8月定例市長記者会見 撮影した動画をAI解析し、道路の状況を把握

令和5年8月23日

8月定例市長記者会見 撮影した動画をAI解析し、道路の状況を把握
平塚市側の説明

落合克宏市長:
 計画的な道路補修を行うために、委託業者から貸し出されたスマートフォンを公用車に設置し、舗装道路を録画しながら走行します。その動画を委託業者のAIシステムに送信し解析を行い、損傷状況を把握します。
 平塚市では、全長約800kmを超える市道認定路線の状況把握に努めていますが、市民から年間約800件余りの舗装の補修に関する要望等をいただいております。
 今回の取り組みにより、市道の舗装状態が正確に把握でき、通学路等の舗装修繕箇所の抽出に繋げることができると考えています。
 神奈川県では類似のシステムにより令和4年6月から調査していますが、県内の市町村では初の事例になります。
 民間企業と東京大学が共同開発したシステムの使用を予定しています。
 詳細は別添の「スマートフォンによる道路点検DXシステム」をご覧ください。
 調査期間は令和5年10月から令和6年1月までを予定しています。
 説明は以上となります。

質疑内容の要旨

Q記者:普段、道路チェックの業務ではない、公用車を使ってそれぞれの要件をやる時にこの期間にスマホを付けておくということか。それともこの業務を担当する、ついでにやるのか。
A土木部長:今回、9月補正で予算は計上させていただきましたが、これが認められれば今のところ予定しているのは、民間企業から3台スマホを借りて、それを道路管理課の公用車に付けて市で管理している道路をくまなく走ってそのスマートフォンにどんどん録画されますので、その録画したものを企業に送信するとその状況を解析して損傷具合を判断してくれるというものです。

Q記者:その業務自体は、ついでにやるわけではなくて日頃目視でやっていることをスマホでやるということか。
A土木部長:そうです。

Q記者:普段、目視というとざーっと通るのではなく、人の目だと時間がかかるということなのか。
A土木部長:今まで職員が日々パトロールをしています。毎日パトロールしているところで損傷があったところとか、市民からの通報で舗装の状態が悪いとかそういった時に改めて市の職員が現地に行って舗装の状況を確認する。そこで例えば舗装の状況が悪いところが何メートルあるとか、幅員がどのくらい悪いとかを確認して実際、設計等をして工事を発注するといった形になっているので、実際職員が行って現地確認するといった手間が今回こういったスマートフォンを使って行えば、先ほど言ったように車で走って道路の損傷状況が3段階で分かる形になりますので、そういった意味では大変効率的なものであると考えています。

Q記者:つまり損傷箇所が自動的にAIで分かるというものと、例えば目視だともしかしたら見逃してしまうものなどもAIで拾ってくれるとか、その辺を期待しているのか。
A土木部長:そうです。やはり職員ですと、職員個々の判断の差が出てしまいますが、こういったAIを使えば均一的に分かりますので、そういったところを期待しています。

Q記者:事業費を計上しているが、これは随意契約を結ぶということなのか。
A道路管理課長:そうです。

Q記者:このシステムの名前を教えてほしい。
A道路管理課長:契約前なので言いづらいですが、9月議会の議決後にニチレキ株式会社が採用している、システム名としてはグローカルアイズの採用を予定しています。

Q記者:頂いた資料の中に「動画を撮影してアップロード」とあるが、詳細資料を拝見すると「動画の中から画像を抽出して10メートルごとにAIが判断」とあるが、これは撮影するのは動画だけれども、解析するのは画像という認識でよいか。
A道路管理課長:そうです。

Q記者:神奈川県もこのシステムか。
A道路管理課長:似たようなシステムですが、この会社ではありません。

Q記者:全国を見ると、他の自治体ではこの会社のものを採用しているところもあるのか。
A道路管理課長:はい。

Q記者:効果としては精度が上がるということか。
A道路管理課長:定量的に分かります。

Q記者:精度が上がると、お金が安くなるとか他の効果があるのか。
A土木部長:精度もそうですが、市の道路を認定しているのは800キロメートルあります。市の土木部で管理しているのは800キロメートルありますが、今回このAIを活用することによって短期間でその状況が把握できるというところが大変大きいと思います。

