市内遺跡から出土した「三筋壺と伊勢型鍋」「錠前牡金具」の2件を平塚市指定重要文化財に指定

令和5年1月10日

平塚市
担当 社会教育課 文化財保護担当 菅沼
電話 0463-35-8124
 

市内遺跡から出土した
「三筋壺と伊勢型鍋」「錠前牡金具」の2件を
平塚市指定重要文化財に指定

 
 平塚市教育委員会は、令和4年12月28日付けで新たに2件の文化財を、平塚市指定重要文化財に指定しました。平塚市指定重要文化財は、平塚市文化財保護条例第3条に基づいて指定されるもので、今回指定物件を含めて48件となります。
 

三筋壺と伊勢型鍋(三筋壺1点、伊勢型鍋1点)

出土場所

 北金目塚越遺跡(北金目二丁目)

内容

 深さ約1mの穴の底近くから、三筋壺の口に半分に割れた伊勢型鍋が蓋をするよう にかぶせられ、横倒しになった状態で発見されました。三筋壺および伊勢型鍋の製作年代と、その出土状況から、鎌倉時代前期の埋納行為と考えられます。三筋壺については、一部釉薬の剥落はあるものの、完存する初期の常滑製品として、考古資料としても美術工芸品としても価値あるものと評価できます。こうした内容から、鎌倉時代の平塚での地域的・歴史的文化をうかがい知ることのできる貴重な資料といえます。
 

錠前牡金具1点

出土場所

 神明久保遺跡(四之宮一丁目)

内容

 小型の錠前で、セミとみられる昆虫を意匠した金具が取り付けられています。施錠部に見られる二段のバネ構造は、正倉院の伝世例などに見られるものの、遺跡からの出土例として確実なものは少なく、材質・構造・意匠性・製作技法の観点から、工芸品としても卓越したものと評価されます。こうした錠前は、中央・地方の政治的中心地からの出土が多く、神明久保遺跡も相模国府推定地内にあたることから、古代平塚を考究する上で欠くことができない資料であるとともに、古代官衙・地方寺院研究にとって貴重な資料といえます。
 

その他

 今回の指定に伴い、令和5年5月以降に平塚市博物館で特別公開する予定です。


 指定理由書(三筋壺と伊勢型鍋)(PDF:774KB)
 指定理由書(錠前牡金具)(PDF:280KB)

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