市長あいさつ

令和2年度

令和3年度施政方針(令和3年第1回市議会定例会)

令和3年2月16日

 本日ここに、令和3年度当初予算案及び令和2年度3月補正予算案、並びにこれに関する諸案件を提出するに当たり、その概要と当面する市政運営について所信の一端を申し述べ、議員各位を始め、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 令和2年度を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、その対応に奮闘した1年でした。まずは、最前線に立ち、献身的に御尽力されている医療・介護従事者の皆様を始め、感染症の拡大防止に御協力いただいている市民の皆様に対し、心から感謝の意を表します。
 感染症は、全世界に広がって未曽有の危機となり、日本国内においても2度にわたる緊急事態宣言の発出に至りました。また、感染症の影響は甚大かつ長期化しており、地域経済のみならず、市民の皆様の暮らしにも密閉、密集、密接という「3密」の回避や、移動の自粛といった「新しい生活様式」が求められるなど、行動変容にまで及んでいます。さらに、感染症は何度も流行の波が押し寄せ、そのたびに対処すべき課題が異なり、局面に応じた対応が求められることとなります。

 新型コロナウイルスとの闘いに当たり、本市では昨年4月に「平塚市新型コロナウイルス感染症緊急対策」を策定し、住民との距離が最も近い基礎自治体として、迅速、かつ、きめ細やかな対策を国に先んじて取り組んできました。
 さらに、7月には「平塚市新型コロナウイルス感染症総合対策」を中・長期的な視点も持って策定し、感染症の第2波、第3波に備えるとともに、コロナ危機の中でも社会経済を回し続け、さらには、ポストコロナを見据えたまちづくりを進めてきました。
 こうした対策を通じ、感染症流行への備えとして、市民病院においては、人工呼吸器などの高度医療機器や、紫外線照射システム、発熱監視モニターの配備、消防・救急隊においては、感染症患者の搬送用救急車や搬送用装置(アイソレーター)などの配備により、医療・救急体制を確保してきました。
 また、市民生活への支援として、ひとり親家庭や、国の特別定額給付金の対象外となった新生児世帯に対して本市独自の給付金を支給するとともに、住居を失うおそれのある方に対する住居確保給付金の支給や、妊婦の皆様が健診などの際に安心・安全に外出できるようタクシー利用券を交付することにより、市民の暮らしを支えてきました。
 さらには、経済活動への支援として、小規模事業者に対する家賃補助、クラウドファンディングを活用した飲食店などの取組への支援、感染症の拡大防止を図りながら事業を継続する中小企業への応援金の交付に取り組むとともに、キャッシュレス決済の推進・普及に向けた「ひらつか☆スターライトポイント」を発行し、消費喚起による市内経済の活性化につなげることができました。

 令和3年度も新型コロナウイルスとの闘いは続きます。
 いまだ感染症の収束の兆しが見えない中、現状を的確に把握し、最善となる意思決定を素早く行うとともに、臨機応変に対策を講じる必要があります。
 市民の皆様の「いのち」と「くらし」、そして平塚の「まち」を守るため、「コロナに打ち勝つまち」をテーマに掲げ、本市の総力を挙げて市政運営に取り組みます。
 このため、令和3年度当初予算につきましては、平塚市総合計画改訂基本計画の推進を基調としつつ、ワクチン接種など新型コロナウイルスに対する徹底的な取組の実施、コロナ危機の中でも止めてはならない施策の着実な推進、ポストコロナを見据え、未来につながるまちづくりを進める施策の加速・進化という、3つの視点に重きを置いた編成としました。

