので、職場などでは余裕を持った作業時間を設定するなどの配慮をしましょう。 小腸機能障がい 病気などによって小腸の機能が損なわれ、食事を通じた栄養維持が困難な状態です。食事制限があり、定期的にチューブを使って鼻や胃などから栄養補給を行ったりします。 ●食生活に大きな制限がある人もいるため、飲食の強要はしないようにしましょう。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障がい HIV(ヒト免疫不全ウイルス:ヒトの免疫力を低下させるウイルス)により免疫機能が低下し、さまざまな感染症が起こりやすくなったり、脳・神経の障がいを患ったりします。健康で免疫力のある人なら何でもないウイルスや細菌に感染し、その病気が「エイズ指標疾患(23種)」にあてはまるとエイズの発症となります。 適切な治療を行うことでエイズの発病を遅らせたり、症状を軽くすることができます。 ●HIV感染者、エイズ患者への差別や偏見は大きな問題となっています。しかし、HIVは感染力が弱く、日常生活ではほとんど感染しません。HIVを正しく理解することが大切です。 肝臓機能障がい 病気などによって、栄養分を体内で活用できる形に分解したり、有害な物質を無害な物質に変化させるなどの肝臓機能に支障が出る状態です。症状が現れにくく、自覚症状が出るころには非常に悪化していることが多いです。肝臓移植を受け、抗免疫療法を実施している方もいます。 ●食事やアルコールの摂取を制限している人もいるため、飲食の強要はしないようにしましょう。