6月定例市長記者会見 夏期特別展「茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~」開催
令和5年6月28日
6月定例市長記者会見 夏期特別展「茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~」開催
平塚市側の説明
平塚市博物館では、夏期特別展「茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~」を開催いたします。
「色」という視点から考古資料を紹介するのは、考古分野の展示では、なかなか見かけないテーマの展示です。
考古学は資料の形や施された文様などを観察することが研究方法のひとつであり、通常の展示においては観察して読み取った情報を紹介しますが、考古学に詳しくない方にとっては難しく、興味を持たれにくいものかもしれません。そこで私たちの身近にある「色」という視点から考古資料を紹介し、基礎的なことがわからなくても「モノをじっくり見て発見するおもしろさ」が伝わる展示を心がけました。
土器や土偶、ハニワをはじめとする考古資料は、その多くが茶色の焼き物です。それらに比べると数は多くありませんが、一般の竪穴住居からは赤く塗られた土器、古墳時代のお墓からは青いガラス玉、古代の中心都市であった四之宮周辺の国府域からは緑釉(りょくゆう)陶器など、色彩のある資料が少なからず見つかっています。今回の特別展ではそれらを含む、市内の発掘調査からみつかった「色」に関連する資料をおよそ170点公開します。
関連事業につきましては、展示を企画した学芸員が見どころや展示資料の詳細を解説する「特別展示解説」、展示の見どころに加え展示制作の裏側を語る「特別展示ウラ話」、体験学習として人気の舞ぎり式の「火起こし体験」と、オーブン粘土で作る「カラフルな勾玉をつくろう」を実施いたします。特別展示解説、特別展示ウラ話は当日整理券制でその他の体験講座は事前申込制です。
私からの説明は以上です。
質疑内容の要旨
Q記者: 展示しているものはほとんど市内から出てきたものなのか。A新宮学芸員:市内がほとんどです。100%です
Q記者:色がつくということは、平塚市の地層の特徴として色がつきやすい土とかがあるのか。
A新宮学芸員:特にそういうことはありませんが、基本的に一番多いのは赤です。この赤も全国的にみられるもので、ほかの色も特に何が多いとかは全国的なものと同じだと思います。特に(平塚市)周辺からというものはあまり想定していません。
Q記者:フィリピン海プレートがぶつかって丹沢ができて、海底の隆起とかがあると思うが、そういった影響でこういったカラフルな色があるというものはないのか。
A新宮学芸員:そういったものはありません。
Q記者: 基本的に色がついたものが埋まってたということか。
A新宮学芸員:そうです。
Q記者:勾玉(まがたま)だったら糸魚川と交流があったとかそういうことか。
A新宮学芸員:(糸魚川産の)ヒスイのものは平塚市にはないです。遠方から、例えば(原石として)黒曜石は神津島とか長野県とかそういった遠方から運び込まれたものも展示はします。
Q記者: 黒曜石も出ないのか。
A新宮学芸員:平塚市では取れないです。
Q記者:遠方から持ってきたものが埋まっているのか。
A新宮学芸員:そういったものがたくさん見つかっています。
Q記者: 平塚産の鉱物を使ったものはないと思うが、交易・交流がうかがえるものが平塚には埋まっていて、発掘されたものを今回展示するということか。
A新宮学芸員:そうです。
A博物館長:色のついた考古資料で平塚市内の特徴としましては、緑釉(りょくゆう)陶器と言われる平安時代の焼き物がありますが、その当時、都で重宝されていた焼き物でして、平塚の四之宮にかなり出土している、この周辺の市町に比べますと発掘事例が多いということで、国府で用いられたものではないか。そのために(出土が)多いのではないかというのが地域の特徴としてあります。
Q記者:平塚で出たもので「これはすごい」というものは、今回展示するものの中に何かあるか。
A新宮学芸員:個人的にすごいと思っているのは、鎌倉時代の烏帽子(えぼし)です。漆塗りされていたので土の中でそのままの状態で残ったようです。これは借用品で全国的にも貴重なものだと思います。
Q記者:借り物ということは、どこから借りたのか。
A新宮学芸員:これを調査した発掘会社から借りているものです。
Q記者:何色なのか。
A新宮学芸員:黒で今回展示する予定です。
Q記者:何時代から何時代のものを展示しているのか。
A新宮学芸員:縄文時代から江戸時代までのものです。
Q記者:平塚は土地柄としてカラフルなものが多いのか。
A新宮学芸員:特段多いというわけではないと思います。
Q記者:国府があって川があるから(ものが)全国から来るので多いということか。
A新宮学芸員:そういうこともあると思います。
Q記者:相模の国府は平塚にあったと断定してよいのか。
A新宮学芸員:いろいろな説はあるが、発掘調査から考えると平塚にあっただろうという見方が強いです。
その他の質問
Q記者:先日ベルマーレ側からコンタクトがあって、議会開催中だから今は話しにくいといった返事をしたと聞いたが、そのようなことがあったのか。その後進展があったのか。A市長:具体なお話はありません。今議会でも、この間提案をいただきましたので、それについて総合公園の中に造るのは、子育ての象徴でもあるので市民感情も含めて難しいということはお伝えしてあります。あと、民地に造るものも含めて今回提案があったものについては、どういうところが課題なのかというのは、今、関係部署に、課題を取り上げながら回答を作っていますので、それ以降の進展はありません。それをまとめて夏以降になると思いますが、お示しをするという状況です。