 ここで、令和3年度当初予算の概要について述べさせていただきます。
 まず、財政運営についてです。政府の経済見通しによりますと、令和3年度は、感染症が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要があるものの、総合経済対策の実施により、年度中には経済の水準が感染症拡大前に回帰することが見込まれるとしています。そうした中、令和3年度の政府当初予算案は、感染症の拡大防止に万全を期しつつ、デジタル社会など、中・長期的な課題にも対応する予算として編成されています。
 本市においては、歳入では、感染症の影響の長期化に伴い、歳入の根幹を成す市税の大幅な減収を見込む一方、歳出では、社会保障関係費や、既に実施を予定している投資的経費などに加え、感染症の拡大防止や、「新しい生活様式」に適応した市民サービス・市政運営に係る経費などの増加により、厳しい財政状況が続くものと見込んでいます。
 こうしたことから、令和3年度当初予算は、重点を置くべき施策の選択と集中や、事業の見直しによる財源確保を図り編成しましたが、併せて年度を通して、更なる行財政改革に取り組むことを基本方針として定めました。また、国の15か月予算と歩調を合わせ、切れ目のない感染症対策を講じるため、令和3年度当初予算に令和2年度3月補正予算も含めた行財政運営を展開することとしました。
 以上の結果、令和3年度の一般会計予算は902億4,000万円で、前年度当初予算と比較して、27億2,000万円、3.1パーセントの増加となっています。また、5つの特別会計の全体予算は717億9,250万円で、前年度当初予算と比較して、48億8,500万円、6.4パーセントの減少となっています。
 病院事業会計及び下水道事業会計の公営企業会計予算は293億5,800万円で、前年度当初予算と比較して、8億7,900万円、2.9パーセントの減少となっています。全会計では1,913億9,050万円で、前年度当初予算と比較して、30億4,400万円、1.6パーセントの減少となっています。
 なお、令和2年度3月補正予算において、一般会計では16億6,118万8,000円、特別会計、公営企業会計を含む全会計では6億6,443万7,000円を計上しています。

 次に、この予算編成につきまして、平塚市総合計画改訂基本計画に基づき、主な取組について述べさせていただきます。
 まず、コロナ危機の中においても、感染症収束後の社会においても、総合計画が目指す「まちづくりの指針」の実現は変わることなく重要であることから、総合計画に位置付けた施策を引き続き着実に推進していきます。
 しかしながら、コロナ危機を契機に感染症を継続的かつ確実に防止する観点から、日常生活や働き方、そしてビジネスにおいてもデジタル化など新技術を取り入れた新しいスタイルへの転換が強く求められています。行政が展開する施策も、この例外ではありません。
 こうしたことから、次年度の総合計画実施計画では、本市の重点課題に対応するための重点施策及び市政運営を総合的に進めるための分野別施策と併せて、デジタル化など新技術を積極的に取り入れた施策を「新たな日常」の構築に向けた施策として取りまとめ、お示しいたします。
 これまでの重点施策と分野別施策に「新たな日常」を構築する施策を加え、施策展開を3つの軸でお示しすることで、来るべき新年度には、ポストコロナにも確実につながる未来志向の取組を積極的に推進していきます。

