アルコールと健康

正しい飲酒の知識

 アルコールを1%以上含む飲料のことを「お酒」と定義されています。
 お酒は、飲み方次第で薬にも毒にもなります。適度な飲酒は、気分をリラックスさせ、ストレス解消にもなりますが、アルコールは体に様々な悪影響を与えます。摂り過ぎれば毒にもなるので、飲み方に気をつけましょう。

飲酒の状況

 令和元年「国民健康・栄養調査」結果によると、生活習慣病のリスクを高める量※を飲酒している者の割合は、男性14.9%、女性9.1%でした。平成22年からの推移でみると、男性では有意な増減はなく、女性では有意に増加しています。年齢階級別にみると、その割合は男性では40歳代、女性では50歳代が最も高く、それぞれ21.0%、16.8%でした。
 
※「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者」:1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性20g以上の者

アルコールの代謝

 お酒を飲むと、アルコールは胃から約20%、小腸から約80%が吸収され、その後血液に入り、全身を巡ります。アルコールは、肝臓でアルコールを分解する酵素によってアセトアルデヒドになり、さらに酢酸に分解され、最終的には水と二酸化炭素となって汗、尿、呼気から排出されていきます。
 お酒を飲んで酔っ払うのは、アルコールが脳の神経細胞に作用し、麻痺させるためです。飲み過ぎると頭痛、吐き気、顔面紅潮などが現れるのは、アセトアルデヒドが原因です。
 日本人の4割近くの人がアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが低いため、欧米人に比べてお酒に弱い人が多いという特徴があります。このような人は「飲んでアルコールに強くなる」ことはなく、むしろ身体への悪影響が生じやすいため、注意が必要です。
 アルコールが血中からなくなるまでの時間は、アルコールの処理能力や体重によっても異なるため、個人差があります。一般に体重60~70kgの方は純アルコール約5g分解に1時間ほどかかります。お酒に換算すると、中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯を分解するには約4時間かかることになります。

アルコールの体への影響

【女性と飲酒】
 女性は、男性よりもアルコールに対するリスクが高いと言われています。
 女性は、男性に比べて体が小さく、肝臓の大きさも小さいためです。また、アルコールは、脂肪には溶けにくい特徴がありますが、女性の体脂肪は男性より多いので、その分だけ水分が少なく、お酒を飲んだ時の血中アルコール濃度は男性よりも高くなります。さらに、女性ホルモンがアルコールの代謝を抑制するため、男性よりも少量のアルコールで、短期間でアルコール依存症や肝障害に進展しやすい危険性があります。
 妊娠中や授乳中にアルコールを摂取すると、胎児性アルコール依存症(発育遅延、中枢神経系の障害)を引き起こし、乳児の脳や体の発育にも影響を及ぼす危険性があります。

【未成年と飲酒】
 未成年の飲酒は、脳障害、急性アルコール中毒、アルコール依存症、精神的成長や心理的発達の停止、職場での作業効率の低下など身体的、精神面、社会性への影響があります。
 
飲酒が未成年に与える影響
影響の生じる側面 主な影響
身体的影響 •急性アルコール中毒
•肝臓障害(肝炎・肝硬変など)
•膵臓障害(膵炎・糖尿病)
•性腺機能障害(生理不順など)
•脳の機能低下(記憶力など)
精神的影響 •学習意欲の低下
•未来志向・未来展望の喪失
•精神的成長や心理的発達の停止
•性格の変化
•若年のアルコール依存症発症
社会的影響 •交通事故(飲酒運転による事故)
•学校問題(成績不振、中退など)
•職業問題(作業能率の低下など)
•金銭問題(浪費、借金)
•非行問題(暴力行為、性的非行)
 
【睡眠と飲酒】
 アルコールは入眠を促進しますが、アルコールの分解成分の作用で睡眠が浅くなり、目を覚ましやすくするため、結果的に睡眠の質を悪くします。毎晩続けると、アルコールを飲まないと眠れない状態に陥る危険もありますので注意しましょう。

