「平塚市自然環境評価書(総合評価編)~西部丘陵地域の自然~」を発刊

平成18年6月16日

平塚市

担当 環境政策課  担当 小島

電話 0463-23-1111 内線2659

 

「平塚市自然環境評価書(総合評価編)~西部丘陵地域の自然~」を発刊

 

概要

 平塚市の西部丘陵地域(土屋・吉沢地区、面積約12平方キロメートル)は、鷹取山から愛宕山にかけての丘陵地と、座禅川や不動川流域一帯を指し、市内でもっとも自然環境が豊かな地域です。本市では、西部丘陵地域における貴重な里山の自然環境を市民共有の財産として、次世代に引き継ぐうえでの基礎資料とするために2か年(平成16・17年度)にわたり調査を実施し、その結果を「自然環境評価書(総合評価編)」としてとりまとめました。
 西部丘陵地域の自然の特色は、人と自然との永年にわたるかかわりにより成り立った里山の自然であることです。評価にあたっては現時点でいかに「里山らしさ」が残っているかとともに、それを守ってきた人とのかかわりやその証がどの程度残されているのかをみることにより、総合的に「里山らしさ」がよく残されている場所を把握できるようにしました。
 平成16年度は、「生物編」として、生物指標種の生息場所や生物の分布状況などの調査を市民との協働で調べました。平成17年度は、景観や人とのふれあい場所、歴史、文化などを調べ、「人とのかかわり評価」を行い、2年間の成果を「総合評価編」としてまとめました。

 

評価方法

 西部丘陵地域を8つの大地区と29の小地区に区分して評価しました。平成16年度の「生物編」の調査では、いまある自然の現況を、「場」、「緑の質」、「生物」の3つの軸を用いてとらえ、これらの個別評価を統合して評価しました。また、平成17年度の「人とのかかわり編」では、地域の自然をつくり、維持してきた人の暮らしとのかかわりがどの程度残されているかを「景観」、「人とのふれあい」、「人文」の3つの軸を用いてとらえ、これらの個別評価を統合して評価しました。

 

評価の結果

 評価の結果、大地区では、「座禅川上流」、「鷹取山山麓」、「神奈川大学周辺」が「総合評価」で自然環境が豊かな地域となりました。中でも典型的な人里の雑木林や谷戸、集落がみられる座禅川上流は、特に「里山らしさ」がよく残されている場所となっています。今後、この環境を保全、維持する手立てを考えていく必要があります。
 なお、この評価を受けて、座禅川上流域の土屋字頭無地区は、地区全体が典型的な里地・里山の景観を形成しており、谷戸の農地と合わせて絶好の里山体験場所に適しています。そこで、今後この地区を市民との協働による保全策の検討を進めていきたいと考えております。
 なお、本評価は、西部丘陵地域内での相対評価であり、評価の低い地域であっても、市内のほかの地域と比較すれば、はるかに豊かな「里山らしさ」が残されていることはいうまでもありません。

自然環境評価にかかわった人々
 評価手法の検討と実際の評価にあたっては、学識者と自然環境に関心のある市民からなる「平塚市自然環境評価検討会」(平成16年度 小清水四郎委員長、平成17年度 木村勝治委員長)で協議しながら進めました。
 また、現地調査にあたっては、生物に詳しい市民ボランティアからなる「自然環境調査市民応援団」に御協力をいただきました。また、平塚市博物館が中心になって行われたタンポポ調べや過去の生物調査の結果も利用させていただきました。

 

その他

 「総合評価編」 A4判フルカラー122ページ、220冊を発行
 概要版も作成し、平塚市等の関係各課等に配布して施策立案に役立てるほか、市役所内の市政情報コーナーや図書館で閲覧できます。
 市のホームページには、5月15日から公開。