 具体的な取組として、まずは「新たな日常」を構築する施策についてです。
 地域経済の活性化では、「ひらつか☆スターライトポイント」を活用したキャッシュレス化に取り組み、市内経済の循環と「新しい生活様式」への移行を促すとともに、テレワークやITサービス導入支援により企業の新たな働き方を促進するなど、地域経済のデジタル化を促進します。また、デジタル技術などを活用したスマート農業の導入を支援し、生産性を飛躍的に高めることにより、新たな3Kとして「かっこいい」「稼げる」「感動」をコンセプトに、本市農業のビジネスモデルの実現を図ります。さらに、新しい産業を創出するための実証事業などの誘致や平塚産品のEC(電子商取引)の導入を支援します。
 教育や子育て支援では、各学校に配備した大型液晶モニター及び一人1台のタブレット端末の活用や、英語の指導者用デジタル教科書を導入し、児童・生徒の学びを充実させます。また、SNSを活用した青少年相談に取り組むことで、これまでの相談体制の長所も活かしながら多様な相談体制を構築し、悩みを抱えている方が相談しやすい環境を整えます。
 福祉の取組では、高齢者が集まる通いの場(サロン)などにおけるSNSを活用したつながりづくりの促進に取り組んでいきます。また、健康診断・医療・介護などのデータを一元的に把握・分析することで、本市の健康課題を的確に捉えた健康政策の足掛かりを築き、更なる健康長寿につなげます。
 安心・安全の取組では、被災者台帳システムを活用した訓練や防災行政無線のデジタル化を進めることで、災害への備えを充実します。また、「新しい生活様式」に伴う消費者被害の防止を図るため、消費生活に係る情報を、SNSを活用して発信するとともに、安心・安全に関する啓発として、動画配信サービスを活用し、より分かりやすく、より多くの方に見ていただける情報発信を進めます。
 このほか、市民活動センターにおけるオンライン講座の開催や情報発信、電子図書館の導入や、博物館・美術館における自宅で楽しめるデジタルコンテンツの充実、フードバンク活動におけるマッチングアプリを活用した食品ロスの削減に取り組みます。
 また、総合計画と両輪となる行財政改革計画においても、ICTの活用を推進し、市民の皆様の利便性を向上させるとともに、業務の効率化を図ることで、人的資源を行政サービスの更なる向上につなげるため、デジタル化の取組を強化します。
 まず、書面規制、押印、対面規制の見直しを進め、行政手続のオンライン化やキャッシュレス決済の拡充など、ICTを活用した取組を推進します。さらに、デジタル社会に向けた働き方改革や業務改革の一環として、税務部門にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、全庁的な展開に向けた課題の抽出や準備などに取り組みます。
 次に、こうした「新たな日常」を構築するための施策を取り込みながら推進する総合計画の4つの重点施策に関連する取組についてです。
 感染症は、本市が抱える課題を改めて浮き彫りにしました。感染症の影響により更なる少子化の進展が懸念されることから、人口減少や人口減少問題から生じる本市の重点課題にしっかりと対応していく必要があります。

 重点施策1「強みを活かしたしごとづくり」では、基幹産業の競争力を強化するため、本市の南の核である中心市街地において、関係団体と連携し、出店を希望する事業者に対する家賃補助などの拡充や、商業者及び地域住民を主体としたまちの活性化事業に対して、地域金融機関などと協力して支援するとともに、北の核であるツインシティ大神地区と平塚駅を結ぶ南北都市軸の強化に向けた取組を進めていきます。加えて、地域の農業をリードする認定農業者に対して、デジタル技術などの先進技術を活用した、スマート農業の導入支援に取り組むとともに、稲作の受託組織であるライスセンターの更なる省力化や高品質生産など、経営効率化を進める「スマートライスセンター」の創設支援に取り組み、新たな付加価値の創出を目指します。
 また、多様な担い手が活躍する機会をつくるため、事業承継などを促進するセミナーの開催や相談窓口での経営課題の解決に向けたアドバイス、資金面の支援などにより、中小企業の経営の安定を図ります。加えて、起業に向けた支援を拡充し、副業から創業への促進を支援する相談会を新たに実施します。
 さらに、地域資源を活用した新たな事業の創出を促進するため、企業、団体、個人事業者のネットワーク化による産業間連携の場を通して、新商品の開発や新事業の創出に向けた専門家派遣、開発費助成などによる支援に取り組みます。

 重点施策2「子どもを産み育てやすい環境づくり」では、若い世代の結婚・出産を支援するため、出産を希望する人の不妊治療・不育治療に係る費用を助成するとともに、テレワークなどのITサービス導入に係る経費の補助を通して、新しい働き方に取り組む企業を支援します。
 また、安心して子育てができる環境をつくるため、定員の増加を伴う民間保育所の増改築や小規模保育事業所の新規開設による施設整備と、「就職促進貸付金」、「就労支援交付金」、「奨学金返済支援補助金」の「3つの柱」を中心とした保育士確保策を両輪として、待機児童解消に向けた取組を進めていきます。加えて、子育てにおけるセーフティネット機能を強化するため、本市初となる病児保育を開始し、子育てと仕事の両立支援の充実を図ります。
 さらに、子どもの健やかな成長を支援するため、新たな取組として、指定校によるセーフティプロモーションスクールの認証活動を進め、更なる学校安全の推進を図ります。中学校完全給食では、令和6年度の実施に向けて、昨年11月に策定した基本構想・基本計画を基に、新たな学校給食センターの整備等事業者の選定と、配送される給食を受け入れるための中学校15校の施設整備を進めていきます。