アルコールと病気

 長期にわたり大量のアルコールを摂取すると、肝臓でアルコールが代謝される際に中性脂肪が蓄積し、脂肪肝や肝硬変などの肝臓障害を引き起こします。
アルコールによる病気
脂肪肝 中性脂肪が大量に蓄積し、肝臓全体が大きくなった状態です。アルコールを飲み続けることにより、脂肪の分解が抑えられてしまい、中性脂肪の材料である脂肪酸の合成が高まることで起こります。
アルコール性肝炎 脂肪肝の状態が数年以上続き、大量飲酒を続けていると、肝細胞が炎症して壊れてしまいます。
高血圧 アルコールを長期間摂取し続けると、血圧を上げ、高血圧を引き起こします。高血圧の状態が続くと心臓や脳へも負担がかかり、心疾患や脳血管疾患へとつながります。
慢性膵炎 大量の飲酒を続けると、膵臓の中の消化酵素が活性化され、自分の膵臓を消化してしまう自己消化を引き起こします。
アルコール依存症 アルコール依存症になると、自分で飲酒のコントロールができなくなります。また飲まないとイライラし、不眠になる精神的依存や、アルコールの中断や減量で幻視、手指のふるえなど身体的依存があります。専門病院や自助グループのサポートを受けながら、治療をしていくことが大切です。
急性
アルコール中毒
短時間で大量のアルコールを摂取すると、肝臓でアルコールの分解が追いつかず、血中アルコール濃度が一気に上昇し、意識混濁、昏睡、嘔吐、低血圧など様々な症状がでます。これが急性アルコール中毒です。
慢性中毒 大量の飲酒習慣で休肝日を設けずに飲み続けると、アルコール性の脂肪肝、肝炎、肝硬変、食道静脈瘤を引き起こします。また口腔、食道、肝臓、咽頭、大腸、乳がんなどのリスクは飲酒で高まります。

適正飲酒の目安

 適正飲酒の目安は、アルコール摂取量の適正な基準とされるお酒1単位です。お酒1単位は純アルコールに換算して20gです。
お酒1単位(純アルコールにして20g)
 
適正飲酒の目安
お酒の種類 アルコール
度数
お酒の量
ビール 5% 中瓶1本500ml
日本酒 15% 1合180ml
焼酎 25% 0.6合110ml
ウイスキー
ブランデー
43% ダブル60ml
ワイン 14% 1杯180ml
缶チューハイ 5% 1.5缶520ml

食事と飲酒

【おつまみの極意】
其の1 油を多く含むもの(唐揚げやフライドポテトなど)に注意する。
     ピーナッツ、アーモンド、クルミも要注意!(高脂質)
其の2 魚介類や大豆製品を取り入れて肝臓を守る。
其の3 野菜や海藻でビタミン、ミネラルを補給する。
其の4 野菜サラダにはノンオイルドレッシングやぽん酢を活用する。

~おススメおつまみ~ 
野菜とたんぱく質がとれて、包丁を使わずに短時間で用意できる!(分量は2人分)

「インゲンとツナのおかか煮」
水大さじ3、酒大さじ1を鍋に入れ、煮立ったら冷凍いんげん150g(長かったら手で折る)、かつお節の小袋1パック(2~3g)、しょうゆ小さじ1杯を加えて汁気がほぼなくなるくらいまで煮る。
ツナの油漬け小1缶(汁は除く)を加えて混ぜ合わせる。

「豆腐と海藻ミックスのサラダ」
絹豆腐1月2日丁を器に盛り、もどした海藻ミックス適量を豆腐の上にのせる。お好みのノンオイルドレッシングまたはポン酢をかける。

「トマトとじゃこのナムル」
ミニトマト10個、ちりめんじゃこ10g、手でちぎった青じそ2枚を器に入れ、おろしにんにく小さじ1月4日、ごま油大さじ1月2日、しょうゆ大さじ1月2日を混ぜたものとあえる。

お惣菜や居酒屋のおつまみは、これをチョイス!
  焼きとり、刺身、冷奴、枝豆、野菜サラダ(ポテサラはサラダにあらず)、おひたしなど

 

