3月定例市長記者会見 平塚市美術館で開館20周年記念展を開催

平成23年3月30日

平塚市側の説明

大藏市長:
 おはようございます。大震災から今日は20日目ではございますが、いまだ危機的状況を脱しているとはいえないというふうに思っています。本市としてはできるかぎりのことでやっていきたいと取り組みを続けているところでございます。本日はそういうことがありまして、節電のために消灯のまま、定例記者会見を行わさせていただきます。
 それから、私にとりましては最後の定例記者会見となりました。2期8年、皆さまにはお付き合いをいただきました。至らない点がたくさんあったと存じますが、ご寛容いただいたことに心から感謝申し上げます。この8年間、いろいろとお世話になり、ありがとうございました。
 では本日のテーマに移らせていただきます。
 最初は、平塚市美術館で開館20周年記念展を開催するということでございます。ご承知のとおり、平成3年3月に開館いたしました平塚市美術館は、平成23年度に開館20周年を迎えます。当館は海外から湘南ゆかりの作家までを紹介します展覧会を総計97回開催してきております。この間に、入場者が1位だったのは、平成21年に開いた「わたしがえらんだ いわさきちひろ展」の39844人、2位は平成3年、平塚市美術館開館記念として開催したスイス プチ・パレ美術館名品展の38911人、そして3位が平成8年に開きました平塚市美術館開館5周年記念展のミレーとバルビゾン派の画家たちで36774人を記録しております。その他に美術館はワークショップなどの教育活動や、アートギャラリーで市民に大いに親しまれてきたと思っております。
 開館20周年記念事業といたしまして「画家たちの二十歳の原点」、「花ひらくエコール・ド・パリの画家たち」、「伊東深水―時代の目撃者」の3つの企画展を開催いたします。その第1弾は「画家たちの二十歳の原点」でございます。本展では、一部創作版画もございますが、油彩画120点に焦点をしぼりまして、明治、大正、昭和そして現代にいたる画家たちの二十歳前後の作品を集めて、その創作の原点を探るというものでございます。
 主催は平塚市美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会。会期は平成23年4月16日から53日間。そして協賛にライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網でございます。観覧料は一般が800円、高大生が500円で、団体割引もございます。そして、中学生以下と毎週土曜日の高校生、そして、各種障がい者手帳の交付を受けた方と付添の方1名、そして65歳以上で、平塚市民の方々は無料でございます。
 展示内容でございますが、人生においてもっとも多感でナイーヴな十代の最終章、二十歳という象徴的な時期は、多くの芸術家にとって表現の原点であり、出発点にも位置付けられるものです。この時期、未熟と成熟とが葛藤しつつ、世界との関係の中で客観的な自己の形を作り始めると言われております。青木繁や村山槐多、関根正二、佐伯祐三、三岸好太郎、また現代では難波田史男、石田徹也のような典型的な夭折の画家はもとよりでございますが、長い活動に生きた芸術家たちもまた、この時期の作品に創作の核となる初々しくも痛切な感性のほとばしりを見ることができるのだそうでございます。
 本展覧会は、明治、大正、昭和そして現代までの画家たちの二十歳前後の作品を集め、その創作の原点を探ります。各時代の青春期の作品を一堂にならべることによりまして、別個に語られがちな近代と現代の美術を同一の地平で考える機会にもなるはずでございます。さらに、世代の異なる画家たちが青春期に描いた作品群は、その真摯でひたむきな態度によって、現代の若い世代への力強いメッセージとなるはずだと思っております。
そのように各時代の画家たちが苦闘し悩みつつも世に残した、清冽な作品の数々がご覧いただける展示内容になっているというものでございます。
 それから、関連事業といたしまして講演会が2つ行われます。1つは現代アーティストの会田誠氏によります「二十歳の原点をかたる」でございまして、4月30日に行います。講演会の二つ目は信濃デッサン館・無言館館主であります窪島誠一郎氏の講演「画家たちの二十歳の原点」でございます。これは5月15日に開催いたします。そのほか、担当学芸員によるギャラリートークが5月1日、6月4日に開催することとなっております。
 それから20周年の記念展の今後の記念事業でございますが、7月16日からは「花ひらくエコール・ド・パリの画家たち」、そして、10月22日からは「伊東深水-時代の目撃者」を開催いたします。
 これらの企画展のほかに、特集展といたしまして、「北大路魯山人展」を二十歳の原点展と同時期に開催いたします。そのほか、当館にはたくさんの所蔵作品がございますが、それらを「アーティストin湘南 I~III」として展示をする予定になってございます。以上のとおり、記念すべき年に、開館時の原点を振り返り、新たなスタートを切るべく、企画展から所蔵品展まで多彩な展覧会を開催をする、これが平塚市美術館で開館20周年事業を開催する中身です。皆さまがたにはぜひご覧になっていただき、紙面でとりあげていただくと幸いです。


