第3章 基本理念 基本理念 自分らしさを大切にしながら 多様な個性が輝く 共生のまち ひらつか 障がいの有無にかかわらず、全ての人が、他の人と違った、その人特有の性質や性格である「個性」を持っています。障がいのある人が家族や地域の人との交流の中で、その個性が能力や才能などに形を変えて発揮されて注目を集めることや、このことが周囲の人に元気を与え、温かい感情の芽生えにつながるなど、様々な「個性」が輝くことで、地域社会がより豊かになります。 しかしながら、障がいのある人の中には、周囲の無理解や誤解などから、また、自身が抱える様々な困難や悩みなどから、自分らしく「個性」を発揮することをためらい、ありのままの自分を受け入れられない場合もあります。このことから、「障がい」や「障がい者」に対する理解や配慮がされた社会的障壁のない社会が求められており、障がいの有無にかかわらず、その人自身も、そして、周囲の人からも尊重される社会を実現することが必要です。そのため、一人一人が、お互いの違いを知り、受け入れるなど、自ら行動を起こし、それを継続することがとても重要になります。 国の動向をみると、国の基本計画において、「障害者施策は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるという理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して講じられる必要がある。本基本計画では、このような社会の実現に向け、障害者を、必要な支援を受けながら、自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体として捉え、障害者が自らの能力を最大限発揮し自己実現できるよう支援するとともに、障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的な障壁を除去するため、政府が取り組むべき障害者施策の基本的な方向を定めるものとする」と基本理念を定めていることから、自分らしさを大切にしながら、自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体として障がい者を捉えており、障がい者が自らの能力を最大限発揮し自己実現できるよう支援するとともに、社会的な障壁を除去することにより、多様な個性が輝いていくことを目指していると捉えました。 同様に、神奈川県の動向をみると、県の基本計画において、「生涯を通じて、すべての県民一人ひとりの人生を大切にしながら、誰もが住み慣れた地域で安心して、その人らしく暮らすことができるいのち輝く地域共生社会「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指すこと」と基本理念を定めていることから、生涯を通じて、全ての県民一人一人の自分らしい人生を大切にしながら、誰もが住み慣れた地域で安心して、その人らしく暮らすことができる多様な個性が輝く地域共生社会の実現を目指していると捉えました。 このことから、支える人と支えられる人に分かれることなく対等な立場で地域を構成する一員として、障がいの有無だけでなく、障がいのある人の年齢や性別にかかわらず、お互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もがいきいきとした人生を送ることができる共生社会の実現を目指す必要があるため、前計画の基本理念を継承しました。もちろん、計画策定は、第一歩にしか過ぎず、実際に、計画に基づき、どのように施策を展開していくのかが重要です。また、共生社会を実現するためには、行政だけでは限界があり、市民総ぐるみで取り組んでいく必要があります。共生社会を実現するためには、福祉、医療、教育等、市民生活を支える様々な機関や、安心して暮らせる住まい、みんなが利用できる公園、文化芸術やスポーツ等の余暇活動など、暮らしに必要な環境の整備が推進されることに加え、地域で暮らすあらゆる市民が総ぐるみで、ともに生きる社会を目指して取り組むことが重要です。市民一人一人が、互いに「認め合う」、「育む」、「発揮する」、「支え合う」ことを意識し、行動につなげるとともに、全体でこの意識を高め、広めていくことにより、あらゆる市民が暮らしやすくなった社会こそが、共生社会であり、本市が目指すものです。