Q記者:短期間で状況を把握するので、状況が遅れて今まで事故が起きたりしたのがそれを防げるということか。
A土木部長:今のところはパトロールと市民からの通報といった形で現地確認をしていますので、それがいっぺんに800キロメートルがこの期間で状況が分かるということです。それでその状況が分かれば今後、舗装の修繕計画も立てることができるという形になります。

Q記者:道路が損傷したりして事故とかが起きているのか。
A道路管理課長:今のところそういった事例はありません。

Q記者:例えば地下の空洞などは分かるのか。
A土木部長:それは別の調査をしないと分かりません。今回はあくまで路面調査なので、舗装の表面を調査するものです。
A市長:市民からの通報として「みちれぽ」というものもあります。
A道路管理課長:みちれぽシステムとは、市民がそこに穴があるとか亀裂があるとかを持っているスマホで写真を撮っていただいて、市にアクセスしていただいたらわれわれにそのデータが来るというものです。そのデータが来るとわれわれがそこに行って確認をするという形になっています。

Q記者:道路の損傷を放置していると今は事故がないかもしれないが、大きな事故を防げるという予防効果があるということか。
A道路管理課長:そうです。

Q記者:これは1月までとなっているが、効果が得られれば延長、あるいは台数を増やすとかあるのか。
A道路管理課長:今回の委託で全800キロメートルを調査するので、今後はその調査結果を見てから判断したいと思います。

Q記者:比べられないかもしれないが、4カ月間で全800キロのチェックだが、人間がやったら2年かかるとか、そういう風に比べられないか。
A道路管理課長:ざっくりとした話なんですけども、私なりに計算をさせていただいたんですけども、人間がやった場合ですね、半年。

Q記者:微妙ですね。AIだと4カ月。
A道路管理課長:ただですね、実際に調査するのは1カ月もかかりません。天気の良い日でなくてはいけませんが、1カ月はかからないと思います。ただですね、解析に時間がかかります。データをシステムから引っ張り出して、整えたりと、時間がかかります。それでこの期間を設定させていただきました。

Q記者:撮影は1カ月かからないということですか。
A道路管理課長:はい。

Q記者:それで比べるとどうなのか。解析まで。
A道路管理課長:解析まで入れると、人間がやると、明細地図に落としたりですとか、そういう手間もありますけども、今回は、地図上に着色して、返信してくれるので、かなり手間も削れると考えます。

Q記者:撮影だけで半年かかるのをAIだと1カ月。
A道路管理課長:見て歩くと半年ですが、今回のシステムだと1カ月。

Q記者:分析まで入れるとどれくらいかかるのか。
A道路管理課長:半年というのは職員が当然やった場合、システムを使わない場合はそういう形です。

Q記者:業務削減効果はあるのか。
A道路管理課長:はい。お話させていただいたことに通じますが、効果はあります。

Q記者:どのくらいあるのか。
A道路管理課長:繰り返しになってしまいますが、動画の撮影をするのに、今回のシステムですと1月、職員が現地調査をすると半年です。

Q記者:要するに動画にすれば、動画を撮る職員の業務量と、職員が現場に行っていた業務量を比較すると、全体として職員がこのくらい時間が節約されて、それを他の仕事をできますと、そういう言い方はできないのか。
A道路管理課長:その言い方はできます。

Q記者:それは分かりやすい例で、例えば、何かないか。
A道路管理課長:何人という細かい話はないんですけども、そのようなものはあります。

Q記者:大幅に業務が削減される?
A道路管理課長:はい。

Q記者:削減したことを他の何かに充てられる!
A道路管理課長:はい。

Q記者:人がやる現地調査では、解析までということか。AIでやっている解析作業もさっきの人がやった場合半年見て、見て解析が半年かかるということか。
A道路管理課長:現地に行って、記録してくるのに半年かかります。

Q記者:解析はAIがやるということだが、AIがやる解析の内容も含めて半年か。
A道路管理課長:人間が、職員がやった場合は、細かいところが定量的にはできませんので、ここはやり直すべきである、修繕すべきである、というのは個人の感覚的なものに頼っています。

Q記者:現地で見て、判断している。判断というのは解析になるのか。
A道路管理課長:今度は解析になります。

Q記者:AIは1カ月で、職員がやると半年かかる。で、解析を含めて4カ月で終わると、職員の人がやると解析を含めて何カ月かかるのか。それは半年なのか。
A道路管理課長:現地調査で、半年で、解析でプラス1カ月。全部で7カ月です。

