第4章 基本目標 基本目標 「障がい」は、「個人の心身機能の障がい」と「社会的障壁」の相互作用によって創り出されており、この「社会的障壁」を取り除くのは社会の責務であり、このことが「障がいの社会モデル」とされています。 基本理念である「自分らしさを大切にしながら多様な個性が輝く共生のまち」づくりを推進するためには、このことを全ての人が理解し、自ら行動を起こし、社会全体の人々の心の在り方を変えていくこと、すなわち、「心のバリアフリー」を意識するだけでなく、人材育成の観点からも推進することが不可欠です。そのためには、お互いの「違い」や「良さ」を知り、認め、発信し、受け入れ、地域全体で障がいへの理解を深めること、発達に支援が必要な子どもたちの健やかな成長と自立のため、段階に応じた切れ目のない支援やそのための体制の充実を図ること、障がいのある人が社会を構成する一員として、様々な手段や方法で参加し、社会、経済、文化その他のあらゆる分野で、多様な個人の能力や個性が発揮されていること、地域における全ての人が相互に支え合うことが重要であり、更にそれぞれが連携することが必要不可欠です。 このことから、前の計画の基本目標を引き継ぎ、4つの基本目標(認め合う・育む・発揮する・支え合う)を定めました。これらの基本目標ごとに施策を位置づけ、それらに該当する取組を重層的に展開していきます。 基本目標 認め合う 障がいを特別視することなく、お互いの人格と個性を尊重し、それぞれが認め合い、地域の中で主体的に生活し、自己実現を図ることができる、分け隔たりのないまちづくりを進めます。そのため、思いやりの心の醸成に向けた取組を推進するとともに、障がい者への理解促進や虐待防止、差別の解消に資する取組や障がい福祉を支える人材育成に向けた研修の充実を図ります。 基本目標 育む 誰もが自分らしく個性や能力を育むことができるまちづくりを進めます。そのため、発達に支援が必要な子どもが早期に療育を受けられるよう、関係機関の連携推進と強化による切れ目のないサポートの充実を図るとともに、療育相談の推進や就園奨励など保護者への支援体制を充実させます。 基本目標 発揮する 多様な個人の能力や個性を発揮することができるまちづくりを進めます。そのため、一人一人の障がい特性や希望に合わせた雇用・就労の促進や文化芸術活動やスポーツなどに触れる機会の提供、充実を図るとともに、「社会的障壁」の除去のため、情報アクセシビリティの向上や障がい者にやさしいまちづくりを進め、ハード・ソフト両面にわたるバリアフリー化を推進します。 基本目標 支え合う 地域における全ての人が相互に支え合い、住み慣れた地域で誰もが安心して生活ができるまちづくりを進めます。そのため、保健・医療制度や経済的支援を推進するとともに、切れ目のない相談体制の充実を図ります。また、地域生活への移行や障がいの重度化・高齢化などへ対応するための取組のほか、災害への備えや身近な事故防止の推進、交通事故や消費者被害の未然防止などに向けた取組を推進します。