平成17年度平塚市民病院医療事故等の公表

平成18年6月9日

平塚市民病院

担当  医療安全管理室 福山

電話  0463-32-0015 内線5196

 

平成17年度平塚市民病院医療事故等の公表

 

主旨
 平塚市民病院(平塚市南原1-19-1、病院長 石山 直巳)では医療の透明性を高め、患者の知る権利に応えるため、平成17年度の医療事故等について公表します。公表基準は別紙参照。


公表の内容
 平成17年度の市民病院におけるアクシデントとインシデントの報告数、並びに代表的事例の概要を報道機関、平塚市民病院ホームページ(平成18年6月12日から)を通じて公表する。

 

平成17年度医療事故等の報告数 231件(アクシデント34件、インシデント197件)

レベル

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

合計

0

7

6

9

13

35

1

34

35

46

47

162

2

7

10

4

0

21

3

8

2

2

0

12

4

1

0

0

0

1

5

0

0

0

0

0


アクシデント報告

事故分類

概要(上段は代表的事例、下段は再発防止策等)

レベル2
 21件

採血時、感染症の患者様の注射針を誤ってさす。

【再発防止策等】ルールに従いリキャップはしないよう、個別指導を行った。

保守点検の際に圧縮空気と笑気のコネクターを誤って装着した結果、圧縮空気と笑気が入れ替わり、冠動脈バイパス術術後、覚醒が遅延した。

【再発防止策等】職員に対し、配管点検整備後の確認の手順について、教育・訓練を行った。また、業者へも作業終了時の最終確認の強化を依頼。

レベル3
12件

 トイレへ行こうとし転倒。頭を打ち頭蓋骨骨折。保存療法で回復。

【再発防止策等】個別的看護を充実・強化していくこととした。また、転倒時の衝撃を緩和するため、ヘッドギアなどの補助用具の使用を検討している。

レベル4
1件

白内障術後眼内炎を起こし、救急外来受診されるも診療開始までに時間を要した。硝子体手術をおこなったが、治癒せず失明に至った。

【再発防止策等】救急外来の対応を改正した。臨床上稀ではあるが、起こり得る合併症の貴重な経験として、今後更に慎重に診察にあたることとした。

 

インシデント報告

レベル

種別

概要(上段は代表的事例、下段は再発防止策等)

レベル0~
レベル1
197件

注射
20.8%

点滴の指示を見落とし、遅れて与薬した。

【再発防止策等】指示出し・指示受けの手順を確認し、徹底することとした。マニュアルを改訂した。

内服
29.9%

患者様の名前を呼んで確認したが、間違えて与薬。経過観察した。

【再発防止策等】患者確認の徹底をはかるため、患者確認バンドの導入を検討している。

ドレーン等の管理
16.2%

患者様が経管栄養の管を抜いてしまった。

【再発防止策等】患者様の病状等に合わせ、固定方法を検討する。

転倒・転落
10.2%

リハビリ中の患者様。車椅子に移ろうとして尻餅をついた。

【再発防止策等】転倒・転落危険度別予防策を実施しているが、個別的看護を充実・強化していくこととした。

検査
3.1%

指示を見落とし検査ができず、後日来院してもらった。

【再発防止策等】検査実施までの手順を確認し指導した。患者様にも検査の説明を十分に行い、協力を得ることとした。

その他
19.8%

乳製品アレルギーの方に脱脂粉乳入りの食品を出してしまったが、病棟で気づき食品を交換した。

【再発防止策等】原材料の調査、食品のマスター登録の見直しを行った。アレルギー患者の盛り付け方法を変更した。

 

公表の基準など

 本院では、「医療事故等のレベル」並びに「医療事故の公表基準」を平成17年4月に下記のように規定しましたので、これに基づいて公表します。

 

医療事故等のレベル

区分

レベル

内容

インシデント

レベル 0

間違ったことが発生したが、患者には実施されなかった場合

レベル 1

間違ったことを実施したが、患者には変化が生じなかった場合

アクシデント

レベル 2

事故により、患者に何らかの影響を与えた可能性があり、観察の強化や検査の必要性が生じた場合

レベル 3

事故により、患者に何らかの変化が生じ、治療・検査の必要性が生じた場合

レベル 4

事故により、生活に影響する高度の後遺症が残る可能性が生じた場合

レベル 5

事故が死因となった場合

 

公表基準

レベル

医療過誤

過失のない医療事故

レベル 0

一括公表
(個々の事案ごとには公表しない)

レベル 1

レベル 2

レベル 3

レベル 4

個別公表

一括公表 ※

レベル 5

 個別公表

 

※ レベル 4のうち過失のない医療事故については、一括公表とし、個々の事案ごとには公表しないが、社会的影響を考慮のうえ、必要があれば個別公表もありうる。