 重点施策3「いくつになってもいきいきと暮らすまちづくり」では、現在策定を進めている、高齢者福祉計画(介護保険事業計画[第8期])に基づき、高齢者の様々な活躍を支援するため、生きがい及び就業機会の確保に取り組みます。加えて、新たな取組として、地域団体や市民活動団体と連携し、「新たな日常」における地域活動の在り方を考えるとともに、持続可能な地域活動の仕組みづくりを支援していきます。
 また、健康寿命を延ばす取組を推進するため、生活習慣病の早期対応と重症化予防に向けて、健康診断・医療・介護などのデータを一括把握して分析を行うことにより、施策の推進に必要な知見の蓄積を図るとともに、健康長寿に向けて、フレイルチェックや健康チャレンジリーダーによる健康づくりの支援に取り組みます。
 さらに、いつまでも住み慣れた地域で安心して暮らせる環境をつくるため、地域包括ケアシステムの推進として、地域医療福祉拠点整備モデル地区構想の実現に向けて取り組むとともに、万が一の事故などにも対応できる賠償責任保険付き見守りGPS機器の貸与など認知症施策の推進や、成年後見利用支援センターの運営、市民後見人の養成など、権利擁護推進体制の充実に取り組みます。

 重点施策4「安心・安全に暮らせるまちづくり」では、災害に強い地域づくりを推進するため、避難所において、間仕切りテントの追加配備や、マンホールを活用したトイレを整備することで、生活環境の向上を図るとともに、高潮ハザードマップを作成し、配布することで、災害や日頃の備えに対する意識向上を促します。
 また、犯罪や消費者被害を防止するため、防犯協会などと連携した防犯活動、平塚警察署との協定に基づく治安イメージの向上に向けた取組、特殊詐欺被害を防止するための迷惑電話防止機能付き機器の導入支援を行うとともに、消費生活の情報提供やトラブル救済に向けた消費生活相談を実施します。
 さらに、交通安全対策を推進するため、交通安全教室の実施や自転車通行帯の整備を進めます。また、移動の安全と快適性が享受できる社会の形成に向けて、バリアフリー基本構想の改訂や公共交通機関のバリアフリー化の支援に取り組みます。

