ふれあい給食

 平塚市の小学校給食では、安心安全な食材として地場産野菜の使用を推進しており、その一環として平成18年度からふれあい給食を実施しております。
 この事業は、児童が生産者と一緒に給食を食べ、農水畜産物について、作り方や管理等の大変さ、大切さを教えていただき、地域への自然や文化、また、農業や漁業に関する理解及び感謝の気持ちを育むことを目的とし、実施するものです。
 事業実施に際し、関係機関(JA湘南、漁業協同組合、やまゆりポーク生産者協議会等)や生産者の皆様に御協力をいただいております。

ふれあい給食「平塚市の漁業について」

金田小学校の5年生を対象に地元で獲れる魚や漁業について理解を深めてもらうために、地元漁業関係者が平塚の漁業について講演と魚のさばき方実演を実施しました

  • 金田小学校に来校されたのは、平塚市漁業協同組合の船山さんと、川長三晃丸の漁師をしている山本さんと佐藤さんです。

 

  • 当日の献立:ごはん、牛乳、さばの南蛮漬け、ちゃんこ汁
給食の写真

平塚の漁業についての講演、魚のさばき方、ふれあい給食

  1. 平塚市の漁業について

    漁業協同組合の船山さんより、漁業についてのお話をする前に、船山さんから漁師さんへこんな質問をしました。

    問1(船山さん):漁師さんは、何時に起きて、何時に漁にでているのですか。
    答1(山本さん):夜中の11:30に起きて漁にいっているよ。みんなが寝ている時間におきて漁にでているんだ。漁にでるのは、夜中の1:30だよ。真っ暗な中、海に漁にでるんだ。

    問2(船山さん):児童のみなさん、なんで、こんなに早い時間に漁へでると思いますか。
    児童:光で魚を集める漁だから。
    児童:夜行性の魚だから。
    答2(山本さん):正解は、魚を出荷する関係で早い時間に漁に出ているんだ。魚を売るセリが朝6時に行われているから、夜に漁に出ないと間に合わないんだ。

    続いて、パネルを使いながら、平塚で行われている漁について説明がありました。

    定置網の漁の説明では、児童に網をしかけて魚を獲る定置網漁の網の大きさについて質問をし、児童の答えは100mでしたが、答えは、東西に300m南北に500mで、学校の敷地よりも大きい網で魚をとっているという説明をしていました。

    刺網漁の説明をする船山さんの写真

    次に、刺網漁についての説明です。刺網漁とは、魚が通る道に網を仕掛けて魚を獲る漁法で、冬だとヒラメやホウボウ、夏だとイセエビがとれること。この刺網漁で大変なのは、網の管理で、漁師さんは、海から帰ってくると、網にからまった、ごみや汚れをとったり、破れたところを修理して、大切に網を使っていること。魚をとるだけじゃなくて、網のメンテナンスをするのも漁師さんの仕事なんだよと話すと、児童はノートにメモをとっていました。

    しらす漁の説明をする船山さんの写真

    獲れる魚によって使う網も違い、白い細かい網は、シラス漁のときに使う網であること。漁獲されたしらすは、漁港で水揚げされたあと、すぐにお店に運ばれて、漁師さんの手で釜揚げにしたり、ちりめんにしたりして加工を行うこと。漁師さんは、魚を獲るだけじゃなくて、加工をしたり、あさつゆ広場で販売をしたりしていること話していました。※あさつゆ広場は、金田小学校に近いことから、児童から歓声があがりました。
     

     

  2. 魚のさばきかた


      山本さんと佐藤さんが、魚をさばきながら、解説をします。「うろこを落としたあと頭を落とします」と、話しながら頭を落とすと児童から、「キャー」「かわいそう」と声があがりました。漁師さんは、「みんなが食べている魚は、誰かがこの処理をしているから、美味しくたべれるんだよ」と説明したり、「魚も人間と同じように内臓があるよ」と内臓をみせたりしていました。さばかれていく魚を見ることが、初めての児童も多く、包丁さばきを見る目は真剣そのものでした。また、好奇心旺盛な児童たちは、漁師さんへたくさん質問をしていました。質問は下にまとめてあります。

     魚のさばき方を漁師さんが実演している写真

     

  3. ふれあい給食

     魚のさばき方の実演が終わると、それぞれの教室にもどり、漁業関係者と一緒に給食を食べました。ごちそうさまのあと、再度質問タイム。子どもたちの質問は絶えず、漁業への興味の高さを感じました。最後にお礼を言い、ふれあい給食が終了しました。


 

漁業について児童からの質問、漁業関係者からのメッセージ

  1. 児童からの質問


    質問1:まぐろってどうやってさばくの?

