7月定例市長記者会見 学校給食センターが完成 9月から中学校完全給食を開始
令和6年7月24日
7月定例市長記者会見
学校給食センターが完成 9月から中学校完全給食を開始
落合克宏市長:説明に入ります前に、まず中学校の給食についてですが、私が市長就任前の市議会議員の時代からずっと、本市では「中学校での給食がない」ということが懸案でした。そこで私の市長1期目の公約にも中学校給食の実現に向けての検討という項目を掲げました。これまでの経過の中で、給食を提供しない代わりに、せめて子どもたちが欠食とならないように、弁当等の販売事業を実施してきました。しかし、子どもたちの成長に合わせた栄養バランスのとれた完全給食を中学校でも実施することこそが、平塚市の子育て支援の大きな力になるという結論に至りまして、強い想いでこの取り組みを進めてきました。長年の想いが実を結びまして、施設が完成しましたので、本日はこの場で記者会見を設けさせていただきます。
それでは、「学校給食センターが完成、9月から中学校完全給食を開始」についてご説明申し上げます。
この度、「平塚市学校給食センター」が完成し、令和6年9月から小学校21校及び中学校15校へ給食の提供を開始します。
本市では、中学校15校への完全給食を提供するため、「共同調理場方式」として計画を進めるとともに、現在の共同調理場2場の老朽化などの課題解決のため、共同調理場2場の統合・移転を含めた新たな学校給食センターの整備・運営を民間資金活用による社会資本整備(PFI)事業として取り組んできました。
まず、施設の概要でございます。学校給食センターは鉄骨造 地上2階建てで、1階は給食調理エリアと事務室、2階は食育のための機能を有しています。
調理能力は1日あたり15,000食で、県内では提供食数が最多の川崎市南部学校給食センター、これは平成29年9月供用が開始されております。こちらも1日当たり15,000食です。こちらと同等規模となります。食材確保やリスク管理の観点から、小学校分は3献立、中学校は2献立の計5献立としています。
施設の主な特徴として、1階の小学校・中学校の給食調理エリアは、壁等で隔てることにより、動線計画、空間構成を分離した1棟2場方式となっています。施設内の「区域」はHACCP(ハサップ)の概念に基づき、「非汚染作業区域」、「汚染作業区域」及び「一般区域」に区分し、食材の荷受け・調理・配送まで、後戻りがないワンウェイの調理動線を確保し、交差汚染の防止など、衛生管理を徹底します。また、炊飯設備を導入しますので、米飯を主食とする献立の拡充を図ります。
次に、2階ですが、食育推進のエリアがあります。煮炊き調理室等が上から見渡せる「見学窓」を設けているほか、展示ホールでは、実際に調理や衛生管理を体感したり、ライブカメラ映像で各調理エリアを見たりすることができ、施設見学にきた子どもたちに楽しく学んでもらえるようにしました。
さらに食への関心と理解を深めるため、料理教室を開催できる調理室も設置しています。
環境ヘの配慮としては、本市初のPPA事業として太陽光発電設備を設置し、環境負荷の低減を図ります。また、生ごみを減容化する厨芥(ちゅうかい)処理設備を導入するなど、省エネ・環境保全・経済性に配慮した施設となっています。
災害への対応としましては、敷地内を造成し、施設が浸水等からの影響を受けずに即時に稼働ができるようにしました。調理設備の熱源にガス、電気、蒸気を使用することで、一部のライフラインが使用できなくなった場合でも機能維持ができるようになっています。
なお、大規模災害時でも本施設を稼働するための協力支援として、事業者と本施設の開所式の際に災害協定を締結します。
新しい学校給食センターは、高度な衛生管理基準に基づいた安心・安全な学校給食の提供に加え、食育の推進にも寄与し、環境にやさしく、災害にも強い施設となります。
開所式は、8月23日に予定しています。当日は、式典のほか、災害協定の締結、内覧会と試食会を行います。
中学校完全給食は、9月2日から市立中学校15校で一斉に提供を開始します。年間の実施回数は1,2年生が170回、令和6年度は108回、3年生は150回、令和6年度は92回を予定しています。
私からの説明は以上です。
質疑内容の要旨
Q記者:小学校の完全給食が実施されたのはいつか。A学校給食課長:小学校は昭和22年からミルク給食を開始しました。
Q記者:昭和22年から完全給食が始まったということか。
A学校給食課長:完全給食ですと、昭和26年からです。
Q記者:昭和26年から小学校は完全給食を実施していて、中学校は、遅れること70年ということか。この施設全体の総事業費は、(資料の)どこかに書いてあると思ったが、書いていないのか。
A市長:施設整備費用は、初期調達費用ですけれど、これが税抜きで約55億6700万円です。これは建設費とか、調理の備品ですとか、事務の備品ですとか、申請とか、全部合わせたものです。それから、運営費用がかかりますので、運営費用は14年7カ月間の運営委託を含めて、約161億円です。
