生活習慣病についての基礎知識

最終更新日 : 2025年7月22日

生活習慣病について

生活習慣病とは、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」や、日本人の死因の上位を占める「がん」「心臓病」「脳卒中」は、生活習慣病に含まれます。

日常生活の中で適度な運動やバランスの取れた食生活、禁煙を実践することで予防することができます。

血圧について

血圧とは

【基準値】
収縮期血圧(最高血圧):
129mmHg以下
拡張期血圧(最低血圧):84mmHg以下


血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押し出すときの圧力のことです。よく、血圧の"上"や"下"という言い方をしますが、上は心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧(最高血圧)」のことで、下は心臓が拡張したときの「拡張期血圧(最低血圧)」のことをいいます。

血圧は、心臓から押し出される血液の量(心拍出量)と、血管の太さ(正確には血管内径)・血管壁の弾力性によって決まります。血液の量が多ければ血管の壁には強い圧力がかかり、高血圧になります。また、末梢の血管がなにかしらの理由で収縮したり、または血管が硬く細くなると血圧が上がります。

高血圧とは

【保健指導判定値】
収縮期血圧(最高血圧):130mmHg以上
拡張期血圧(最低血圧):85mmHg以上

【受診勧奨値】
収縮期血圧(最高血圧):140mmHg以上
拡張期血圧(最低血圧):90mmHg以上


高血圧は、自覚症状がほとんどないため、気がつきにくい病気です。
そのため治療されずに放置されやすく、ある日突然命にかかわる病気を引き起こすことから「沈黙の殺し屋(サイレント・キラー)」とも呼ばれています。

日本高血圧学会のウェブページでは、高血圧についてわかりやすく解説しています。
高血圧の予防と治療にお役立てください。

高血圧の話(日本高血圧学会)(外部リンク)

平塚市の公式YouTubeでも【平塚市みんなの健診教室】と題して血圧について発信しています。

血圧編(1) あなたに身近な病気 高血圧とは (外部リンク)
血圧編(2) これで完璧!血圧測定 (外部リンク)
血圧編(3) 今日からできる簡単!高血圧対策 (外部リンク)

自覚症状がないため、高血圧であることを認識するのは難しいかもしれません。血圧の正しい測定方法を知って、ご自宅で自身の血圧を把握し記録する習慣を作ることで、高血圧に早く気がつくことに繋がります。

血圧の正しい測定方法(日本高血圧学会)(PDF142KB)

平塚市の現状

令和6年度平塚市こくほ特定健診の結果、収縮期血圧が130mmHg以上の方の割合は48.2%であり、神奈川県44.5%と比較して高い状況です。(国保データベースシステムより)

血糖値について

血糖値とは

【基準値】
血糖値(空腹時血糖又は随時血糖):99mg/dl以下
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)(NGSP値):5.5%以下

血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。食事中の炭水化物などが消化吸収され、ブドウ糖となり血液に入ります。このため、血糖値は健康な人でも食前と食後で変化しますが、一定の幅の中で変動するようにコントロールされる仕組みになっています。

糖尿病とは

からだの中で血糖値を下げるホルモンは「インスリン」の1種類しかありません。糖尿病とは、高血糖が続き、膵臓から分泌されるインスリンの分泌量が不足したり、十分に働くことができなくなることで、慢性的に血糖値が高くなる病気です。血糖の状態は、健康診断の「血糖値」と「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」で確認することができます。

【保健指導判定値】
血糖値:空腹時100mg/dl以上
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)(NGSP値):5.6%以上

【受診勧奨値】
血糖値:空腹時126mg/dl以上
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)(NGSP値):6.5%以上


糖尿病情報センターのウェブページ(外部ページ)では、糖尿病と血糖値について詳しい情報を見ることができます。

糖尿病合併症について

高血糖はほとんど自覚症状はありませんが長期間高いままで放置すると血管を傷つけ、網膜症や腎症、神経障害などの重い病気(糖尿病の合併症)につながります。糖尿病リスク予測ツール(国立国際医療研究センター)(外部リンク)では、健診結果を入力すると、3年以内に糖尿病を発症する確率を表示しています。

平塚市の現状

平塚市国民健康保険加入者における令和4年度の新規透析患者のうち糖尿病を合併していた割合は77%であり、神奈川県62%と比較して高い状態でした。令和5年度の新規透析患者のうち糖尿病を合併していた割合は45%、神奈川県63%であり、前年度と比較して減少していました。(神奈川県国民健康保険団体連合会データ分析支援事業より)

 

血中脂質について

血中脂質とは

【基準値】
HDLコレステロール:40mg/dl以上
LDLコレステロール:119mg/dl以下
空腹時中性脂肪:149mg/dl以下
随時中性脂肪:174mg/dl以下


血液中に含まれる脂質を血中脂質といい、主なものはコレステロールと中性脂肪です。
コレステロールは細胞膜を構成する成分であり、ホルモンや胆汁酸などの原料にもなっています。
また、中性脂肪は脂肪組織に蓄えられてエネルギー貯蔵庫としての役割や、皮下脂肪となって体温の保持、衝撃から体を守るクッションの役目を果たしています。
血中脂質の項目から、動脈硬化の指標や、体の栄養状態がわかります。
 