    答え1:基本的にさっき見せたさばき方と同じだよ。ただ、40~80キロもあるから、1mくらいの包丁を使ってさばくんだよ。

    質問2:平塚で獲れる一番高い魚は何?
    答え2:魚は一匹いくらじゃなくて、1キロで取引されるよ。1キロあたりの値段で考えると、真アジやヒラメは高い値段がつくよ。

    質問3:たこの吸盤は粘着力があるけど、さばくときどうしているの?
    答え3:そのまま茹でて、茹でた後、カットして売るよ。スーパーで売っているタコも吸盤がついたままだから、今度見てみてね。

    質問4:オスとメスってどうやってみわけるの?
    答え4:外からだとわからないんだ。メスが子供をもっているときは、人間と同じでお腹が大きくなっているから、メスだとわかるよ。

    質問5:メスだとわかってたら、魚を逃がしてあげるの?
    答え5:定置網だと、網の中で魚があばれたりするから、引き上げた時には、魚が弱っていて、海に帰しても死んでしまうから、そのまま全部を美味しく食べるようにするんだよ。だけど、クロマグロは、漁獲量が減ってきているから、メスのときに逃がしているよ。

    質問6:漁師さんは、いつ休むの?
    答え6:市場がお休みの水曜日と日曜日だよ。

    質問7:一日にどれくらいの魚がとれるの?
    答え7:今日は、200~300キロ獲れたよ。多いときは、10トン以上とれるんだ。10トンの魚の量ってこの教室じゃおさまらないくらいの魚の量だよ。

    質問8:船によって獲れる魚決まっているの。
    答え8:しらすはしらす漁の許可をとっているよ。定置網も定置網をする場所の許可をとっているよ。許可をとらずに漁をすると密漁になって逮捕されちゃうよ。(えー!と児童から驚きの声)

    質問9:サメがとれることもあるの?
    答え9:サメが定置網にかかるのは、よくあることで、決して珍しいことではないよ。ただ、人が泳ぐところにサメが泳いでいってしまうことは、今までなかったよね。


     
  2. 生産者からのメッセージ
  • 平塚産の魚をたくさん食べて欲しいな
  • 魚をたべるだけじゃなくて、漁に興味をもったり、漁師に興味をもってもらえたら嬉しいな。漁港にも遊びにきてね。

ふれあい給食「平塚市の農畜産業について」

5年生の各教室に、農畜産業を営む生産者さんが来校し、ふれあい給食をおこないました。

  • 当日の献立:ごはん、牛乳、かますのフライ、豚汁

当日の給食、ごはん、牛乳、かますのフライ、豚汁の写真

  • 山田栄養士より、「平塚産のお米・大根・里芋・長ネギが使用されています。地場産の野菜は鮮度がよく美味しいので、残さず食べてくださいね。」とお話しがありました。

給食の食材について説明する山田栄養士の写真
写真:献立について話す山田栄養士

5年1組、5年2組

  • 5年1組 キュウリやトマトを栽培している武藤さん

 もってきた写真やキュウリを見せながら、接ぎ木をして、見た目もよく鮮度が長持ちする野菜を作っていることや、なるべく農薬を使わないようなやり方で農業をしていることを、説明をしていました。
 苦労していることは、住宅街で野菜を作っており、缶等のゴミが畑に捨てられていることだそう。また、寒くなってくると、野菜のためにビニールテントを温かくしているので、夜、暖房がちゃんとついているか確認しに行くと、酔っぱらった人が迷い込んでいることがあり、びっくりするのだそう。

質問1:キュウリの根が弱いから接ぎ木をするの?
答え1:そうです。接ぎ木をすることで、強くなるし、見た目もよく鮮度が長持ちする野菜が作れます。
質問2:かぼちゃ以外でも接ぎ木をするの?
答え2:やったことはないけど、出来るかもしれないね。柿や葡萄を育てる時も、接ぎ木をして木を強くするよ。

キュウリの説明をする武藤さんの写真
写真:キュウリ作りについて話す武藤さん
 

  • 5年2組 お米を作っている井澤さん
  井澤さんが作っている、キヌヒカリは、神奈川県で一番生産量の多い品種です。お米作りで苦労していることは、お米を沢山食べる文化じゃなくなってきているから、お米の消費が減っていて、販売価格があがらないことだそう。児童に向けて、、平塚産のお米をたくさん食べてもらえると嬉しいと語っていました。

 問題:キヌヒカリを美味しく食べるには、どの水を使って炊くといいでしょうか?
(1)富士山の天然水 (2)平塚の井戸水 (3)水道水
 正解:(2)の平塚の天然水です。キヌヒカリが育った平塚の水で炊くと、一番おいしく食べれます。


米つくりについて話す井澤さんの写真
米つくりについて話す井澤さん

5年3組、5年4組

  • 5年3組 酪農業を営んでいる遠藤さん

 子牛は、50~70キロくらいですが、成長するとメスで500~700キロ、オスで900~1トンになると話すと児童からは、驚きの声があがりました。牛はとても体が大きく、エサもたくさん食べるので、エサをあげるだけでも大変なのだそう。毎日のエサやりや乳搾りで休みがなくて大変だけれど、牛の赤ちゃんが生まれたときは、とても幸せな気持ちになるよと話していました。
 牛の血液から乳が作られ牛乳になるため、牛にとって牛乳を作ることは大変なことです。そのため、牛が頑張って作っている牛乳が、なるべくおいしいものになるようエサを工夫していることや、一頭の牛からとれる牛乳の量は、豚汁が入っていたこの食缶で毎日朝3杯夕方3杯絞れることを説明していました。最後に、私たち酪農家が大切に作った牛乳を、たくさん飲んでねと話していました。