Q記者:運営費の方が高いのか。
A学校給食課長:すみません。161億円というのは、整備費も含まれています。維持管理ですと、約100億7900万円となります。
Q記者:これで14年間か。
A教育総務部長:14年7カ月です。
Q記者:14年7カ月の7カ月は今年度が7カ月ということか。
A学校給食課長:そういうことです。
Q記者:令和何年度になるのか。
A教育総務部長:令和21年3月までになります。
Q記者:令和21年3月までの14年7カ月で100億7900万円。維持管理でBTO方式の運営者に支払うということか。確認するが、事業費として55億6700万円で、その後、運営費として令和21年3月までに100億7900万円かかるということでよいのか。
A教育総務部長:そうです。
Q記者:分かりました。もう1点、中学校給食は、市長が市長になるときの公約だと言っていたが、いつごろから中学校給食は課題になったのか。
A市長:私は2011年の就任ですが、その前、(市議会)議員の時代の、もっともっと前に、私はPTAの役員をしていたが、それよりも10年以上前、昭和50年代の真ん中くらいからそういう議論がありました。完全給食というか、中学校に給食を何かの形でしなくてはいけないのではないかということが、PTAなどで話題になっていました。
Q記者:昭和50年というのは1975年だが、1970年代から中学校給食の課題について、取り組んできたということか。
A市長:取り組んできたというか、課題として認識をしていました。ただ冒頭で申し上げましたけど、これだけ(給食センターとして)形をしっかりと作らなければいけないものですので、私としては、中学校給食が行われない場合にも、例えば、お弁当の発注をして充てたり、パンの発注をして充てたり、いわゆる平塚方式といわれるような、給食に代わるようなものもやってきました。しかし、やはり完全給食というものを中学生には出さないといけないという思いから、私の方から、慌てないで、しっかりと着実に進めるようにずっと指示はしてきました。
Q記者:確認すると、昭和50年代ごろから中学校完全給食に向けた取り組みを何とかしようということで、市としては取り組んできたということか。
A市長:市としては、認識は持っていたと思います。
Q記者:昭和50年代から課題として認識していたが、実現がここまできた要因は何かあるのか。
A市長:そもそも戦後、人口が増えて、横浜とか川崎とかもそうだが、一説としては学校の教育施設を造ることを、まず優先的に行ってきました。平塚も例外ではないと思います。それが進んできましたので、私が1期目のときにもすぐに(中学校給食)実現に向けての検討を始めるということで検討会などを立ち上げました。ただ、当時から平塚市には小学校28校、中学校15校ありますが、学校の校舎設備が老朽化していて、例えば、ある中学校では雨漏りがすごかったのです。これを見て、まずはだいたい1年に小学校2校、中学校1校の割合で、大規模改修を行ってまいりました。学校施設の改修というか環境整備をまずは力を入れてやらなければいけないということがありました。それと並行してこの中学校給食の実現をしっかりと考えていくようにと、担当の副市長に指示をした経緯があります。私としては、市民の皆さんには時間がかかってしまいましたが、でも形として最終的にはしっかりとした安定した中学校給食を実施できる体制ができたのかなと思っています。
Q記者:最初は学校の校舎を新設するのに時間がかかって、それが過ぎると建てたものが老朽化してきて、その修繕にお金がかかってきて、それと並行してやってきたので、この時期になったということなのか。先ほど、1日に15,000食で川崎市南部学校給食センターと同じくらいという話であったが、最大級ということか。
A教育総務部長:県内では最大級です。
Q記者:小学校28校、中学校15校で、そのうち小学校は21校の給食を作るということか。
A市長:残りの7校では自校方式です。
Q記者:調理能力が15,000食分あって、計36校分だと1日に何食になるのか。
A教育総務部長:スタートの地点ですが、今、15,100食になります。
Q記者:キャパをほぼ上回っている感じなのか。例えば、今後、少子化とかで児童・生徒の数が減った中で、キャパに余裕ができれば、例えば、高齢者施設などに余ったものを分けることは考えているのか
A市長:まだ具体的には考えていませんが、世の中の趨勢というか、動きがあります。確かに、1983年くらいをピークに小学生と中学生の数が半減しています。おかげさまで平塚市は9年連続転入超過で若い世代の人たちを含めて入ってはきてはいただいていますが、これから、全国的にみると、どうしても子どもの数が減り、人口も減るのは目に見えています。そうすると高齢化ですとか、障がいの方への対応ですとか、子ども子育ての対応とかいろいろありますので、それらを全部勘案しながら、どういうふうな形でお役に立てるのか、今後検討しなければいけないとは思っています。