Q記者:7カ月が4カ月になるという理解でよいか。
A道路管理課長:工期は、多くとらせていただいていますが、実質上の解析には1月程度と考えておりまして、合わせると2カ月程度。

Q記者:しかもAIの場合は解析は外部がやる、職員がやらないということか。
A道路管理課長:職員はやらないです。

Q記者:実際に職員がやるのは、動画撮影の1カ月ということか。
A道路管理課長:そのとおりです。

Q記者:二つ教えてください。今回のAIを導入する背景のところで、それまでこの業務に例えばかかっている人が多くて、業務がひっ迫していただとか、そういった背景があれば簡単に教えてください。
A道路管理課長:今までは苦情が来てから見に行ったりとか、そういうことが多かったです。今回これをやることによって事前に把握することができるというのが一点です。あと、業務を大幅に減らすことができて、他の業務の方に力を注ぐことができる。そういうところが大きな背景です。
A土木部長:あと、今市としては市長をはじめ、デジタル化、DX化をいろんな分野で、可能なものは取り入れていくという考えで、今動いていますので、そういった中で、今回このシステムを実際に採用するにあたって、実際現地の方で事前に職員が見たところと、デモでやった結果がおおよそそんなにずれていることがなかったのでこのシステムを採用するという形に至りまして、そうすればDX化で効率的になるということで、今回こういったものを採用するという考えです。

Q記者:何かトラブルや課題があってそれを解決というよりかは、どちらかというとプラスの、効率化ということか。
A土木部長:そうですね。

Q記者:もう一点、効率化とも関わるところだが、状況の把握というところと、実際の修繕、補修というところは別個の問題になってくると思うが、修繕や補修もそうすると、マンパワーをかけれるようになり、速やかに行えるようになると認識でよいのか。
A土木部長:これで調査をすれば、市内800キロのところで、どこの箇所が損傷具合が悪いかというのが一目で分かる形になります。そうすると今後舗装を直していく計画を立てるのに、計画的に例えば、令和6年度はここの箇所が悪いから令和6年度はここ、令和7年度はここをやる、そういった具体的な計画を立てやすくなるというところにつながっていきます。

Q記者:つまりこれまで人をかけて800キロ調査するのは難しかったけれども、今回動画を撮るだけなので、それができるようになって計画が能率的になるということか。
A土木部長:はい。

Q記者:今までだと、市民からの要望ベースみたいなものが、ちゃんと優先度をデータベースになることによって一目でここからやっていくということができるようになって、市民にも説明できるようになる。
A土木部長:はい。

Q記者:このシステムは県内では初めてだが、似たようなシステムは他にも県内にあるのか。
A道路管理課担当長:スマートフォンを使って解析をするということですか。

Q記者:県にも似たようなシステムがあると言っていたが、似たようなシステムを含めると他の自治体でも県内にもあるのか。
A道路管理課担当長:県内では市町村ではこういったシステムを採用しているところはありません。

Q記者:県はあるけど、他の市町村はないということか。
A道路管理課担当長:はい。

Q記者:県の類似とは、どこが類似しているのか。
A道路管理課担当長:私たちが想定しているシステムも公用車にスマートフォンを設置して、撮影した動画を基にAIで解析をする形ですが、神奈川県の採用しているシステムもそれと同じような形で専用のカメラとかではなくて、スマートフォンのデータを基にシステムに送信することで解析をしてもらうということが類似しているということですけども、システム名が違う、会社も違うということで類似と書かせていただいています。

Q記者:やり方は全く同じなのか。
A道路管理課担当長:そうです。

Q記者:専用カメラでやっているところはあるのか。
A道路管理課長:あります。

Q記者:それはある。
A道路管理課担当長:特殊車両で専用カメラを付けて調査をしているというところはあります。

Q記者:専用カメラではなく、スマホでやるメリットは何か。
A道路管理課長:費用面が大幅に。

Q記者:800キロあると年に1回だか、何年に1回かはこれをやった方がいいような気がするが、その辺のことはどう考えるか。
A土木部長:そこも含めて今回初めて800キロやりますので、それから舗装計画を立てて今後今おっしゃられたように、何年か経ったらこういうことをやるのか、そこも含めて、それは今後検討したいと思います。