酪農業について話す遠藤さんの写真
写真:(左)JA湘南平塚支店 坂間さん(右)牛について語る遠藤さん
 

  • 5年4組 露地野菜を育てている吉野さん

 私の顔が真っ黒に焼けていることからわかるように、今年の夏はとてもあつかったですね。だけど、天気が良かったおかげで、美味しい野菜をたくさん作ることができました。曇りばかりの天気だと、野菜が光合成をできなくて、美味しい野菜を作ることはできないと野菜作りが天候に左右されることを説明していました。
 また、野菜は光合成をしているということを勉強していると思うけど、夜に畑にいくと野菜が呼吸しているのが、よくわかります。野菜は出荷してからも呼吸をつづけているから、出荷するときは、小さな穴が開いたビニール袋に入れて出荷していますと、身振り手振りを交えながら、美味しい野菜を食べる人に届ける工夫について話していました。
 
野菜作りについて話す吉野さんの写真
写真:身振り手振りを交えながら、野菜栽培について話す吉野さん

ふれあい給食「やまゆりポーク」

なでしこ小学校にやまゆりポークが寄贈されたことにともなって、6年生を対象にやまゆりポークについて理解を深める特別授業とふれあい給食が実施されました

  • やまゆりポーク生産者協議会、平塚市畜産会養豚部会から、なでしこ小学校に、市内の養豚農家で育てられた豚ロース肉26キログラムが寄贈され、学校給食として使用できることになりました。寄贈された豚肉は、やまゆりポーク生産者協議会の会員で平塚市岡崎の養豚農家、小泉英明さんが生産しました。
  • なでしこ小学校にはやまゆりポークの生産者及び、養豚関係者(神奈川県畜産技術センターほか)、やまゆりポーク生産者協議会 小泉さん、平塚市教育委員会 金子教育長ほかたくさんの方にお越しいただきました。
  • 献立:豚肉(やまゆりポーク)の香味焼き、ごはん、牛乳、おひたし、いももち汁

給食の写真

体育館での特別授業

体育館で、神奈川県畜産技術センターの方と、生産者の小泉さんによる特別授業が開講されました。
  • 神奈川県畜産技術センターの方は、クイズをしながら、神奈川の畜産についてわかりやすく解説をしていきます。
講義の様子の写真
Q,豚は一回のお産で何頭の子ブタを生むでしょうか?
(1)1頭 (2)10頭 (3)30頭
A、正解は、(2)10頭!一度に10頭の子ブタが生まれるので、大切に育てるのは、とても大変なのだそう。

また、やまゆりポークの名前の由来について、「白い脂身が神奈川県の花であるヤマユリの白い花を連想させるため”やまゆりポーク”と命名し、この名前が県内生産の証です」と話されていました。やまゆりポークの生産農家は9戸あり、うち4戸が平塚で畜産業を営んでいること、やまゆりポークの特徴は、白くてうまみのある脂身と風味豊かな味わいですと、特徴を説明していました。
  • 小泉さんが、豚が生まれてから、出荷されるまでを写真で説明をし終わると、待っていたとばかりに児童から沢山質問がありました。
講義をする小泉さんの写真
質問1:出荷するときの思いを教えてください
回答1:いい豚になって欲しい。おいしい豚になって欲しいと思って出荷するよ

質問2:豚を育てるなかで、一番大変だと感じることは何ですか
回答2:病気にかかってしまうことや、病気にかからないよう、おいしい豚になるよう一頭一頭に気を配ってあげなきゃいけないことかな

質問3:やまゆりポークのおいしい食べ方を教えてください。
回答3:私は、トンカツが好きなので、トンカツをおすすめします。ですが、みなさんの一番好きな料理に調理しておいしく食べてもらうのが、一番嬉しいです。

質問4:今の仕事をやっていて、よかったことは何ですか?
回答4:生き物を飼うのってとても大変なことなんだ。豚は小さいときに病気になりやすいから、病気にかからないように大事に育てるのはとても大変なんだよ。それに、同時に10頭も生まれ、その10頭を同じ分だけ目をかけてあげなきゃ駄目なので、すごく気をつかうよ。成長する過程でも病気にかかったりするから、気が抜けないんだ。嬉しかったことは、頑張って育てた豚が、農林水産大臣賞を受賞したことかな。あとは、みんなに美味しく食べてもらうことが、一番嬉しいんだよ。

ふれあい給食の様子

生産者の小泉さんや来賓のみなさまと一緒に給食をたべました。

  • 小泉さん

小泉さんが給食を食べている写真

 

  • 金子教育長

金子教育長が給食を食べている写真

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