7月定例市長記者会見 国産初の手術支援ロボットを県内初導入

令和4年7月27日

国産初の手術支援ロボットを県内初導入
平塚市側の説明

落合克宏市長:
 平塚市民病院では、国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を神奈川県内の医療機関として初めて導入します。
 ロボットはすでに市民病院に納品済みで、現在、担当する医師、スタッフによるトレーニングを行っており、最初の手術は10月中旬を予定しています。
 これまで、ロボット支援手術の対象となる泌尿器科系疾患の手術は、全てロボットのある市外の医療機関へ紹介していました。今後は平塚市内で治療を完結することができます。
 また、県内の相模川以西で稼働している手術支援ロボットは、東海大学医学部附属病院の1台だけです。市民病院への導入により、地域完結型医療の推進と市民サービスの向上につながると考えています。
 私からの説明は以上です。
 続いて、石原淳病院事業管理者から詳しい説明をいたします。

病院事業管理者:
 平塚市病院事業管理者の石原です。私からは、ロボットの概要及び手術について説明させていただきます。
 hinotoriを使用した手術は、医師が離れたコックピットから体内の3D画像を確認し、医師の手の動きを再現する4本のアームを遠隔操作して行います。
 従来の開腹手術と比べて、精密な操作が可能になる上に、傷口が小さいため、手術痕は目立たず、出血量も少なく、術後の痛みも軽くなるなど、結果的に社会復帰が早いなど患者さんの負担が軽減されます。
 機器の構成としては、医師がロボットを操作するための「サージョンコックピット」、4本のアームで手術を行う「オペレーションユニット」、術野の映像をスタッフ間で共有するための「ビジョンユニット」で構成されており、現時点で手術が可能な疾患としては、前立腺、腎臓、膀胱のがんなどです。今後は、婦人科および外科疾患への拡大も予定しています。
 私からの説明は以上です。

経営企画課長:
 私からは画像を使いまして、説明させていただきます。本来ならば、皆さま方を病院にお招きしてhinotori実機をお見せするところですが、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により本日は画像の説明にさせていただきたいと思います。当院に納入されたロボットですが、(画像1を指さして)これがhinotoriでございます。左手前にあるものが、オペレーションユニットといいまして、上から手が4本出ているような形ですが、この手が8軸、要は四つの関節が、回転するような形で動き、その先にメスやカメラ、鉗子(かんし)等を付けて、おなかの中に入れていくというものです。右側がビジョンユニットとなります。次の画像(画像2)は手術をしている映像ですが、左奥にいるのが、操作している医者になります。こちらが、操作しますと、オペレーションユニットの腕が動きだして、患者に見立てたおなかの中の模型を使っていますが、(おなかに指さして)おなかを見ながら手術を行うというような仕組みになっております。
 本日はトレーニングの動画を用意しましたので短めにお話させていただきます。
 (動画を見ながら)左側が執刀医で、手をこれから動かしますけども、つまみのようなものを指を入れて動かします。すると、右側にあるロボットの腕が動いているのが見えると思います。あれが動き出して手術を行うというようなものです。
 (画像を見ながら)次の画像がおなかの中をイメージした画像です。執刀医が手を動かすとおなかの中が右下にある術野と書いてあるところですが、今2本になっていますが、本来はカメラともう1本の3本、手が入る形になりますけども、それを動かしながら、1センチ程度の輪を針金に入れる操作、練習をしているわけですが、実際は、骨盤腔(こつばんくう)というおなかの下の方の手術を得意とするものです。おなかの下には大腸やぼうこう、そういった臓器が固まって入っているわけですが、1本の鉗子(かんし)で避けたりつまんだりしながら、メスで切っていくというようなことをロボットが得意とするところです。手が曲がったり回ったりするので、人の手の動きを再現するのに、従来の腹腔(ふくくう)鏡の手術よりも優秀であるという評価があるので、そういう手術を行う器械を導入しております。
 

