6月定例市長記者会見 市制90周年記念「工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな」を開催

令和4年6月29日

市制90周年記念「工藤麻紀子展
花が咲いて存在に気が付くみたいな」を開催
平塚市側の説明

落合克宏市長:
 平塚市美術館では、市制90周年記念の企画展「工藤麻紀子(くどうまきこ)展 花が咲いて存在に気が付くみたいな」を7月9日・土曜日から9月11日・日曜日まで56日間開催いたします。
 工藤麻紀子さんは昭和53年(1978年)青森県に生まれ、平成14年(2002年)に女子美術大学を卒業。平成26年(2014年)から5年間平塚市内にアトリエをかまえたこともあり、現在まで個展を中心に活動してきました。その間、現代の絵画表現を紹介する展覧会でも継続的に取り上げられ、国際的な評価も高い画家です。
 本展は国内美術館における初の個展となり、新作を含む約120点により現在までの活動を紹介します。
 その作風は、日常の生活を題材にした心象風景を描き、鮮やかな色彩とポップなイメージを特徴としています。身近な出来事に対する思いを作品に投影させる描き方は初期から一貫したもので、画面には普段の生活で見聞きしたもの、住む土地や記憶が一体となって、夢の中のような混沌とした風景が広がっています。このような作品を実際にじっくりと見れば、現代の絵画表現に馴染みのない人にとっても、イメージの中に身をゆだねる楽しさや発見をともなう体験となることでしょう。
 展覧会をさらにお楽しみいただくため、開催中にアーティストトークと鑑賞会も実施します。この展覧会は夏休み期間に開催いたしますので、お子さまから大人の方まで幅広い層の皆様のご来館をお待ちしております。
 展覧会の詳細については、お配りした資料をご覧ください。なお、7月8日午後2時より記者内覧会を実施いたしますので、ぜひお越しください。

草薙特別館長:
 以前は夏休みはお子さま方を中心に、大人が考える「子どもはこういうのがいいのではないか」としていましたが、よくよく調べると、子どもが好きと思うもの以外の関心もあるので、今では子どもを意識しないでやっています。工藤麻紀子は非常に評価が高くなっていますが、横山大観、小林古径と比べると、非常になじみのある作品を描く作家なのでそれなりの評価がいただけるのではないかと思っています。

江口学芸員:
 工藤麻紀子は平塚にゆかりのある人なので、平塚のみなさんにも知ってほしいと思います。

質疑内容の要旨

Q記者:評価が急激に上がっているということだが、具体的にどういうふうに上がっているのか。
A江口学芸員:アメリカ、イギリスなどの海外のギャラリーで取り上げられたことや、いくつかの美術館で作品が収蔵されていることにより評価が上がっているといえるかと思います。
A草薙特別館長:村上隆という非常に有名な画家に評価されていることから私たちもこの作家の氏名を知ったというところもあります。

Q記者:市制90周年記念とあるが、この人を選んだという理由はあるか。
A草薙特別館長:90周年だから90歳、あるいはそれ以上長生きしている画家や彫刻家がいるわけではないので、特別には考慮していません。しかし90周年というからにはそれなりの評価を得られるような作家の展覧会をしたいということで工藤麻紀子を選びました。

Q記者:平塚とゆかりのある方と聞いたが、5年間平塚にいたということは住んでいたのか。なぜ平塚に来て、今はいないのか。
A江口学芸員:こういう作品を描く方なので、自然があるところの家を探していて、(会見のバックボードを指しながら)このように大きな作品を作るスペースなどの兼ね合いで選んだ結果、平塚に制作のしやすい場所を見つけたということです。
A市長:2014年から5年間、根坂間にアトリエを構えて創作活動を行っていました。

Q記者:身の回りの自然をモチーフにしているということでこの作品を描いていると思うが、今回展示される作品は平塚で描いて身の回りの風景を描いたと思われる作品があるのか。平塚のどこをどんなように描いているのか。
A江口学芸員:その点は作品をご覧いただきたいと思っています。
A草薙特別館長:今回のように大きな展覧会を行うことを彼女はとても喜んでおりまして、特に平塚のどこを描いたということではないですが、平塚で彼女が生活していたというのが作品に大きく影響を与えているのではないかなと思います。見ていて楽しい感じがする。彼女が平塚にいたときの精神的なものが楽しかったからじゃないかと思います。

Q記者:工藤さんと平塚との関係性がよく分かる形で教えてほしい。
A草薙特別館長:今大船に住んでおり、近辺で制作されているので、いろんな意味で平塚との関係を深めることができると思っています。

Q記者:作品展の展示数は。
A江口学芸員:120くらいを予定しています。これから展示作業をするので正確な数字は申し上げられません。

Q記者:全て平面作品か。立体作品はあるのか。
A江口学芸員:立体作品もあります。

Q記者:どのようなものか。
A江口学芸員:絵の中の世界を木彫にしています。

Q記者:それも本人が手掛けた作品なのか。
A江口学芸員:そうです。

Q記者:お子さんにも見てほしいということだが。
A草薙特別館長:作品を見る限り子どもも喜ぶのではないかと思っています。大人と子どもの差がなく、子どもが喜ぶものは大人も喜ぶと思います。子ども向けのもの、大人向けのものとはっきり分かれるような時代ではなくなってきていると思います。