その他の質問

Q記者:ベルマーレの新スタジアム問題でお聞きしたいが、8月3日に市からの検討を求める要望書をベルマーレに渡したと思うが、それからおよそ3週間たったが何か返答はあったのか。
A市長:結論から言いますと、ベルマーレからの反応といいますか、回答したものに対する反応はいただいておりません。繰り返しになりますが、5月17日にベルマーレ側から計画案を提示いただきました。それから平塚市としては、その計画案について内容の確認、課題等の整理を行ってまいりまして、課題がまとまりましたので8月3日に公表し、新スタジアム計画に対する市の考えを(8月4日に)お渡ししました。基本的には総合公園内に造るということは受け入れることはできないというお話ですから、今回の回答の中には総合公園のことは含めておりません。ただ今回(5月に)提示された計画のうち、総合公園以外の候補地に建設する案について、市の考えをまとめて提示させていただきました。(今の質問に対する)結論としては、市の回答に対し、ベルマーレ側から反応はありません。

Q記者:ベルマーレ側としては5月の段階で夏までに進展しない場合は平塚市を出て行って新スタジアムを見直していくと言っているが、それに対しベルマーレ側から3週間たっているのに回答がないことをどう思うか。
A市長:これまで基本的には(総合公園以外に民間主体で)新スタジアムを造る時においても、平塚市は今までベルマーレに対してしっかりと支援してきたわけですし、ベルマーレはこのエリアにとって大変大切なものと思っています。その思い、趣旨は伝えてきたので、今回は出てきた案に対して回答をしましたが、それに対して今までお話のあったような、平塚市がこの案に応じないからその次のステップへ、例えば市外の地へ動きを強めていく、その辺の反応はありませんので、われわれとしてもなんとも言いようがないというか、われわれが受けたものに対して真摯(しんし)に対応させていただいた結果が今のものであるので、それ以上の進展がないということです。われわれとしては何とも申し上げられません。

Q記者:どちらかというと不安感か。
A市長:何が課題でどういうふうに進めてもらわないといけないのかということは今回お示しさせていただきましたので、それをしっかり受け止めていただいた中でベルマーレが反応いただければありがたいと思っています。

Q記者:8月も終わり9月に入って議会にもそろそろ報告もしなければいけないと思うが、ベルマーレ側に答えを急がせる、早めに答えをくださいとお願いすることはないのか。
A市長:期限を切って市から回答を求めてベルマーレが判断をしていくというのは、それはベルマーレの考えでございます。われわれとしては、受けてどういう課題があるのかをお返ししましたので、その反応については市がせっついて要求することはしません。
 
定例市長記者会見における質疑内容を広報課広報担当でとりまとめて掲載しています。

記者発表資料

平塚市
担当 道路管理課 維持担当 大野
電話 0463-21-8794

撮影した動画をAI解析し、道路の状況を把握

 
 計画的な道路補修を行うために、委託業者から貸し出されたスマートフォンを公用車に設置し、舗装道路を録画しながら走行します。その動画を委託業者のAIシステムに送信し解析を行い、損傷状況を把握します。
 平塚市では、全長約800kmを超える市道認定路線の状況把握に努めていますが、市民から年間約800件余りの舗装の補修に関する要望等をいただいております。
 今回の取り組みにより、市道の舗装状態が正確に把握でき、通学路等の舗装修繕箇所の抽出につなげることができると考えています。
 なお、実施は、令和5年9月議会議決後の予定となります。
 

近隣自治体の動向

 神奈川県が、類似のシステムにより、令和4年6月より調査しています。また、県内の市町村では初の事例になります。
 

調査方法

 委託業者から貸し出されたスマートフォンを公用車に設置し、舗装道路を録画しながら走行します。その動画を委託業者のAIシステムに送信し解析することで、すぐに調査結果を得られます。
さらに、損傷箇所の位置図と写真をまとめた帳票を出力できます。
 

使用システム

 民間企業と東京大学が共同開発したシステムの使用を予定しています。
 

調査期間(予定)

 令和5年10月から令和6年1月まで
 

事業費

 72.6万円

資料(PDF:1,057KB)

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