市長あいさつ

令和5年度

所信表明(令和5年第2回市議会定例会)

 令和5年6月定例会の開会に際し、選挙後初めての定例会でありますので、4期目の市政運営について所信を申し述べるとともに、令和5年度一般会計の補正予算案及びその他の案件につきまして、提案理由を御説明申し上げます。

 先般の選挙におきまして、市民の皆様の御信託をいただき、引き続き平塚市政の舵(かじ)取りをさせていただくことになりました。市民生活を守り、市政を進めていく責務の重さに、改めて身の引き締まる思いです。
 私は、3期12年にわたり、市民生活に最も近い基礎自治体の長として、市民の皆様に寄り添って歩んでいくことが全ての出発点と捉え、市政運営を進めてきました。このたび市民の皆様からいただいた、これまでの取組の継続とこれからのまちづくりへの期待の声に応え、先人たちが築き上げてきた平塚市の更なる発展に向け、全身全霊で取り組んでいく覚悟です。
 平塚市の人口は、平成27年から8年連続で転入超過となり、令和4年は過去 30年間で最多の1,676人を記録しました。企業の本社移転や研究棟新築なども進んでおり、市民意識調査では、住み続けたいという前向きな回答が約9割となりました。また、平塚駅周辺はここ数年、約2,000戸に及ぶマンションの建設ラッシュが続いており、ツインシティ大神地区には、新しい相模小学校が開校し、物流施設などに続いて、大型商業施設が開業しました。
 このように、これまで種をまいてきた数多くの施策が芽を出し、花を咲かせ、実を結び始めています。4期目の市政運営において、私に課せられた課題は多岐にわたりますが、次の4年間で最も重要なことは、その果実を市民の皆様の暮らしに還元するとともに、持続可能なまちづくりをしっかりと根付かせるため、新しい種をまき続けることです。そのためには、重点課題と捉えている子育て支援をはじめ、超高齢社会への対応、安心・安全なまちづくり、地域経済の活性化に加え、様々な分野において現在展開している施策を着実に進めるとともに、人や企業から「ずっと、選ばれるまち、住み続けるまち」を目指し、その先に向かって、施策を進化させていくことが必要です。
 人の交流や経済活動にコロナ危機以前のような活気が見え始める中、本年5月 8日には、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に移行されました。新型コロナウイルス感染症を特別視しない日常を取り戻すとともに、単にコロナ危機以前の状態に戻ることのないよう、時代の変化を的確に捉え、変えるべきものと変えてはいけないものを見極めながら、9年後に迎える市制施行100周年も見据え、スピード感をもって4期目の市政運営に臨んでいく所存です。

 それでは、私が今後4年間の市政運営に当たり、取り組むべき5つの大きな柱をお示しさせていただきます。

 まず、「子育て支援」です。持続可能なまちづくりを進めるためには、社会を支える若い世代が欠かせません。本市の確かな未来に向け、子どもへの投資を成長戦略と捉え、子育て支援を地域社会全体で取り組む最重要項目として位置付け、より安心して子育てできる魅力ある環境を整え、子育て支援に取り組む地域・自治体のトップランナーを維持し、その先を目指します。
 そのため、小児医療費の助成では、所得制限を設けることなく18歳まで拡大するとともに、産後パパ育休の拡大を働きかけ、もう1人子どもが欲しい家族を応援します。また、保育所等では、紙おむつの定額サービスの導入を支援し、保護者と保育士の負担を減らすほか、保育の質を向上させるため、保育士を更に手厚く配置できるよう民間保育所等への助成を拡大します。加えて、令和6年9月には中学校完全給食を開始し、新しい給食センターから小・中学生に温かい給食を届けます。

 2点目は、「福祉・暮らし」です。民間企業が実施した1都3県を対象とする「本当に住みやすい街大賞・シニア編」のランキングにおいて、本市は令和2年から2年連続3位に選出されました。暮らしを支える福祉を更に充実させ、誰もが暮らしやすい生活環境を整えることで、「福祉・暮らし」のその先を目指します。
 そのため、高齢・障がい・生活困窮など様々な要因が複合する相談にも対応・支援する仕組みを整えるとともに、高齢者の外出支援や居場所・多世代交流の場づくりのモデル事業を高村地区で開始します。また、ヤングケアラーや、子育てと介護を同時に行うダブルケアなどを含む地域生活課題を早期に発見し、適切な支援につなぐことができるよう地域福祉を充実させます。さらには、健康寿命を延ばすため、口腔フレイル予防など高齢者の健康増進・介護予防の取組を拡充するほか、可燃ごみの戸別収集を、収集時間帯やカラス対策にも配慮しながら拡大します。