質疑内容の要旨

Q記者:いつ頃から導入の検討をしているのか。どういった現場からの要望から、ロボットの導入にいたったのか。
A病院事業管理者: もともと、手術支援ロボットというものの国内の状況は、平成10年くらいに日本に導入されまして、ダヴィンチはご存じだと思いますが、国内で400台以上稼働しています。国産についても、その後整備をされてきており、hinotoriについては平成27年から開発に取り掛かって令和2年に完成したことということでございます。前任が、横浜市立市民病院にいましたが、その時にもできたら国産の器械も競合する形で検討できないかと思っていましたが、その時には完成しておりませんでしたので、ダヴィンチを導入したという経緯がございます。その後こちらに来まして、タイミング的にhinotoriが泌尿器科だけですが、保険収載(適用)されて、実用化できてきたタイミングになりました。ダヴィンチに比べて、国産機の方が、費用がかからないことがございますし、かなりコンパクトにできているので、手術室の様子を見させていただいて、hinotoriの方が適しているのかな、と。当院の泌尿器科のドクターは、藤田医科大学との連携が以前からできています。慶応の先生とも非常に連携が取れていまして、国産機を使ったシミュレーションや、いろいろな蓄積したノウハウなど、周囲の環境が整ってきたことにより、院内で検討した結果、ドクターからhinotoriでやりたいということがありました。ですから、コストだけで選んだというわけではございません。技術的には慣れてくれば、ダヴィンチでもhinotoriでもどちらも使い勝手に関しては遜色がないものと聞いております。藤田(医科大学)にも見学に行きましたが、ダヴィンチもhinotoriも両方ありますが、そちらのドクターに聞いても遜色ないと言っていました。そういったことでhinotoriを導入しました。
 
Q記者:費用がかからないということだが、ダヴィンチと比べると具体的な金額としてはどれくらい変わるのか。医師の負担軽減などのメリットはあるのか。
A病院事業管理者:費用は同じようなものでそろえると、例えばシングルコンソール(操作席1台)で比較すると、ダヴィンチに比べて60%を切るくらいの価格になっているかと思います。当院だけではなく、情報収集で大体そのような感じかと思います。価格が安いということは、経営的にいうと、年間どれくらいの症例が見込めるのか、当院では大学病院と違うので、まずトレーニングをして、できる科を増やしていく。そもそもhinotoriを導入したのは、まず泌尿器科から導入して保険収載される疾患があればほかの科にも少しずつ拡大していく、そのスピード感からいいますと、hinotoriの方が、(当院の)ぺースにあっているということで検討したということです。同じもので元を取ろうとすると、年間の件数でいうとダヴィンチだと100件以上、200件やらなければいけないものが、hinotoriだと50件、60件という差が出てくるため、うちのペースではhinotoriの方があっているというふうに思います。
A経営企画課長:医師の負担軽減につきましては、従来このような手術は腹腔鏡といいまして30センチ程度の長い鉗子やメスを使って手術をするのですが、先ほどご覧いただいた通り3本の手をおなかの中に入れて、八つの軸で手が曲がるという手術になるので、操作性がかなり上がるというところと、骨盤腔の中には内臓が詰まっているので、それを避けたり、3Dのカメラで見たりするなど、直接のぞくという機能がついているところでは、各段に操作性が上がるということで安全な手術に取り組めるというメリットがあると聞いております。
A病院事業管理者:もともと、開胸や開腹手術、いわゆる切って手術をするということは、泌尿器科の疾患については既にほとんどが内視鏡手術となっています。ロボットの支援下手術というのはロボット支援下で内視鏡手術をおこなうということであって、日本は内視鏡手術に関しては進んでいたところがあります。今までは直線的なもので人が手を動かしてやらなければいけませんが、ロボット手術の場合は関節がありますので、その点が自由にできるということで、ロボットが何かを自動でやってくれるということではないので、そういう意味での負担軽減は無いです。ですけども、今までの内視鏡は2Dの画像だったものが、今はハイビジョンの3D画像になりますし、非常にきれいな画像で手ブレもなくいろいろなことができるという意味で、トータルでの負担軽減にはなり、手術時間も短くなると期待しています。
 