 次に、分野別施策に関連する取組についてです。
 教育施策では、ネイティブ・スピーカーとの対話の機会を通した英語教育を推進するとともに、リトアニア共和国との交流により、子どもたちの多様な学習を推進します。
 文化芸術や生涯学習では、令和4年3月、約半世紀の長きにわたり親しまれた平塚市民センターの歴史と伝統を引き継ぎ、装いも新たに「ひらしん平塚文化芸術ホール」が開館します。本市の「文化芸術の拠点」として、多くの市民の皆様に親しまれる施設になると期待しています。さらに、博物館では、平塚空襲をテーマにした夏期特別展を開催し、美術館では、開館30周年記念事業として地域の福祉事業所と連携した「スタジオ・クーカ展」などの企画展を開催します。公民館では、本年6月に再整備を進めていた吉沢公民館が完成し、市民の皆様に御利用いただける環境が整います。地域の貴重な絆をつなぐ場として機能させていきます。また、移転新築を計画している四之宮公民館については、引き続き整備に向けた準備を着実に進めます。
 青少年施策では、放課後児童クラブの受入児童数の拡充及び放課後の安心・安全な生活の場を確保するため、受入児童の多いクラブの分割を進めるとともに、小学校の余裕教室に新たにクラブを開設します。
 国際交流では、リトアニア共和国から招いた国際交流員が、日本とリトアニアの文化や教育における懸け橋の役割を担うとともに、外国籍市民の相談窓口では14言語で対応するなど、多文化共生社会に向けた取組を進めます。
 男女共同参画では、関係機関との連携を深め、女性のための相談・支援を進めます。また、本年度見直しを行った「ひらつか男女共同参画プラン」に基づく施策を展開し、誰もが個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指します。
 健康づくりでは、健康に関する講座の開催や正しい健康知識に関する情報の発信、各種検診や特定健康診査・特定保健指導の利用促進に取り組みます。また、市民病院において、救急搬送患者を受け入れる「断らない救急」を堅持するとともに、万全の感染症対策を講じて、市民の皆様に頼られる地域医療の拠点としての役割を果たしていきます。
 地域福祉では、判断能力が低下している方やその親族に対し、成年後見制度の利用を促すとともに、更なる制度の利用促進を担う中核機関の整備に向けた準備に着手します。また、住居確保給付金の支給とともに、引き続き平塚市社会福祉協議会と連携し、自立相談支援を始め、家計改善や就労準備など、生活困窮者の状況に応じた相談・支援に取り組みます。
 障がい福祉では、障がいの特性や一人一人の希望に合わせて多様な就労を促進するとともに、障がい者ワークステーション「夢のタネ」では、就労定着に向けて、市役所だけでなく、市内の小中学校での活動も推進します。
 災害対策では、浸水軽減を図る公共下水道整備を、御殿地区を始めとした重点対策地区において引き続き実施するとともに、内水ハザードマップの見直しを進め、総合浸水対策に取り組みます。
 消防・救急では、本年5月に災害活動の拠点となる消防署本署の建て替えが完了します。新たな消防署本署は、強固な耐震性を備えた庁舎となるとともに、消防団第3分団を合築することにより、消防力の更なる強化を実現します。
 環境施策では、地球温暖化対策を推進するため、国の動きとも同調した脱炭素化や災害時のレジリエンス強化の取組として、環境事業センターの熱・発電の更なる利活用について研究を始めます。また、可燃ごみ戸別収集の実施地区の拡充や、市民団体と協働した食品ロス削減・フードバンク活動に取り組みます。
 公園・緑化では、障がいの有無に関わらず子どもたちが一緒に遊ぶことができるインクルーシブ遊具の設置に向けて準備を進めるとともに、湘南平・高麗山公園の眺望を取り戻すための取組を引き続き進めます。また、総合公園の「レモンガススタジアム平塚」において、各種大会の再開を見据えた修繕に取り組むとともに、野球・サッカー・バスケットボールなどのプロスポーツの試合開催に向けて、より安全・快適に、より多くの方々に利用していただける環境を整えます。
 道路・交通施策では、「ひらしん平塚文化芸術ホール」の開館に間に合うよう、東海道本通り線における景観整備の工事に着手するほか、真土金目線の歩道の拡幅工事を実施します。
 産業振興施策では、雇い止めを受けた求職者を始め、就職氷河期世代や障がい者などの就職困難者を支援するため、市民を正規雇用する市内企業への補助制度を、県内で初めて設けます。また、農作物被害が出ているジャンボタニシやイノシシなどの有害鳥獣対策に取り組みます。さらに、アドバイザー派遣などを通じて、魅力ある個店づくりや商店街の活性化に向けた取組を支援するとともに、地域の独自性を生かした着地型観光の体験プログラムを開発し情報発信します。

 続いて、直面する課題への取組について2点述べさせていただきます。
 感染症克服の決め手とされるワクチン接種では、迅速かつ円滑に実施するため、私を本部長とした「平塚市新型コロナウイルス感染症ワクチン接種特別本部」を創設し、さらには担当部長の配置及び専任担当の設置により、強力な接種推進体制を整えました。この体制を中心として、全庁一丸となってワクチン接種に取り組み、パンデミックの波を押し返し、感染症を恐れることのない社会の実現を目指します。
 行政デジタル化の推進では、行政手続のオンライン化やキャッシュレス決済の拡充など市民生活の利便性向上を図るため、「新たな日常」を見据えた基本方針を策定します。また、本年4月には本市のデジタル化を牽引する組織を整え、ここを司令塔にして、デジタル技術を地域や組織に浸透させて市民生活をより良いものに変革するDX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現を目指します。さらに、「デジタル時代のパスポート」と言われるマイナンバーカードの交付について、「令和4年度末までに、ほぼ全国民に行き渡る」という国の目標を踏まえ、本市においても、申請や交付機会の拡大を通して、集中的に取り組みます。あわせて、電子証明書やマイナポータルの活用などを含め、カードの利便性向上にも取り組みます。
 このように、令和3年度は、新型コロナウイルスへの対応に尽力するとともに、未来につながるまちづくりを進めるカギとなる施策に挑む1年となります。