Q記者:基本的なことを聞きたいのだが、ここで働く従業員は何人ぐらいいるのか。
A市長:約200人と聞いています。
Q記者:それから、15,000食と資料にある。小学校で何食、中学校で何食か。
A学校給食課長:15,100食の内訳ですが、小学生が8,400食、中学生が6,700食です。
Q記者:中学校の給食費はいくらか。
A市長:今、4800円を設定しています。月額です。
Q記者:もう一点。結構、今、無償化という話が出ている。その辺の取り組みというか、どう考えようかというのは。
A市長:給食の無償化というのが、今話題になっておりますけども、議会などでも申し上げていますけれども、まずはしっかりと給食センターを造って、中学校の完全給食の体制を作らせていただきたいということでやってきて、今回いよいよ竣工、実施をすることになりました。これを優先して取り組ませていただく中で、今後、国の援助とか、国の支えみたいなものを考えながら、どういう形で対応していったらいいのかというのは検討していきたいなと思っています。ただ、今の段階で平塚市が中学校、小学校の給食の無償化をすぐに実現できるかというと、財政的な面も含めて大変厳しいというふうに考えております。これからの懸案として。実は昨日市長会があったんですけれども、県内の各市長もやっぱり、相当それで頭を悩ませていました。どうしたらいいか。市民の皆さまからは無償化をという声が相当強い。ただ、本当にやっぱり、医療費のときもそうだったんですけど、本当は、国、県がベースをしっかりと作って、県内でも、市によって差があるというのはどうかなというふうに思いますので、今後国の方にも働きかけも含めて異次元の子育て支援ということを国も言っておりますので、もし給食の無償化を考えるのであれば、しっかりと国の支援というか、裏付けをお願いをしたいというのが今の状況です。これは懸案事項としてとらえさせていただきたいと思います。
A教育総務部長:先ほどこのセンターで働く従業員の人数のおたずねがあったと思います。おおむね200人というふうにお答えしましたが、このセンターが稼働して、事業者さんが従業員として雇用する人の数が200人という数なんですけども、各学校で給食の配膳をする人数を含めると200人ということですので、このセンターそのもので働く従業員数としてはおおむね110名と考えています。
Q記者:先ほどの施設整備費に、全部の中学校に受け入れの工事をしていたと思うが、それは入っていないのか。
A教育総務部長:入っていないです。
A学校給食課長:中学校の受け入れ施設は11億円くらいです。
A教育総務部長:中学校15校で約11億円です。
Q記者:アレルギー対応が、何に対応するのか。アレルゲンを教えてもらいたいのと、この調理場が県内最新になるが、特に最先端の施設で、例えばこれまでできなかったこんな献立を出せますよっていうのが、具体的に、こういう進んだものができますよっていうものが知りたい。
A教育総務部長:先にアレルギーの話からさせていただきます。現状では特定原材料である、8品目、卵、乳、小麦、エビ、カニ、そば、落花生、くるみのうち、卵と乳、乳製品、エビについては、除去食の対応としていますので、最初から入れていないです。給食の献立とか食材に落花生とかそば、くるみは最初から使用しないこととしております。
Q記者:対応するのは、卵、乳、エビのアレルギーの人には除去食が出せるということか。
A教育総務部長:はい。
A学校給食課長:炊飯設備が今までの共同調理場にはなかったのですが、ここで炊飯設備を導入いたしますので、今まで委託炊飯の提供だったものが、受配校にも白米だけではなくて、炊き込みご飯ですとか、混ぜご飯も提供することが可能となります。委託炊飯で週3回だったのですが、ここで自前の炊飯設備を導入いたしますので、週4回程度のご飯の提供ができるようになります。また、中学校給食を始めますので、食育推進を図ることができると思います。中学校給食を使って、食の指導ですとか。今までは給食がなかったので、そういった給食を利用することができなかったのですが、給食による食育の推進を図ることができることと、後で見ていただきますけども、食育、展示コーナーとか、見学コースなんかもございますので、子どもたちに社会見学に来ていただいて、回転窯ですとかエアシャワーなんかもありますのでそういったものを体験していただくということもできます。
Q記者:最新鋭の設備みたいなものは何ですかという質問は。