脂質異常症とは

【保健指導判定値】
HDLコレステロール:40mg/dl未満
LDLコレステロール:120mg/dl以上
空腹時中性脂肪:150mg/dl以上
随時中性脂肪:175mg/dl以上


【受診勧奨値】
LDLコレステロール:140mg/dl以上

空腹時中性脂肪:300mg/dl以上
随時中性脂肪:300mg/dl以上



血中の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。
脂質の異常には、LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪の血中濃度の異常があります。
血液がドロドロになり、血管内で固まって血管が細くなったり、血液の流れる部分が少なくなっていくことで動脈硬化を進行させます。

動脈硬化性疾患発症予測アプリ「これりすくん」(日本動脈硬化学会)(外部リンク)では、動脈硬化性疾患(心筋梗塞などの冠動脈疾患と、動脈硬化性の脳梗塞)に強い影響のある脂質異常症かどうかを知り、動脈硬化疾患の発症リスクを日本人のデータをもとに調べることができます。
 

健康を維持する5つのポイント

1.肥満解消

内臓脂肪は悪玉サイトカインを増加させ、生活習慣病を進行させます。健診結果の「BMI」は体肥満度を表す体格指数であり、​身長と体重から計算することができます。

【計算式】
BMI=体重÷身長(m)÷身長(m)

BMI18.5~25未満の方は「普通」、25以上の方は「肥満」に分類されます。肥満を解消することで、血圧低下や高血糖・脂質異常の改善が期待できます。「肥満」に該当した方は、3~6か月で現在の体重の3%減らすことを目標にしましょう!
例:身長170cm体重72kg BMI25 の方は3~6か月で体重2kgの減量を目指しましょう!

2.減塩

塩分を取りすぎると、血液中にナトリウムが増加します。からだはナトリウム濃度を一定に保つために、水で薄める働きをします。血管を流れる水(血液)が増えることで血圧が上昇し、血管への負担につながります。
日本人の食事摂取基準2020年度版で推奨される1日の塩分摂取量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
高血圧や糖尿病、慢性腎臓病の重症化予防には1日の塩分量は6g未満です。

【やってみよう!】
普段食べている食品や調味料に塩分がどれだけ含まれているか知ることが大切です。
健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~(厚生労働省)(外部リンク)では減塩を含むバランスの取れた適切な量と質の食事についてさらに詳しい情報を確認することができます。

3.野菜の摂取

野菜には食物繊維やビタミン、ミネラル(カリウムやカルシウム)などの栄養素が豊富に含まれています。野菜を多く摂取することで、心血管疾患や脳卒中などの循環器疾患の発症や死亡リスクが低下することがわかっています。野菜摂取不足では、ビタミンが不足することで糖質やたんぱく質などをうまくエネルギーに変換できず、疲れやすさや免疫力の低下が起こります。また、食物繊維やカリウムが不足することで生活習慣病のリスクが高まります。

【やってみよう!】
大人が1日にとりたい野菜摂取目標はいくつでしょうか。目標は350gです。
野菜摂取量の目安を表示(PDF555KB) 
1日で野菜料理を5皿分(1皿約70g)摂取できるように意識してみましょう。加熱調理を行うなど工夫することでかさが減り、食べやすくなります。

4.身体活動(生活活動・運動)

身体活動は大きく分けて2つにわけることができます。
生活活動:日常生活における家事や労働などに伴う活動
運動:計画的・定期的に実施する運動(スポーツ、フィットネスなど)

身体活動不足は、禁煙や高血圧に次いで非感染性疾患(生活習慣病等)に対する3番目の危険因子であると言われています。運動やからだを動かすことで、筋肉に沢山の酸素や栄養を運ぶために血管が拡がり、血圧を上げようと働く交感神経の緊張が緩和されることで血圧が下がります。また運動することで糖質や脂質をエネルギーとして消費することができます。また、毎日の生活の中で10分多く体を動かすことで、生活習慣病の発症リスクを低下させることがわかっています。

【やってみよう!】
あなたに合った強度や量で今より少しでも多くからだを動かしましょう!

〇成人版:アクティブガイド(外部リンク) 
〇高齢者版:アクティブガイド(外部リンク)
(厚生労働省,アクティブガイド‐健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)
 

5.節酒

適度のお酒は、人間関係を円滑にしたり、血行を促進したり、ストレスを発散したりする効果があります。一方で、長期にわたる過度の飲酒は、肝臓の機能を低下させ、生活習慣病の進行につながります。
1日当たりの純アルコール量は年齢や性別、体質によって個人差がありますが、目安は適量は男性20g、女性10gです。

純アルコール量の計算方法:飲酒量(ml)×アルコール濃度(度数÷100)×0.8(比重)
(おおよその目安量:ビール350ml(1缶)15g程度、日本酒1合(180ml)20g程度)

【やってみよう!】
アルコールウォッチ(厚生労働省)(外部リンク)で、よく飲むお酒の純アルコール量を計算してみましょう。
(厚生労働省ホームページ)


 

 

 

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