平塚海岸で3年連続アカウミガメのふ化を確認 134匹の子ガメが砂浜から海へ

平成22年9月17日

平塚市
担当 博物館 学芸担当 松本
電話 0463-33-5111
 

平塚海岸で3年連続アカウミガメのふ化を確認
134匹の子ガメが砂浜から海へ

 
 2010年夏、平塚海岸に産卵されたアカウミガメの産卵・ふ化が確認されました。
 今年平塚海岸で確認されたアカウミガメの産卵巣は2か所でした。同海岸では昨年、一昨年もアカウミガメの産卵とふ化が確認されており、3年連続での確認となりました。
 9月14日にふ化・脱出が無事終わり、海に帰ったことが確認されました。3年連続で産卵が確認されたことから、来年以降の産卵にも期待が高まります。
  • 産卵巣に取り残されていた子ガメ(9月14日撮影)の写真
2010年 平塚海岸でのウミガメの産卵・ふ化状況

産卵日

7月18日

7月27日

脱出日

9月8~13日ごろ(推定)

9月14日

卵の総数

104個

122個

砂から脱出した子ガメの数

81個

53個

脱出率

77.9%

44.2%

詳細

7月18日に市民からの情報提供を受け産卵を確認。

9月10日に産卵巣付近で死亡した子ガメが確認されているため、その前後にふ化・脱出したと考えられる。

7月27日に市民からの情報提供を受け産卵を確認。

9月14日に子ガメの足跡を確認。

産卵日

7月18日

7月27日


 

海岸でウミガメに出会ったときの注意点

 親ガメ編
  ウミガメに近づきすぎない。
  大きな音を出さない。
  懐中電灯の光を当てない。フラッシュ撮影をしない。
  産卵後、掘り返したり、卵を持ちだしたりしない。
  巣穴やその周りを踏み固めない。
    人の気配がしたり、驚いたりすると産卵を止めてしまいます。一旦産卵を始めると止めることはあまりありませんが、カメにとっては強いストレスになってしまいます。産卵後に卵を触るとふ化できなくなることがあります。
 
 子ガメ編
  子ガメに触らない。
  懐中電灯の光を当てない。フラッシュ撮影をしない。
    子ガメは海に帰るまでに様々なことを学習しています。可能な限り、自力で海まで戻るよう見守ってあげましょう。また、海の明るさを頼りに海に向かって行きますが、このときに地磁気などから方角を学習しているといわれています。このときに強い光を当てられると方向感覚を失って、海に戻れないばかりか、その後の成長にも影響する可能性がありますので、懐中電灯やカメラのフラッシュには十分気をつけてください。
 

-参考資料-

アカウミガメ
   日本近海でもっとも普通に見られる種類で、神奈川県で産卵するウミガメはアカウミガメのみ。6月~8月の夜に上陸し、深さ50cm程の穴を掘って産卵する。一度に産卵する卵の数は100~150程度。卵は白色で直径4cm程度。しばしば無精卵で、産卵されたものの、発生せず、ふ化しないこともある。
   砂中に産まれた卵をまとめて、産卵巣と呼ぶ。卵は産卵巣の中で発生が進み、産卵後約2か月でふ化・脱出する。ふ化後数日から一週間は産卵巣内にとどまり、その後産卵巣から出てくる。子ガメが産卵巣から出ることを脱出と呼び、一般にウミガメのふ化と呼ばれている現象は、脱出時のことをさしていることが多い。脱出は夜中に行い、脱出した子ガメは海の明るさを頼りに、海に向かって行く。このときに地磁気などから方角を学習しているといわれ、このときに強い光を当てられると方向感覚を失って、海に戻れないばかりか、その後の成長にも影響する可能性が示唆されている。
   アカウミガメの成体は甲らの長さが80~100cm程度、卵から出たばかりの子ガメは甲らの長さが4~4.5cm程度。