生活習慣病についての基礎知識

最終更新日 : 2023年11月20日

生活習慣病とは

生活習慣病とは、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」や、日本人の死因の上位を占める「がん」「心臓病」「脳卒中」は、生活習慣病に含まれます。

日常生活の中で運動や食生活の見直し、禁煙を実践することによって生活習慣病は予防することができます。

高血圧について

血圧とは

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押し出すときの圧力のことです。よく、血圧の"上"や"下"という言い方をしますが、上は心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧(最高血圧)」のことで、下は心臓が拡張したときの「拡張期血圧(最低血圧)」のことをいいます。

血圧は、心臓から押し出される血液の量(心拍出量)と、血管の太さ(正確には血管内径)・血管壁の弾力性によって決まります。血液の量が多ければ血管の壁には強い圧力がかかり、高血圧になります。また、末梢の血管がなにかしらの理由で収縮したり、または血管が硬く細くなると血圧が上がります。

高血圧とは

収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上の時、高血圧と診断されます。

高血圧は、自覚症状がほとんどないため、気がつきにくい病気です。
そのため治療されずに放置されやすく、ある日突然命にかかわる病気を引き起こすことから「沈黙の殺し屋(サイレント・キラー)」とも呼ばれています。

日本高血圧学会のウェブページでは、高血圧についてわかりやすく解説しています。
高血圧の予防と治療にお役立てください。

高血圧の話(日本高血圧学会)(外部リンク)

自覚症状がないため、高血圧であることを認識するのは難しいかもしれませんが、血圧の正しい測定方法を知って、ご自宅で自身の血圧を把握し記録する習慣を作ることで、高血圧に早く気がつくことに繋がります。

血圧の正しい測定方法(日本高血圧学会)(PDF142KB)

平塚市の現状

平塚市では、脳卒中による死因割合が7.2%と、神奈川県(6.9%)と比べて高い状況です。(令和4年度国保データベースシステム分析結果より)

糖尿病について

血糖値とは

血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。食事中の炭水化物などが消化吸収されブドウ糖となり血液に入ります。このため血糖値は健康な人でも食前と食後で変化しますが、一定の幅の中で変動するようにコントロールされる仕組みになっています。

糖尿病とは

からだの中で血糖値を下げるホルモンは「インスリン」の1種類しかありません。糖尿病とは、高血糖が続き、膵臓から分泌されるインスリンの分泌量が不足したり、十分に働くことができなくなることで、慢性的に血糖値が高くなる病気です。血糖の状態は、健康診断の「血糖値」と「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」で確認することができます。

[血糖値](mg/dl)
保健指導判定値:100以上
受診勧奨値:126m以上

[ヘモグロビンA1c(HbA1c)](%)
保健指導判定値:5.6以上
受診勧奨値:6.5以上

糖尿病情報センターのウェブページ(外部ページ)では、糖尿病と血糖値について詳しい情報を見ることができます。

糖尿病合併症について

高血糖はほとんど自覚症状はありませんが長期間高いままで放置すると血管を傷つけ、網膜症や腎症、神経障害などの重い病気(糖尿病の合併症)につながります。糖尿病リスク予測ツール(国立国際医療研究センター)(外部リンク)では、健診結果を入力すると、3年以内に糖尿病を発症する確率を表示しています。

平塚市の現状

平塚市国民健康保険加入者における令和4年度の新規透析患者のうち糖尿病を合併していた割合は77%、神奈川県(62%)と比べて高い状態です。(令和4年度 神奈川県国民健康保険団体連合会データ分析支援事業より)

脂質異常症について

血中脂質とは

血液中に含まれる脂質を血中脂質といい、主なものはコレステロールと中性脂肪です。
コレステロールは細胞膜を構成する成分であり、ホルモンや胆汁酸などの原料にもなっています。
また、中性脂肪は脂肪組織に蓄えられてエネルギー貯蔵庫としての役割や、皮下脂肪となって体温の保持、衝撃から体を守るクッションの役目を果たしています。
血中脂質の項目から、動脈硬化の指標や、体の栄養状態がわかります。
 

脂質異常症

血中の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。
脂質の異常には、LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪の血中濃度の異常があります。
血液がドロドロになり、血管内で固まって血管が細くなったり、血液の流れる部分が少なくなっていくことで動脈硬化を進行させます。

動脈硬化性疾患発症予測アプリ「これりすくん」(日本動脈硬化学会)(外部リンク)では、動脈硬化性疾患(心筋梗塞などの冠動脈疾患と、動脈硬化性の脳梗塞)に強い影響のある脂質異常症かどうかを知り、動脈硬化疾患の発症リスクを日本人のデータをもとに調べることができます。
 

健康を維持する5つのポイント

1.減塩
普段食べている食品や調味料に塩分がどれだけ含まれているか知りましょう。
日本人の食事摂取基準2020年度版では、推奨される1日の塩分量は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。
高血圧や糖尿病、慢性腎臓病の重症化予防には1日の塩分量は6g未満です。

2.肥満解消
健診結果の「BMI」は体格を示す指標であり、​身長と体重から計算することができます。
BMI計算:体重÷身長(m)×身長(m)=BMI

BMI25以上の方は「肥満」と分類されます。肥満を解消することで、血圧低下や高血糖・脂質異常の改善が期待できます。
3~6か月で現在の体重の3%を減らしてみましょう。
例:身長170cm体重72kg BMI25 3~6か月で体重2kg減量を目指しましょう!


3.節酒
1日当たりの適量は、純アルコール量換算で男性20g、女性10gが目安です。
アルコール摂取量計算:飲酒量(ml)×アルコール濃度(度数÷100)×0.8(比重)
おおよその目安量:ビール350ml(1缶)15g程度、日本酒1合(180ml)20g程度

アルコールを毎日飲んでいる方は、週に一度は休肝日を設けましょう。
ノンアルコール飲料に置き換えるのも効果的です。

4.適度な運動/からだを動かす
運動やからだを動かすと、筋肉に沢山の酸素や栄養を運ぶために血管が拡がり、血圧を上げようと働く交感神経の緊張が緩和されることで血圧が下がります。また運動することで糖質や脂質をエネルギーとして消費することができます。
また、毎日の生活の中で10分多く体を動かすことで、生活習慣病の発症リスクを低下させることがわかっています。

5.野菜と果物の摂取
野菜は1日350g(小皿5皿分程度)が目安です。
野菜や果物に含まれるカリウムは、ナトリウム(塩分)の排泄を促します。
食事の際に、最初に野菜を食べることで食物繊維の働きにより、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。また、野菜を多く食べることで必要以上の脂質の摂取を防ぎます。

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