 また、令和3年度は、将来に向けた本市の魅力づくりとして力を入れてきました3つの拠点整備においても、大きく前進する年となります。
 まず、海岸エリアでは、本年度の「湘南ベルマーレひらつかビーチパークby shonanzoen」における津波避難展望台の完成や、「ひらつかタマ三郎漁港」でイベントや散策の拠点として多目的に活用できる「しおかぜ広場」の設置に続き、龍城ケ丘ゾーンにおける海の総合公園の整備に着工していきます。
 次に、見附台周辺地区では、この3月中旬以降、民間収益施設が順次営業を開始することに続き、令和4年3月には「ひらしん平塚文化芸術ホール」が完成し、オープンします。
 また、本市の「北の核」となるツインシティ大神地区では、道路や下水道、公園などの都市基盤整備が着実に進み、立地企業が順次、操業を開始するとともに、令和4年4月の開校を目指す、新たな相模小学校が完成します。
 本市は、このようなハードの魅力づくりだけではなく、子ども・子育て施策の充実や、「人生100年時代」や「地域共生社会」に向けた様々な施策など、ソフトの魅力づくりに取り組むとともに、それらを踏まえた積極的なシティプロモーションを展開し、広く本市の魅力の発信に努めてきました。
 こうした中、新型コロナウイルス感染症のパンデミックをきっかけに、東京都の人口が転出超過に転じました。本市においても、昨年7月以降、東京都から平塚市への転入超過が続いており、昨年は30人の転入超過となりました。感染症との闘いは時代の大きな転機となると言われており、新しい人口動態に今後も着目していきます。
 また、民間企業による「本当に住みやすい街大賞2021」の1都3県でのシニアランキングにおいて、昨年に続き本市が3位に選出されました。
 このように、これまで時間を掛けてまいてきた種が、この厳しい世の中でもしっかりと芽を出してくれています。今後、しばらくはコロナ危機を乗り切るため、困難な課題に直面することになりますが、私が一貫して追い求めるものは、人や企業から「さらに、選ばれるまち・住み続けるまち」の実現であり、これまで大切に育んできた本市の魅力を、時代の流れを見極めながら転入・転出状況の変化につなげ、明るい流れとして、更に加速させることにあります。
 そのためには、市民の皆様の「いのち」と「くらし」、そして平塚の「まち」を守るため、「コロナに打ち勝つまち」を一日も早く実現し、市民の皆様が安心して暮らせる日常を取り戻します。そして、平塚市総合計画改訂基本計画を着実に進めるとともに、この度位置付けた様々なデジタル化施策を展開し、「全体最適」や「選択と集中」の視点を持って、持続可能な市政運営に尽力し、子や孫へたしかな平塚をつないでいきます。
 以上、令和3年度当初予算案及び令和2年度3月補正予算案、並びにこれに関する諸案件を提出するに当たり、その概要と当面する市政運営について所信の一端を御説明申し上げました。
 改めて、議員各位を始め、市民の皆様の更なる御支援と御協力をお願い申し上げ、令和3年度の施政方針及び当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 

このページに関連する情報

このページについてのお問い合わせ先

秘書課

〒254-8686 神奈川県平塚市浅間町9番1号 本館4階
ファクス番号:0463-21-9600

お問い合わせフォームへ 別ウィンドウで開く

このページについてのアンケート

このページの情報は役に立ちましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?