Q記者:先ほどダヴィンチと比べて6割を切る価格とのことだが、ダヴィンチの価格の40%減がhinotoriということでよいか。
A病院事業管理者:(ダヴィンチの)6割弱の価格です。

Q記者:先ほどの説明の中で、市内で治療を完結することができることに意義があるといったが、もともとそれは課題だと認識していたのか。また、それが解決される方法が確立できたということは市民にとってどういった意義があると思うか。
A市長:例えば泌尿器科系の手術については、この手術支援ロボットがないために市民がそういう病気であったとしてもロボットがあるところへ紹介をしていたということですので、これが入ることによって市民の健康、安全については、この平塚市内でしっかりと担保というか安全対策ができるということです。もともとそういう報告は受けていましたので、今回、この手術支援ロボットを入れるということは、このエリアの安全、医療について大きく貢献ができると思っております。

Q記者:例えば近隣の市町から平塚市民病院を紹介してもらえるということか。
A市長:相模川以西では東海大学医学部付属の病院がありますが、そこだけに負担がかかるだけではなく、広く相模川以西については市民病院を選んでいただけて手術ができる体制が市民病院でできたということですので、平塚市民病院でしっかりと医療体制を整えて対策ができるということは発信していきたいと思っています。

Q記者:外国産のロボット(ダヴィンチ)の神奈川県内の導入状況は。
A経営企画課長:ホームページで確認できた部分ですが、県内で25施設です。

Q記者:相模川以西で導入されたのは。
A経営企画課長:東海大学医学部だけです。あとは全部相模川以東です。

Q記者:hinotoriは全国でどのくらい導入されているか。
A経営企画課長:3月末の時点で稼働が18台です。

Q記者:まずは泌尿器科からということになると思うが、例えばダヴィンチだと他の部分で手術できるのか。ダヴィンチも泌尿器科に特化したものなのか。
A病院事業管理者:ダヴィンチも泌尿器科から始まりました。その後、保険でできる疾患が増えてきています。基本的にはがんが主ですが、肺がんや胃がん、婦人科の疾患・がんと広がっております。ダヴィンチはアメリカでできたものですが、アメリカでは産婦人科の適応のほうが多いです。日本では泌尿器科から始まって、今年の4月の保険収載では耳鼻咽喉科の咽頭がんなども適用になります。

Q記者:平塚の市民病院という立場で、こういった手術支援ロボット、いずれにせよ高額なものを取り入れるにあたって、まずは泌尿器科だけしかできない器械を入れようと思った理由は、これが入ればどれだけの手術ができそうなのかとか、そういった部分を含めて、今後いろんなところに広がっていくということも踏まえての導入で、安くて、ある程度コンパクトで使い勝手がいいから導入という意味なのか、他に意味があるのか教えてほしい
A病院事業管理者:泌尿器科単独で使うために導入したわけではございません。外科系疾患、外科各科のドクターに聞いて、今後適用拡大された場合には、各科で積極的に使用するということを考えていく方針でございます。今言ったように、器械が導入されたのがまだ新しいので、泌尿器科から始まっていますが、実績を見て、そう遠くないときに、いろんな疾患でhinotoriも使ってよいという承認が出るというめどは立っております。学会の情報等その他確認しておりますので、いずれ広がっていくと思います。院内で泌尿器科が使い始めたら、患者さんにということではなくて、器械の操作そのものは他の科もトレーニングしていくことになると思います。

Q記者:これまで例えば1年間に平塚の市民病院で受けて、他に回していた数字、もしくは、これを導入したことによって年間どれくらいの、泌尿器科に限られるでしょうけど、手術の件数になりそうなのか、予想と実績を教えてほしい。
A病院事業管理者:実数は開業の先生、あるいはご自分でいかれる方もいると思いますけども、市外に行かれている方がかなりあると思っています。われわれの推計ですけども、年間50件くらい、泌尿器科の対象の方はいるだろうと思っております。

