知的障がいについて 知的障がいとは、脳に何らかの障がいが生じたため、社会生活への適応のしにくさのある方です。物事の理解がゆっくりしていたり、言葉の発達が遅れている方もいて、障がいの程度もさまざまですが、時間をかけて丁寧に学ぶことでできるようになることがたくさんあります。環境整備と適切な支援があれば、特別支援学校などを卒業して一般企業で働くなど、確実に成長して自立生活を送ることができる人もいます。 主な特徴 ●複雑な話や抽象的なことが理解しにくい ●漢字の読み書きや計算が苦手 ●人に尋ねたり、自分の意見を言うのが苦手 ●とっさの判断や見通しをもって考えることが難しい ●物事に対して継続して取り組めないなど、集中力が続かない ●ひとつの行動に執着したり、同じ質問を繰り返す 知的障がいの人と接するときは ●急に声をかけると怖がってしまう場合があります。様子を見ながら優しく声をかけてあげてください。 ●ゆっくり丁寧に話しかけるようにします。リラックスして話せる雰囲気を作ってあげてください。話を最後まで根気強く聞き、後で内容を確認してあげると安心できることが多く見受けられます。 ●できるだけ具体的に、わかりやすい言葉を選んで話します。その際には子ども扱いしないように気をつけましょう。 ●質問するときは、ただ漠然と「何をしたいか」を聞くのではなく、「○○ですか?それとも△△ですか?」と選択肢をあげて具体的に聞く方が答えやすい場合があります。 ●必要に応じて、筆談をしたりコミュニケーションボード※を使って説明すると理解しやすい場合があります。 ※コミュニケーションボードって? 言葉で自分の気持ちを表したり、相手の言葉を理解することが難しい人のために、「はい」「いいえ」「わかりません」などの基本的な言葉を絵と一緒に掲載したボードです。ボードの絵を指さすだけでコミュニケーションをとることができます。 こんな場所では、こんな配慮を ●公共交通機関、駅のホームやバス停では ・ラッシュ時の人混みで不安になり、パニックを起こしてしまうことがあります。本人が興奮している場合は、まず落ち着かせましょう。 ・いきなり叱ったり強い言葉で接すると混乱するので、他の乗客に迷惑をかけない程度に、時間をおいて穏やかに話しかけましょう。不安な気持ちを落ち着かせるため、見守りながら優しく声をかけることが必要です。 ・突発的な出来事への対応が困難なので、状況判断ができていないようなら、行き先を尋ね、その方面行きの乗り物に乗り込むまで見守るか、身に着けている持ち物などから保護者などへ連絡しましょう。 ●デパート、コンビニエンスストアなどでは ・品物を選ぶときには、ゆっくりと時間をとって、焦らずに決められるように配慮しましょう。必要に応じて、実物や写真、絵、ラベルなどを示して案内してください。目で見ると品物が確認しやすいですし、ラベルやマークで記憶している方もいます。 ・会計の時は、必要な代金やお釣りをわかりやすく伝えてください。実際にお金を使って示すとわかりやすくなります。「100円玉が6枚、10円玉が4枚、1円玉が1枚」と聞けば、その通りに硬貨を選んで出すことができる方もいます。 ●行政機関、病院、銀行などでは ・書類の記入については、本人に確認し、必要に応じて代筆する、見本を示すなどの配慮をお願いします。 ・看板、案内板、パンフレット、説明書などには、できるだけひらがなでふりがなをつけましょう。また、絵や記号を用いるとさらにわかりやすくなります。