Q記者:コロナで夏休みも外に出られなかった子どもがたくさんいたと思うが、こういった体験をしてもらえるというのは、市長としてどう思うか。
A市長:今までも夏の企画展で、子どもたちに親しんでもらうために取り組んできましたが、コロナの影響で2年くらいは来てもらえる状況ではありませんでした。コロナが落ち着きつつある中で、これを見て感じてもらえることがたくさんあると思うので、お子さんにも来ていただければ、この企画展を開催した意義があるのでお越しいただければと思います。

Q記者:工藤さんの作品は市長の好みなのか。
A市長:平塚を連想させるものがあるので、親しみが持てる良い作品だと思います。

その他の質問

Q記者:先週水難事故があって梅雨も明けて来月から本格的に海水浴場が開設するが、それに向けてどう取り組んでいるのか。
A市長:今年は何年かぶりで海水浴場を開設しますが、最初の式典は人が集まるので大きくやりませんが、しっかりと安全対策を施した上で、ライフセーバーの配置等も含めて安全対策はしっかりと行う中で海水浴場を開設したいと思っておりますし、海水浴場の利用につきましてもコロナ対策をしっかりと施した上で取り組んでいきたいと思っています。
今ご指摘がありましたように残念ながらあのような事故がありましたので、もう一度、消防も含めて海上保安庁、警察等との連携も深めながら、安全対策をしっかりと周知徹底するように取り組んでいきたいと思っておりまして、指示は出しています。



 
定例市長記者会見における質疑内容を広報課広報担当でとりまとめて掲載しています。

記者発表資料

平塚市
担当 美術館 学芸担当 江口
電話 0463-35-2111
 

「市制90周年記念 工藤麻紀子展 
花が咲いて存在に気が付くみたいな」を開催

 平塚市美術館では、企画展「市制90周年記念 工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな」を、7月9日~9月11日に開催します。
 工藤麻紀子(昭和53・1978~)は、青森県に生まれ、平成14年(2002年)に女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻を卒業。平成26(2014年)年から5年間平塚市内にアトリエをかまえ、現在まで個展を中心に活動しています。現代の絵画表現を紹介するグループ展でも継続的に取り上げられるなど、日本のアートシーンを語るうえで欠かせない画家のひとりに数えられます。
 本展は国内美術館における工藤の初個展となり、新作とインスタレーション作品を含む約120点により現在までの活動を紹介します。
 工藤は色面による構成と装飾的な表現により、日常の生活を題材にした心象風景を描き続けています。デビュー当初は鮮やかな色彩とポップなイメージを強調した作風で脚光を浴びました。視点を混在させた構図やコラージュのようなモチーフの配置など、画面の構成力には卓越した技術があり、マティスやボナールに通じる色彩と装飾性を兼ね備えた作品は国際的にも高く評価されています。
 身近な出来事に対する思いを作品に投影させる描き方は初期から一貫したものです。その画面には普段の生活で見聞きしたもの、住む土地や記憶が一体となって、夢の中のような混沌(こんとん)とした風景が広がっています。それと同時に、作品を見る人にとって、記憶にある風景や出来事を呼び覚ます、親密さとストーリー性も有しています。
 このような作品を実際にじっくりと見れば、現代の絵画表現になじみのない人にとっても、イメージの中に身をゆだねる楽しさや発見をともなう体験となることでしょう。
 

工藤麻紀子展 花が咲いて存在に気が付くみたいな

会期 

令和4年7月9日(土曜日)~9月11日(日曜日) 56日間

開館時間 

午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)

休館日   

月曜日 ただし7月18日(月・祝)は開館、19日(火曜日)休館

主催   

平塚市美術館

協賛   

神奈川中央交通株式会社

特別協力 

小山登美夫ギャラリー

会場     

平塚市美術館
〒254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
電話 0463-35-2111 ファクス 0463-35-2741
平塚市美術館ウェブサイト
JR東京駅から東海道線、または新宿駅から湘南新宿ライン(直通)で約1時間。
JR平塚駅より徒歩20分。または平塚駅東改札口(北口)より、神奈川中央交通バス4番乗り場乗車
「美術館入口」または「コンフォール平塚前」下車。有料駐車場67台(1時間無料・要認証)。
 

観覧料   

一般800円、高大生500円、小中学生無料
・毎週土曜日は高校生無料
・各種障がい者手帳の交付を受けた方と付き添い1人は無料
・65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住の方は2割引き
・本展覧会の観覧券で「気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション展」もご覧いただけます
 

関連事業

※関連事業は内容変更、延期または中止となる場合があります。


アーティストトーク

日時 7月23日(土曜日) 午後4時30分~5時
※事前申し込み(定員30人)、要観覧券
 

鑑賞会「夏のおしゃべり美術館」

日時 8月23日(火曜日)~26日(金曜日) 各日午前11時~正午
内容 対話による美術鑑賞ボランティア「ひらビあーつま~れ」のメンバーによる鑑賞会
※申し込み不要、要観覧券
 

同時開催

令和4年度特集展
「気になる!大好き!これなぁに?こどもたちのセレクション展」
令和4年7月2日(土曜日)~9月19日(月・祝)