「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」を開催

令和5年9月20日

平塚市
担当 美術館 学芸担当 家田
電話 0463-35-2111
 

「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」
を開催

 
 平塚市美術館では、企画展「横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ」を10月7日から11月26日に開催します。
 明治時代には、政府が推進する殖産興業政策にともなう輸出振興により、多くの陶磁器が欧米を中心に積極的に輸出されました。その背景には、19世紀後半から欧米でたびたび開催された万国博覧会における、日本の陶磁器への高い評価がありました。欧米の人々の好みにあうよう制作された東洋的なモチーフと精緻な技巧による絢爛(けんらん)豪華な陶磁器は、ジャポニスムの機運を高めるとともに欧米の陶磁器と相互に影響しあいながら、後のアール・ヌーヴォー、アール・デコ様式へと展開する端緒となりました。
 活発な生産や輸出を支え、明治時代の陶磁器制作をリードしたのは、瀬戸、九谷、京都、有田といった伝統的な産地だけでなく、東京、横浜、名古屋などの新たに興った窯業地でした。横浜では、1859(安政6)年の開港を契機に、それまで窯がなかった横浜で陶磁器生産がはじまり、京都から移り住んだ初代宮川香山(みやがわこうざん、1842~1916)が眞葛焼(まくずやき)を試みて好評を博しました。香山が制作した作品からは、技巧を尽くして世界に挑戦していた明治の陶工の気概が見て取れます。ほかにも素地(きじ)を産地から取り寄せて横浜で上絵付を施す工場が多数でき、輸出港ならではの賑(にぎ)わいをみせました。
 本展では、輸出陶磁器の全盛期である明治時代前半(19世紀後半)に海外へ輸出された陶磁器の里帰り品を皮切りに、明治時代中期以降(19世紀後半~20世紀前半)のアール・ヌーヴォー、アール・デコ様式に代表される新しい意匠(デザイン)や技術を取り入れた作品を、公益財団法人横山美術館の名品の中から、眞葛焼(まくずやき)、隅田焼(すみだやき)、オールドノリタケなど約130点によりご紹介します。
 

横山美術館(名古屋市東区葵一丁目一番二十一号)

 株式会社プロトコーポレーション代表取締役会長・横山博一氏が収集した約3,000点におよぶ明治・大正期に制作された優れた陶磁器の里帰り品を後世に残し、世に広く伝えるため、2017年に名古屋市東区に開館しました。明治・大正期に日本から海外に輸出された陶磁器は、その卓越した技巧と斬新なデザインが注目され、近年、大きな脚光を浴びていますが、国内の現存数は限られています。日本では目にする機会の少なかった輸出陶磁器を里帰りさせるべく収集された横山美術館のコレクションは、近代日本における陶磁器の主要産地、代表的な窯屋、作家を網羅しており、近代陶磁史の研究に大きく資するものです。
 

横山美術館名品展 明治・大正の輸出陶磁器 技巧から意匠へ

主催   

 平塚市美術館

協賛  

 神奈川中央交通株式会社

助成  

 公益財団法人 横山美術館

会期   

   令和5年10月7日(土曜日)~11月26日(日曜日) 44日間

開館時間

 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)

休館日 

   月曜日(ただし、10月9日は開館)、10月10日

会場   

   平塚市美術館
 〒254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
 電話 0463-35-2111 ファクス 0463-35-2741
 平塚市美術館のウェブサイト
 JR東京駅から東海道線、または新宿駅から湘南新宿ライン(直通)で約1時間。JR平塚駅より徒歩20分。または平塚駅東改札口(北口)より、神奈川中央交通バス4番乗り場乗車「美術館入口」または「コンフォール平塚前」下車。駐車場67台(美術館御利用の場合90分間無料・要認証)。

出展数 

 約130点

観覧料 

 一般900(720)円、高大生500(400)円、中学生以下無料
 ( )内は20名以上の団体料金
 毎週土曜日は高校生無料
 各種障がい者手帳の交付を受けた方と付き添い1人は無料
 65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金
 本展覧会の観覧券で「所蔵品展」もご覧いただけます
 

関連事業

 ギャラリートーク
日時
 10月8日(日曜日)午後2時~3時
講師
 原久仁子氏(横山美術館学芸員)
日時
 10月21日(土曜日)、11月4日(土曜日)午後2時~2時40分
講師
 当館学芸員
場所
 展示室2  申し込み不要・要観覧券
 

同時開催

令和5年度特集展
「新収蔵品展 特集展示:藤田嗣治の初期作品」

 2021年度と2022年度に新たに収蔵された作品約40点を紹介します。​さらに、展示室内に特集コーナーを設け、2018年度に寄託された藤田嗣治の油彩画《おことさん》をその関連作品10点とともに展示します。
会期
 令和5年9月23日(土曜日)~令和6年2月18日(日曜日)
出品点数
 約50点
観覧料
 「横山美術館名品展」の観覧料で入場できます。
 単独の場合、大人200(140)円、高大生100(70)円、中学生以下無料です。( )内は20名以上の団体料金