Q記者:それを今回導入したことによってとなると、年間50件くらいこの器械を使った泌尿器科の手術を行うと言ってもよいか。
A病院事業管理者:はい。さっきからお話したように、もともと内視鏡はすでにやっていて、それをロボットが支援をするという形なので、慣れさえすればそれほど大きな差はありません。今内視鏡でやっているものはほとんど置き換わると思います。すべての手術がそれに置き換わるかというと、そうではなくて、いろんな条件で開腹手術のほうが安全、あるいは有効というのは当然残りますのでそれは変わらないと思います。

Q記者:株式会社メディカロイドはどこにある会社ですか。本社の所在地を知りたい。
A経営企画課長:兵庫県神戸市中央区です。
 
Q記者:市民病院ではできなくて、外部に送っていた。つまり東海大学病院に送っていたのはどれくらいあるのか。
A経営企画課長:泌尿器科の手術に関して言うと、そもそもロボットがないと受けに来ないので、こちらからそちらに紹介するケースはあまりないです。患者さんが選んでこられないので、開業医さんに行かれて、そのがんが分かったという段階で当院には送られてこないため、どれくらいの適用が当院から出ていったという数字は把握していません。

Q記者:内視鏡の手術はやっていなかったということか。
A経営企画課長:数件やっていました。開業医さんがこちらを紹介してこないので、どうしてもここでやりたいという方のみ対応させていただいている。

Q記者:いつ頃からか。
A経営企画課長:ダヴィンチが出始めた頃からです。

Q記者:ぼうこうがんや前立腺がんの患者間ではダヴィンチで手術をしてもらうのが良いという定説ができているのか。
A経営企画課長:はい。

Q記者:お医者さまはそもそも支援ロボットを使うのは初めてか。
A病院事業管理者:そうです。

Q記者:使い勝手の良さや、ここが便利などの意見はあるか。
A病院事業管理者:ダヴィンチをもし使っていたとすると、外車から国産車に乗り換えるイメージになると言われています。平塚市民病院のドクターは基本的にやっていませんので、ドクターからは、今まで外車に乗っていないので、国産車で大丈夫だというふうな意見がありました。先ほどお話したように、両方持っている施設のドクターに聞きましても、使い勝手は遜色なくむしろ状況によっては国産機の方が、使い勝手が良い場面もあるということをお聞きしています。バックアップ体制が国産機の場合にはいろいろな現場の意見を聞いて、フィードバックしてもらえるというスピード感が国産機の方が良いのではないかということにもドクターは期待しているようです。

Q記者:保守料、消耗品の費用など、メンテナンス面でのバックアップは外国産のものよりも楽という印象はあるのか。国産機を入れるメリットは。
A病院事業管理者:現時点では国産機の方が全体的に安いと思いますが、こういったものは競争原理が働きますので、ダヴィンチの方も安くなってきてはいるようです。

Q記者:国産だと安いし楽だし、性能も見劣りしないということか。
A副病院長兼事務局長:あくまで印象ですが、この器械以外にもいろいろな外国製のCTですとかがありますが、どこも保守体制ができてはいますけども、急にこのものが欲しいとなった場合の手配は外国のものが外国から取り寄せるものではないにしても、品薄の状態は国産の方が起こりにくいであろうという安心感はあるかと思います。

Q記者:前立腺がん、ぼうこうがんの手術というのは、ほぼロボットが標準化しているということだが、(発表文の)タイトルが「国産初の手術支援ロボットを県内初導入」という最先端っぽいが、実際は市民病院としては、非常に最先端というか、今後どの市民病院でも標準整備になっていくものなのでしょうか。
A副病院長兼事務局長:外国のものは外国人の体を手術する発想でいますが、(日本人は)体が小さかったり内臓が小さかったりするので、そういう意味では国産の方が県内で初ということになります。
A病院事業管理者:初めて導入したことをアピールしたわけではありません。hinotoriは初めてかもしれませんが、ロボットという意味では既に先発の器械があって、県内でもいくつかあるわけですので、たまたま県内初であったというだけで、それよりも、がんの患者さんはご自宅に近いところである程度のことが完結できるということは非常に大事なことだろうと思っています。1回手術をすれば終わりということではありませんし、術後のことのフォローも必要になりますので、今までどこか行かざるを得なかった方が市内で治療ができる体制を整える必要があったという風に考えています。また、一番多い前立腺は、高齢化などによって以前に比べて増えています。検診の体制が整って発見される数も増えるということもあって、治療対象となる方が増えているので、そういうことに対応する必要があると考えています。

