佐波理匙他 山王A遺跡第4地点1号掘立柱建物跡出土 埋納資料一括

  • 出土状況と佐波理匙
さはりさじほか さんのうAいせきだい4ちてん1ごうほったてばしらたてものあとしゅつど まいのうしりょういっかつ

平塚市指定重要文化財

所有者 平塚市(ひらつかし)

    〔平塚市教育委員会所蔵〕

指定  平成28年2月3日

佐波理匙 全長264mm 匙面長60mm 匙面幅45mm 重量37.8g

須恵器甕

長頸壺他破片


 山王(さんのう)A遺跡は四之宮字山王に所在する遺跡で、集合住宅建設に伴い、平成4年(1992)5月7日から8月5日に本発掘調査を実施した。
 発掘調査の際、桁行(南北)4間、梁行(東西)3間の比較的大型の掘立柱建物跡発見され、そこから出土した佐波理匙(さはりさじ)と須恵器片の一括資料である。
 この掘立柱建物跡は、出土した須恵器から8世紀末から9世紀初頭の所産と考えられ、当該資料は、南東側柱穴の掘方上層から一括出土したものである。須恵器の破片が重なるように配置された上に、佐波理匙が、匙内面を上にして立てかけるような状態で置かれていた。こうした状況から、建物の地鎮に伴い、一括して埋納されたものと推定される。
 佐波理匙が遺跡から出土することは極めて稀で、寺院関連遺跡からの出土例の多いことが知られているが、出土状態の明確でないものが多く、本資料(本佐波理匙)が出土した山王A遺跡は、相模国府推定地内にあり、この掘立柱建物跡が地鎮を要する寺院または、官衙の重要施設の一角であることが示唆される。
 佐波理匙は東大寺正倉院南倉で匙面が木葉形と円形のものが伝わり、朝鮮半島新羅(しらぎ)からの舶載品と考えられる。本資料は木葉形で形状・材質・構造ともにこれらに類似する。このことから本資料が中央からもたらされたことは確実で、古代律令制下の中央と相模国府の関係を示す資料として重要なものと考えられる。
 以上のように、当該資料は、古代平塚を考究する上で欠くことができない資料であるとともに、古代官衙・地方寺院研究にとって貴重な資料である。
 

交通案内(JR平塚駅北口より神奈川中央交通バスを利用した場合)

平塚市博物館(平塚市浅間町12-41) 
5番乗り場・田村車庫行、6番乗り場・本厚木駅南口行ほか 「コンフォール平塚前」(旧「日産車体前」)下車 徒歩3分

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