【お酒とうまくつきあう極意】
  • 其の1 食事をしながら時間を決めて飲む(だらだら飲まない)
  • 其の2 合い間にお茶や水などの水分をとる(甘味のないもの)
  • 其の3 しめのラーメンやスイーツは控える(血糖値の急上昇を招く原因になるため)

健康を守るための12の飲酒のルール

  1. 節度ある適度な飲酒
    飲酒は1日平均2ドリンク以下。節度ある適度な飲酒を守りましょう。
  2. 女性・高齢者は少なめに
    中年男性に比べて、女性や高齢者は飲酒量を控えることをおすすめします。
    例えば1日350mlの缶ビール一本以下を目安としてみましょう。
  3. 赤型体質も少なめに
    飲酒後にフラッシング反応※を起こす人をここでは赤型体質とも呼びます。この体質はアルコールの分解が遅く、がんや様々な臓器障害を起こしやすいといわれています。
  4. たまに飲んでも大酒しない
    たとえ飲む回数が少なくとも一時に大量に飲むと、身体を痛めたり事故の危険を増したり依存を進行させたりします。
  5. 食事と一緒にゆっくりと
    空腹時に飲んだり一気に飲んだりすると、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いしたり場合によっては急性アルコール中毒を引き起こします。またあなたの身体を守るためにも濃い酒は薄めて飲むようにしましょう。
  6. 寝酒は極力控えよう                                                                          寝酒(眠りを助けるための飲酒)は、睡眠を浅くします。健康な深い睡眠を得るためには、アルコールの力を借りないほうがよいでしょう。
  7. 週に2日は休肝日                                                                          週に2日は肝臓をアルコールから開放してやりましょう。そうすることで依存も予防できます。
  8. 薬の治療中はノーアルコール                                                                   アルコールは薬の効果を強めたり弱めたりします。また精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存をはやめることが知られています。
  9. 入浴・運動・仕事前はノーアルコール
    飲酒後に入浴や運動をすると、不整脈や血圧の変動を起こすことがあり危険です。またアルコールは運動機能や判断力を低下させます。
  10. 妊娠・授乳中はノーアルコール
    妊娠中の飲酒は、胎児の発達を阻害し、胎児性アルコール症候群を引き起こすことがあります。またアルコールは授乳中の母乳に入り、乳児の発達を阻害します。
  11. 依存症者は生涯断酒
    依存症は飲酒のコントロールができないことがその特徴で、断酒を続けることが唯一の回復方法です。
  12. 定期的に検診を                                                                            定期的に肝機能検査などを受けて、飲み過ぎていないかチェックしましょう。また赤型体質の習慣飲酒者は、食道や大腸のがん検診を受けましょう。                                                                              ※フラッシング反応:コップ1杯のビール程度の少量の飲酒で起きる顔面紅潮、吐き気、動悸、眠気、などを指す 

ストレスと飲酒

 お酒でストレスを解消しようとすると、ついつい量が増えてしまうことはありませんか?飲酒量が増えてしまうとアルコール依存症になってしまう危険性もあります。ストレス解消は、お酒ではない方法を工夫しましょう。

飲酒以外のストレス解消法の例

【リラックスして心身の緊張や不安を緩和しましょう!】
 深呼吸、好きな音楽、アロマ、入浴、ストレッチ、読書、散歩、ペット、
 自然の中に身を置くなど・・・
【休憩をとり、脳とからだを休息させましょう!】
 十分な睡眠、ゆっくり食事など・・・
【レクルエーションを楽しみ、心身をリフレッシュしましょう!】
 趣味、スポーツ、旅行、登山など・・・

(PDF)
「アルコールについて知ってほしいこと」 神奈川県精神保健福祉センター
「女性に知ってほしいアルコールの話」  神奈川県精神保健福祉センター

参考:厚生労働省e-ヘルスネット
   令和元年国民・健康栄養調査の概要  
   公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
   公益社団法人アルコール健康医学協会

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