A教育総務部長:例えば衛生管理の面で、食材を受け入れるところにシャッターがついているが、外から受け入れるときにそのシャッターが開いているときは内側の自動ドアが開かない。また、物が入るときにエアシャワーが流れるですとか、調理員が調理場の中に入るにあたって、エアシャワーを浴びた後に、手をアルコールで消毒するのですが、その消毒を済ませないと、中への自動ドアが開かないとか、そのような仕組みがございます。衛生管理の面ではそういうことと、アレルギー対応については、中学校エリアと小学校エリアにそれぞれ除去食を作る専用の部屋を造りまして、そこに入る調理員というのは他の調理エリアには出ずにアレルギー食だけを専門に作るような作りになっております。そこもアレルギー食を作るところは、空気圧を調整するなどして、より衛生管理が保たれるような仕組みになっております。
Q記者:アレルギー対応は、卵と乳とエビ・カニの三つでよいか。除去食が出るというのは。
A学校給食課長:除去食を代表するのは卵と、乳・乳製品、エビ。3種類です。
Q記者:今までは、給食ができる前は、弁当だったのか。
A教育総務部長:中学校はそうですね。弁当をご持参いただくか、朝学校でパンとかを注文していただきます。
Q記者:自校方式の小学校7校以外は何だったのか。
A教育総務部長:共同調理場からです。
Q記者:中学校給食に期待する効果とかをもう一度話してほしい。
A市長:中学生というのは育ちざかりですし、栄養価の高い、しっかりとした食事を昼食でとってもらえるということは子ども子育ての大きな力になると思うんですね。今特に、パパママは、大きな働き手でもありますし、働き方の面からしても(お子様が通う)中学校の給食をしっかりと提供できるということは今の時代に即した大きな力になるのではないかなと思っています。小学校はありますが中学校には今までありませんでしたので、栄養価の高い昼食をとってもらうことで、これからしっかりとした体を作ってもらい、将来に向けて大きく言えば、この市、エリアを支えてもらう子どもたちの大きな力になると思っていますので、その辺の効果を期待しています。
定例市長記者会見における質疑内容を広報課広報担当でとりまとめて掲載しています。
記者発表資料
平塚市担当 学校給食課中学校給食推進担当 諸星
電話 0463-35-8119
学校給食センターが完成
9月から中学校完全給食を開始
この度、「平塚市学校給食センター」が完成し、令和6年9月から小学校21校および中学校15校へ給食の提供を開始します。本市では、中学校15校への完全給食は「共同調理場方式」として計画を進めるとともに、現在の共同調理場2場の統合・移転を含めた新たな学校給食センターの整備・運営を民間資金活用による社会資本整備(PFI)事業として取り組んできました。
施設概要
施設名称
平塚市学校給食センター所在地
平塚市田村9丁目23番1号敷地面積
16,137.48平方メートル建築面積
7,037.18平方メートル延床面積
9,116.87平方メートル建物構造
鉄骨造 地上2階建て調理能力
15,000食/日(食物アレルギー対応食(除去食)150食/日)小学校分3献立 中学校分2献立
配送校
小学校21校・中学校15校 計36校事業方式
PFI(BTO)方式事業者
株式会社 ひらつか学校給食サービス(代表企業 株式会社東洋食品)施設の特徴
調理エリア
リスク管理の観点から小学校・中学校の給食調理エリアを壁で隔て、動線計画、空間構成を分離した1棟2場方式としています。HACCP(ハサップ)の概念に基づく高度な衛生管理
HACCPの概念に基づき、「非汚染作業区域」、「汚染作業区域」および「一般区域」に区分し、食材の荷受け・調理・配送まで、後戻りがないワンウェイの調理動線を確保して交差汚染を防止するなど、衛生管理を徹底します。炊飯設備
炊飯設備を導入することで、米飯給食の提供回数を現在の週3回程度から週4回程度に増やし、献立の拡充を図ります。食物アレルギー対応食調理室の設置
通常の調理エリアとは別に、食物アレルギー対応食専用の調理室を設置しています。食物アレルギー対応食を調理し、専用の容器に入れ、配食します。室内の空調正圧レベルは、施設内で最も高くすることで、空気中にアレルゲン進入を防止し、アレルギー物質の混入防止を徹底しています。食育の推進
煮炊き調理室等が2階から見学できるよう「見学窓」を設けています。また、展示ホールでは、実際に調理や衛生管理を体感したり、ライブカメラ映像で各調理エリアの様子を見たりできます。さらに食への関心と理解を深めるため、料理教室が開催できる調理室を設置しています。環境への配慮
PPAモデルにより太陽光発電設備を設置し、環境負荷の低減を図ります。また、生ごみを減容化する厨芥(ちゅうかい)処理設備を取り入れ、省エネ、環境保全、経済性に配慮したシステムを導入します。災害時対応
敷地内を造成し、施設が浸水等からの影響を受けずに即時に稼働できるようにしています。また、調理設備の熱源をガス、電気、蒸気にすることで、一部のライフラインが使用できなくなった場合でも機能維持ができるベストミックスによる設定としています。大規模災害時にはPFI事業者による炊き出し等の協力支援のための災害協定を締結します。