七ノ域遺跡第14地点
調査概要
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七ノ域遺跡第14地点 調査位置
所在地 平塚市東真土一丁目407番
調査機関 平塚市教育委員会
調査面積 約26m2
調査期間 令和4年10月11日~10月31日
発見遺構 溝状遺構、土坑、ピット
(奈良・平安時代)
溝状遺構、土坑(中世)
出土遺物 土師器、須恵器、灰釉陶器、瓦、
土製品、鉄製品(奈良・平安時代)
陶器(中世)
調査機関 平塚市教育委員会
調査面積 約26m2
調査期間 令和4年10月11日~10月31日
発見遺構 溝状遺構、土坑、ピット
(奈良・平安時代)
溝状遺構、土坑(中世)
出土遺物 土師器、須恵器、灰釉陶器、瓦、
土製品、鉄製品(奈良・平安時代)
陶器(中世)
調査成果
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調査区全景 (東から)
今回の調査では、奈良・平安時代の溝状遺構3条、土坑2基、ピット12基と、中世の溝状遺構2条、土坑4基を発見しました。
遺物は、奈良・平安時代の土器を中心に、整理箱7箱分が出土しました。以下、時代ごとに調査成果を紹介します。
遺物は、奈良・平安時代の土器を中心に、整理箱7箱分が出土しました。以下、時代ごとに調査成果を紹介します。
奈良・平安時代
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SD03 遺物出土状況
奈良・平安時代の調査では、溝状遺構3条、土坑2基、ピット12基を発見しました。調査区内で各遺構の分布に偏りは見られませんでした。
この中で最も遺物が出土したのは3号溝状遺構で、規模は幅約2.3m、深さ約1mと他遺構に比べて大型でした。溝は北西~南方向へ延び、調査区外にも延伸する様子が確認できました。遺物は、土師器の坏を中心として、須恵器や灰釉陶器等がまとまって出土したほか、調査区西壁付近では粘土や焼土を検出しました。溝最下層には褐鉄層と泥状の堆積土が認められたことから、水が堆積する状況にあったと考えられます。
このほかにも、本地点東側に接する七ノ域遺跡第3地点の調査時に発見された溝状遺構の続きが見つかりました。この結果、長さ約18mの東西方向の溝が存在することがわかりました。
この中で最も遺物が出土したのは3号溝状遺構で、規模は幅約2.3m、深さ約1mと他遺構に比べて大型でした。溝は北西~南方向へ延び、調査区外にも延伸する様子が確認できました。遺物は、土師器の坏を中心として、須恵器や灰釉陶器等がまとまって出土したほか、調査区西壁付近では粘土や焼土を検出しました。溝最下層には褐鉄層と泥状の堆積土が認められたことから、水が堆積する状況にあったと考えられます。
このほかにも、本地点東側に接する七ノ域遺跡第3地点の調査時に発見された溝状遺構の続きが見つかりました。この結果、長さ約18mの東西方向の溝が存在することがわかりました。
中世
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SD02 遺物出土状況
中世の調査では、溝状遺構2条、土坑4基を発見しました。調査区中央を南北方向に走る2条の溝状遺構は、どちらも調査区外に延伸していました。土坑と溝状遺構からは中世の陶器や土師器等が見つかりましたが、中世当時の役割は不明です。
まとめ
今回調査した場所は、七ノ域遺跡の南西隅に位置し、砂州・砂丘第3列上に立地します。砂州・砂丘第3・4列の東部に立地する遺跡では多数の竪穴住居址や掘立柱建物跡に加えて、緑釉陶器や銅印、鏡など一般的な集落では見られない資料が見つかることから相模国府域と考えられています。近年の調査では、砂州・砂丘第3列上に立地する六ノ域遺跡・坪ノ内遺跡・大会原遺跡から大型の掘立柱建物跡が発見されており、国府の中心施設である国庁に付随する脇殿に相当すると考えられています。
七ノ域遺跡は、遺跡範囲の南側では砂丘が高く、北端へ行くほど低くなります。周辺の調査と総合して考えると、砂丘の高い場所に竪穴住居址や掘立柱建物跡等を中心とする居住域が、低い場所に土坑や溝状遺構を中心とする生産域が広がることが分かっています。今回の調査地点は、七ノ域遺跡の南端に位置し、東西隣りの調査地点では住居址等が確認されていることから、居住域に立地することがわかります。今回発見した3号溝状遺構のように、遺物が集中して投棄される事例は市内遺跡の過去の調査で複数例確認されています。これらは、地震災害との関連が想定されていますが、詳しいことは分かっていません。今回見つかった資料が当時どのように使われたかは不明な点が多く、今後の調査・研究が待たれます。
七ノ域遺跡は、遺跡範囲の南側では砂丘が高く、北端へ行くほど低くなります。周辺の調査と総合して考えると、砂丘の高い場所に竪穴住居址や掘立柱建物跡等を中心とする居住域が、低い場所に土坑や溝状遺構を中心とする生産域が広がることが分かっています。今回の調査地点は、七ノ域遺跡の南端に位置し、東西隣りの調査地点では住居址等が確認されていることから、居住域に立地することがわかります。今回発見した3号溝状遺構のように、遺物が集中して投棄される事例は市内遺跡の過去の調査で複数例確認されています。これらは、地震災害との関連が想定されていますが、詳しいことは分かっていません。今回見つかった資料が当時どのように使われたかは不明な点が多く、今後の調査・研究が待たれます。
(文責 平塚市教育委員会社会教育課)
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社会教育課(文化財保護担当)
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