 3点目は、「安心・安全」です。私が市長就任以来、災害協定数は約3倍に増え、駐輪場整備などにより自転車の盗難は大幅に減少し、刑法犯認知件数は約3分の1となりました。防犯の取組などによる日常生活の安心と、災害発生時の安全が確保できるまちづくりを更に進めることにより、「安心・安全」のその先を目指します。
 そのため、相模川・金目川水系で流域治水を進め、ハード・ソフトの洪水対策を強化します。また、首都直下地震や異常気象に備え、自治会等と連携した参加体験型訓練などにより地域防災力を向上させるとともに、避難所へのマンホールトイレの設置を加速するほか、乳児用液体ミルクや間仕切りテントなどの備蓄品を質・量ともに充実します。加えて、防犯カメラ設置の助成により、地域の防犯活動を支援するほか、市民病院では「断らない救急」を継続するとともに、手術支援ロボットや高機能CT・MRIなども活用した良質で高度な医療を提供し、市民の命と健康を守ります。

 4点目は、「産業・環境」です。スマート農業で担い手を支援するとともに、企業の脱炭素化を支援してきました。コロナ危機でも回し続けた本市経済のエンジンが、更に力強く回り続けるよう支援するとともに、新たな成長の鍵となる、デジタル化と脱炭素化に私が先頭に立ち、全力を挙げて取り組むことで、「産業・環境」のその先を目指します。
 そのため、デジタル技術を活用し、農業に加え、教育・保育・介護なども含めて、あらゆる産業のスマート化を推進するほか、キャッシュレス決済を広げ、市内でお金が回る仕組み作りを加速します。また、企業の本社機能移転や事業所の新設・増設を支援し、産業振興と雇用拡大を促進します。加えて、2050年までにゼロカーボンシティの実現を目指し、子育て支援施設や福祉施設などの脱炭素化を支援するとともに、EVバスの普及促進やごみ収集車へのEV車両導入などの取組を進めます。同時に、国の支援も視野に入れながら、環境共生都市や波力発電など本市がこれまで進めてきた意欲的な脱炭素施策を総合的に取りまとめ、環境施策と産業施策とを一体的に展開することで、社会的な要請である脱炭素化と地域経済を支える産業の両立を図ります。

 5点目は、「まちづくり」です。平塚駅周辺ではマンションの建設ラッシュが続くとともに、ツインシティ大神地区では、新しい相模小学校が開校し、物流施設などに続いて、大型商業施設が開業しました。本市の南の核である駅周辺と、北の核であるツインシティ大神地区、自然環境に恵まれた西部地域、この2核1地域を基本に進めているまちづくりのその先を目指します。
 そのため、駅周辺地区の将来構想を令和6年度に策定するとともに、実施可能な支援策は前倒しして進めます。また、誰もが海に親しめる、海辺の総合公園を龍城ケ丘に整備するほか、湘南ベルマーレが主体となった民間主導の専用スタジアム構想を支援します。さらには、神奈川大学湘南ひらつかキャンパス跡地の望ましい利活用が鍵となる土屋地区や農をテーマとした吉沢地区の活性化、ツインシティから広がる道路網に直結する城島地区の将来構想づくりに取り組みます。
 また、まちづくりのソフト面では、子どもたちをはじめ、市民の皆様が国内外の様々な都市の文化に触れ、交流を深めていくことができるよう、高山市・花巻市・伊豆市の国内3市はもとより、令和7年度に姉妹都市提携35周年を迎えるアメリカ合衆国カンザス州ローレンス市との友好を深めるとともに、新たに、先の東京 2020(にいぜろにいぜろ)オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に交流を深めているリトアニア共和国カウナス市との姉妹都市提携に取り組みます。
 こうした取組を着実に進めていくため、本年度は、今後の市政運営の基本となる指針を示した最上位計画として、次の市制施行100周年を展望する「(仮称)次期平塚市総合計画」と、地方創生の実現に向けた「地方版総合戦略」を一体的に策定します。

 以上、今後4年間の市政運営に当たり、私の抱負を述べさせていただきました。
 政策は多岐にわたっていますが、その根本にあるのは「持続可能なまちづくり」に対する私の思いです。私は平塚に生まれ育ち、愛すべき我がまちのために、様々な立場でまちづくりに関わってきました。素晴らしい特色を持ったそれぞれの地域社会を応援し、市民一人一人が愛着と誇りを持って、いつまでも幸せに暮らせるまちにする。このことこそ、長年の私の願いであり、市長として今の私に課せられた大きな使命でもあります。
 年頭に「紡(つむ)ぐ」という漢字を、市政運営に臨む今年のテーマに掲げました。ここには、一本一本の繊維から丁寧に糸を紡いでいくように、まちづくりでは、市民の皆様と力を合わせ、数々の行程を踏みながら、一つ一つ実績を積み重ねていかなければならないこと、政策の実行では、丈夫な糸を紡ぐために複数の糸をより合わせるのと同様、議員各位をはじめ、市民や企業の皆様との協働、そして関係機関などとの連携が不可欠であること、に思いを寄せています。
 「ずっと、選ばれるまち、住み続けるまち」を目指し、4期目の市長として、「全体最適」や「選択と集中」の視点でリーダーシップを発揮しながら、人とまちが生き生きと輝き続ける未来へ向けて、新たな歴史を紡いでいく所存です。どうか皆様の御指導とお力添えを賜りますよう、心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。
 

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