把手付き片口鍋他 真田・北金目遺跡群18A区(大久保遺跡)3号竪穴住居跡出土資料一括

  • 把手付き片口鍋他 真田・北金目遺跡群18A区(大久保遺跡)3号竪穴住居跡出土資料一括
とってつきかたくちなべほか さなだ・きたかなめいせきぐん18Aく(おおくぼいせき)3ごうたてあなじゅうきょあとしゅつどしりょういっかつ

平塚市指定重要文化財
所有者 平塚市(ひらつかし)
   〔平塚市教育委員会所蔵〕
指定  平成30年2月26日
内容  把手付き片口鍋、
    土師器、須恵器、
    灰釉陶器、鉄製品、
    銅銭ほか  計39点
 真田・北金目遺跡群は、平塚市の北西、JR平塚駅から直線で約7キロの、北金目台地上に位置する9遺跡からなる遺跡群である。この台地で、特定土地区画整理事業が実施されることから平成7(1995)年~平成25(2013)年にかけて大規模な発掘調査が実施され、縄文時代から近世に至る集落跡等が検出された。
 当該資料は、このうち調査対象地南西側、東海大学敷地に隣接した18A区の3号竪穴住居跡から出土したものである。なお、遺跡名としては、平塚市No.233・大久保遺跡にあたる。
 出土遺物は、土師器、須恵器、灰釉陶器、石製品、鉄製品(把手付き片口鍋等)、銭(長年大宝)がある。出土した土器から、これらの遺物は9世紀後半~10世紀前半頃の所産と考えられる。
このうち、把手付き片口鍋は竪穴住居跡の北東コーナー付近の覆土中から出土したもので、径20.5cm、深さ7.1cmほどで、長さ6cmの中空の柄を持ち、口縁部は片口をなす。
 把手付き片口鍋の類例は、多賀城、秋田城など、現在までのところ本例を含めて全国的に4例が知られるのみであるが、近年茨城県古河市川戸台遺跡から大量の鋳型が発掘され、鍋に対する検討がなされるようになった。出土例のうち2例が陸奥・出羽の城柵出土であることや大量鋳造から、把手付き片口鍋は、征夷事業に関わる「軍防令」に規定された軍団兵士の携行用の鍋として供給された可能性がある。また、住居跡から出土した遺物の時期との関係から、秋田城が焼き討ちされるなど古代史上、大規模な反乱となった元慶の乱(878~879年)に関連する遺物とする説も提示されている。
 以上のように、当該資料は、全国的にも貴重な遺物であるとともに、律令制のもとでの古代平塚と蝦夷遠征に関わる貴重な資料であると考えられる。

注意

当文化財は平塚市埋蔵文化財調査事務所(寺田縄43-1)に保管しています。錆・腐食進行防止のため、普段は公開しておりません。

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