Q記者:先月の記者会見で議会にもちゃんと言わなくてはいけない、意見を聞かなくてはいけないと言っていたと思うが、それは先日の議会で済んだと考えているのか。
A市長:たまたま質問があったので、今の流れも含めて議会にはお話ししました。その中で議員からは「では今の競技場を改修していくことを進めていくのか」という話もありましたが、それは今、話しましたが今回の提案に対してのお答えを返して、その先にベルマーレでどうお考えになるのか、その先の話になってしまいますので今の話を議会にも申し上げました。これが今の進み具合、状況です。
定例市長記者会見における質疑内容を広報課広報担当でとりまとめて掲載しています。
記者発表資料
平塚市担当 博物館 学芸担当 川端・新宮
電話 0463-33-5111
夏期特別展
「茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~」開催
平塚市博物館では夏期特別展として「茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~」を開催します。「色」という視点から考古資料を紹介するのは、考古分野の展示では、なかなか見かけないテーマの展示です。
考古学は資料の形や施された文様などを観察することが研究方法のひとつであり、通常の展示では資料を観察して読み取った情報を紹介しています。しかしその情報を、資料を見て理解するためには一定の知識が必要になるので、考古学に詳しくない人にとっては難しく、興味を持たれにくいものかもしれません。そこで特別展では私たちに身近な「色」という視点から考古資料を紹介し、基礎を知ることがなくても、モノをじっくり見て発見するおもしろさが伝わる展示を心がけました。
遺跡から発見される考古資料は、土器をはじめとして素焼きの焼き物が多く、そのほとんどが褐色(茶色)系のものです。展示室に並んでいる資料も茶色のやきものばかりで、昔の人々は茶色のものに囲まれた生活を送っていたかのように思われがちです。それら茶色のものと比べると数は少ないながらも、赤彩土器や青いガラス玉類、緑釉(りょくゆう)陶器など彩色のある考古資料も見つかっています。顔料として使われたベンガラや緑青などを含め、市内で発見された「色」に関連する考古資料、約170点を公開します。
本展示を機会として、郷土の歴史をより身近に感じてもらうとともに、「どうしてこの色を使ったのか」、「この色にどういう意味があるのか」といった答えのない探求も楽しんでいただければ幸いです。
主催
平塚市博物館日時
令和5年7月21日(金曜日)~9月3日(日曜日) (会期39日間)休館日 月曜日
開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
場所
平塚市博物館(平塚市浅間町12-41)主な展示物
実物資料約160点、写真資料10点 計約170点展示構成
序章:周りを見れば“色”ばっかり (導入として現在の身の回りの色のあるものを紹介)
1章:あか
赤彩土器【縄文時代ほか:真田・北金目遺跡群】や赤漆付着資料【縄文時代ほか:真田・北金目遺跡群】などの赤にまつわる考古資料の展示2章:あお
ガラス玉【古墳時代:城山横穴墓群】や染付【江戸時代:真田・北金目遺跡群】などの青にまつわる考古資料の展示3章:みどり
緑釉(りょくゆう)陶器【平安時代:中原上宿遺跡ほか】や蛇紋岩(じゃもんがん)製勾玉(まがたま)【弥生時代ほか:真田・北金目遺跡群】などの緑にまつわる考古資料の展示4章:きいろ
金銅製品【平安時代ほか:稲荷前遺跡ほか】やメノウ製勾玉【古墳時代:城山横穴墓群】などの黄にまつわる考古資料の展示5章:くろとしろ
黒漆付着資料【縄文時代ほか:真田・北金目遺跡群ほか】、白磁【室町時代:中原上宿遺跡ほか】や貝輪【縄文時代:万田遺跡】などの黒と白にまつわる考古資料の展示関連事業
特別展示解説
日時
8月5日(土曜日)午前10時~10時45分 当日整理券制会場
博物館特別展示室募集定員
20名特別展示ウラ話
日時
8月27日(日曜日)午前10時~10時45分 当日整理券制会場
博物館特別展示室募集定員
20名体験学習「昔の方法で火を起こそう」
日時
7月30日(日曜日)午前10時~11時、11時~正午、午後1時30分~2時30分、2時30分~3時30分の4回事前申込制、往復はがきまたはWebフォーム
申し込み締め切り はがき 7月14日(金曜日)
Webフォーム 7月17日(祝)
会場
博物館講堂および野外募集定員
各回20名体験学習「カラフルな勾玉をつくろう」
日時
8月13日(日曜日) 午前10時30分~正午、午後1時30分~3時事前申込制、往復はがきまたはWebフォーム
申し込み締め切り はがき 7月21日(金曜日)
Webフォーム 7月24日(月曜日)
会場
博物館科学教室募集定員
各回6組(一組につき応募者3名まで)参加費
200円出版物
特別展示図録『茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~』A5版 112ページ
一般販売価格未定
博物館受付で会期初日より販売予定
リーフレット(PDF:4,427KB)
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