七ノ域遺跡第13地点

調査概要

  • 七ノ域遺跡第13地点 調査位置
所在地  平塚市東真土一丁目381番
調査機関 有限会社 吾妻考古学研究所
調査面積 458m2
調査期間 令和4年4月12日~7月12日
発見遺構 溝状遺構、土坑、ピット
           (奈良・平安時代)
     土坑(近世以降)
出土遺物 縄文土器
     土師器、須恵器、灰釉陶器
           (奈良・平安時代)
     陶器(近世以降)

調査成果

 遺構としては、奈良・平安時代の溝状遺構59条、土坑20基、ピット62基、近世以降の土坑2基が発見されました。
 出土した遺物の量は整理箱1箱で、平安時代の土師器・須恵器・灰釉陶器が主な内容です。他に近世以降の土坑において少量の陶器片が出土しています。また、遺構外から1点のみですが、縄文時代中期に属する土器片も出土しました。
 以下に、各時代の概要を紹介します。
  • 調査区西側全景 (東から)
  • 調査区東側全景 (北から)
奈良・平安時代
  • 古代溝状遺構SD01の遺物出土状況
 溝状遺構59条、土坑20基、ピット62基が検出されました。溝状遺構の大半は幅20~50cm程度の小規模なものでしたが、調査区西端付近で検出されたSD01と、東端付近で検出されたSD38・39・40はやや規模が大きく、SD01は幅約120cm、SD40は幅約90cmでした。溝の方位はSD40がほぼ真北方向を指し、その西側に分布する小規模な溝はSD40とほぼ同一の方向を指すものと、直交する方向を指すものがありました。調査区東端のSD01のみ真北から西に約14°振れる方向に伸びていました。
近世以降
 土坑2基が検出されました。遺物としてはごく少量の陶器片が出土しましたが、性格は不明です。

まとめ

 七ノ域遺跡は、国府推定地の北西端部付近に位置する砂丘上の遺跡です。遺跡全体の広さは東西約300m、南北約250mで、今回調査された第13地点はその西端に位置します。過去に実施された調査では、多数の住居跡・掘立柱建物跡などが検出され、国府との関連を示唆する遺構・遺物も発見されています。今回の調査では住居跡など集落を構成する遺構は検出されず、多数の溝状遺構が発見されました。この様相から、遺跡の中心部からは外れた水利などに関係する領域であったものと考えられます。
(文責 横山太郎)

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