Q記者:(画像2を指して)手術者が座っているところがサージョンコックピットか。
A病院事業管理者:そうです。サージョンとはサージャンとも言いますが、外科医という意味です。手術者が座っているところがサージョンコックピットです。
 

その他の質問

Q記者:先日厚木の鮎まつりが延期との発表があった。平塚は花火大会が控えているが、今、コロナの第7波と言われている状況で、花火大会をどのように捉えているのか。
A市長:まず、七夕まつりを3年ぶりに開催させていただいて、皆様には取り上げていただいてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
花火につきましても、七夕まつりと同様に歴史と伝統がありますので、七夕まつりを企画開催する実行委員会を開きながら花火の実行委員会も同時に進めてきました。その中では、平塚を代表する七夕まつりと花火大会はコロナ禍だけれども安心安全対策を施した中で開催をしようという方向性で打ち出しています。
しかしながらここで第7波の感染が広がっている中で、今ご指摘があったように厚木の鮎まつりは延期という判断をされました。平塚につきましても今の感染状況を鑑みながら8月の頭ぐらいには判断をしていきたいということで今考えています。またそれは実行委員会等の役員の皆さんのご判断、感染状況にもよりますが、今のところは実施するということは前提でありますけれども、8月の頭には状況を鑑みて判断をしていきたいと思います。

Q記者:8月の頭(とはいつごろか)。
A市長:8月10日ぐらいをめどに(判断したいと思います)。



 
定例市長記者会見における質疑内容を広報課広報担当でとりまとめて掲載しています。

記者発表資料

平塚市民病院

担当 経営企画課 経営企画情報担当 千葉

電話 0463-32-0015 内線5355

国産初の手術支援ロボットを県内初導入

  平塚市民病院(平塚市南原1-19-1)では、国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を神奈川県内の医療機関では初めて導入します。6月に納入済みで、最初の手術は10月中旬の実施を予定しています。
 これまで、前立腺がんやぼうこうがんなどの手術支援ロボットによる手術を行う患者は、市外の医療機関に紹介してきましたが、今回の導入により、市内で治療が完結するため、市民サービスの向上が図られます。

導入機器

 株式会社メディカロイド
 手術支援ロボットシステム「hinotoriサージカルロボットシステム」
 

費用

 1億6,987万4千円(機器本体および導入に係る諸経費)
 このほかに2年目からの保守料や手術支援ロボット専用の消耗品の費用が別に必要となります。
 

ロボット支援手術

 患者の体(腹部)に開けた小さな穴からアームの先端部を体内に入れ、術者は離れたコックピットから術野の3D画像を見ながら、ロボットのアームや先端部の器具を遠隔操作して行う手術です。術者の精密な手の動きを再現しつつ、手ぶれを防止する機能も有するため、従来の腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術より安全で精密な操作が可能になります。また、傷口が小さいため、開腹手術に比べて手術痕はほとんど目立たず、出血量も少なく、術後の痛みも軽くなるなど、患者の負担が軽減されます。
 

機器の構成

 術者が術野の3D画像を見ながらロボットを操作するための「サージョンコックピット」、八つの軸(関節)を有する4本のアームにより実際の手術を行う「オペレーションユニット」、術野の映像を手術スタッフで共有するための「ビジョンユニット」の三つのユニットで構成されています。
 

手術が可能な主な疾患(保険適用されているもの)

 泌尿器科領域の疾患(前立腺、腎臓、ぼうこうのがんなど)
 ※現在、メーカーが婦人科および消化器科領域への適応を申請中



画像1
手術支援ロボットの写真1

画像2
手術支援ロボットの写真2