ローレンス・とぴっくす

姉妹都市提携10周年（2000年）に平塚市がローレンス市へ石灯籠と13重の塔を寄贈し、桜が植樹され完成しました。 ダウンタウンの南端にあります。庭園はこじんまりとしていますが、「枯山水」の様式が取り入れられています。 この庭園はローレンス市姉妹都市諮問委員会のみなさまが資金の一部をオークションで集めました。

KU（カンザス大）はとてもスポーツの盛んな大学で、KUのスポーツチームは大学のマスコットにちなんでジェイホークスと呼ばれています。特に人気があるのがアメリカンフットボールとバスケットボールです。フットボールの試合が行われる土曜日にはスタジアム周辺は露店で溢れ、熱狂的なファンで大変な混雑です。フットボールチームは実力的には中位といったところですが、ファンはチームが勝っても負けても陽気に楽しんでいます。 一方、男子バスケチームは全米でも有数の強豪で、毎年必ず全米トップ10以内にランキングされています。人気はプロにも引けをとらないほどで、チケットは何日も前から並ばないと手に入りません。週に1～2回行われる試合の結果によって頻繁にランキングが変わります。KUバスケチームの宿命のライバルは隣の州のミズーリ大で、試合はいつもエキサイトします。普段でもKUグッズを身に付けてミズーリ大へ行くと周囲からブーイングが起こるほどです。実力的にはKUの方が断然上なのですが、なぜかミズーリ大にはあまり相性が良くないようです。この2校の試合がこれほど盛り上がる理由は、カンザス州が奴隷解放の拠点だったのに対し、ミズーリ州は奴隷制賛成の州だったという歴史的な背景によるものだそうです。

ダウンタウンには19世紀半ばから20世紀前半に建てられた古い建物が多く残っています。市ではこれらを保存するために歴史的建造物として認定し、建物の名前、建設者、建設時期、そして短い説明文付きのプレートをそれぞれの建物に取り付けています。ローレンスはかつて奴隷解放の拠点となったまちで、ローレンスという地名も奴隷解放運動の中心となって活躍した開拓者の名前からつけられたものです。市民はまちの歴史にとても誇りを持っていて、学校や商店の中にも「フリーステイト（自由の州）」という名前がつけられたものがたくさんあります。ちなみにまちで一番人気のある飲み屋も「フリーステイト醸造社」といい、まちを愛し、ビールを愛する市民の憩いの場となっています。

ローレンスは芸術のまちでもあります。ダウンタウンにはアートセンターがあります。市内や近郊には芸術家が多く住んでいて、ダウンタウンにも地元芸術家の作品を売っている店がいくつかあります。芸術家も自分達の作品を市のイメージアップや子どもたちの教育に役立てようという意識が強く、多くの作品を無料で公共機関や学校に寄付しています。ダウンタウンの主要な交差点には毎年コンテストによって選ばれた作品が飾られ、市民の目を楽しませています。コンテストには地元だけではなく、全米各地の芸術家からの応募があるそうです。審査するのはローレンス市芸術委員会という組織です。カンザス大学も大学の持ち物とは思えないような大変立派なコンサートホールや劇場を所有していて、それらの施設では毎日のようにクラシックコンサートや演劇が開催されています。そういえばローレンスにはどことなく優雅で上品な雰囲気が漂っているような気がします。芸術家が多く住んでいるからそういう雰囲気になるのでしょうか、それともそのような雰囲気に惹かれて芸術家たちが集まってくるのでしょうか。どちらにしても、恵まれた才能を社会に還元しようという芸術家、そしてそれを気持ちよく受け入れるローレンス市民に心の余裕を感じます。

　ローレンスは緑が多いまちです。ダウンタウンにある南公園はローレンスで最も古い公園です。市民がジョギングをしたり、パティオは夏に野外コンサートの舞台として使われます。噴水は「セオドア・ルーズベルト噴水」と呼ばれ、1910年にセオドア・ルーズベルト大統領により贈られました。昔は馬の水飲み場だったそうです

1855年創業。ダウンタウンにある最古のホテル。南北戦争の戦火に巻き込まれた歴史を持つ。現在の建物は1928年に完成。ゴーストが出ると噂があり、ホテルもゴーストを売りにしています。