質問は特にありませんでした。

 


定例市長記者会見における質疑内容を広報・情報政策課広報担当でとりまとめて掲載しています。

 

記者発表資料

平塚市
担当 美術館 学芸担当 土方
電話 0463-35-2111

平塚市美術館で開館20周年記念展を開催

 

 平塚市美術館は、平成23年度に開館20周年をむかえます。平成3年3月に開館した当館は、「平塚市美術館開館記念 スイス プチ・パレ美術館名品展」を皮切りに、海外展から湘南ゆかりの作家までを紹介する展覧会を総計97回開催しています(入場者数1位わたしがえらんだ いわさきちひろ展・39844人 平成21年、2位平塚市美術館開館記念 スイス プチ・パレ美術館名品展・38911人 平成3年、3位平塚市美術館開館5周年記念展 ミレーとバルビゾン派の画家たち・36774人 平成8年)。その他、ワークショップなどの教育活動、アートギャラリーで市民に親しまれてきました。
 平成23年度は、開館20周年記念として「画家たちの二十歳の原点」、「花ひらくエコール・ド・パリの画家たち」、「伊東深水―時代の目撃者」の3つの企画展を開催いたします。(20周年記念事業の総予算:約3500万円)
 20周年記念展の第1弾は「画家たちの二十歳の原点」です。本展では、油彩画(一部創作版画)120点に焦点をしぼり、明治、大正、昭和そして現代にいたる画家たちの二十歳前後の作品を集め、その創作の原点を探ります。

 開館20周年記念展「画家たちの二十歳の原点」

 会期 平成23年4月16日(土)~6月12日(日) 53日間

 開館時間 午前9:30~午後5:00(入場は午後4:30まで)

 休館日 月曜日

 主催 平塚市美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会

 協賛 ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網

 会場 平塚市美術館
     〒254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
     電話 0463-35-2111 ファクス 0463-35-2741
     JR東京駅から東海道線で約1時間。JR平塚駅より徒歩20分。または平塚駅東改札口(北口)より神奈川中央交通バス4番乗り場乗車「美術館入口」または「日産車体前」下車。無料駐車場70台。

 観覧料  一般800(640)円、高大生500(400)円
  (  )内は20名以上の団体料金
  中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
  各種障がい者手帳の交付をうけた方と付添1名は無料
  65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金

展示内容

  人生においてもっとも多感でナイーヴな十代の最終章、二十歳という象徴的な時期は、多くの芸術家にとって表現の原点であり、出発点にも位置づけられます。この時期、未熟と成熟とが葛藤しつつ、世界との関係の中で客観的な自己の形を作り始めるのです。青木繁、村山槐多(むらやまかいた)や関根正二、佐伯祐三、三岸好太郎、現代では難波田史男、石田徹也のような典型的な夭折(ようせつ)の画家はもとより、長い活動に生きた芸術家たちもまた、この時期の作品に創作の核となる初々しくも痛切な感性のほとばしりを見ることができます。
 本展覧会では油彩画(一部創作版画)に焦点をしぼり、明治、大正、昭和そして現代までの画家たちの二十歳前後の作品を集め、その創作の原点を探ります。そこにはそれぞれの時代における精神と自我の表れの違いが見られるでしょう。と同時に、時代を超え共通する感性の発露も見られるに違いありません。また、各時代の青春期の作品を一堂にならべることにより、別個に語られがちな近代と現代の美術を同一の地平で考える機会ともなるはずです。さらに、世代の異なる画家たちが青春期に描いた作品群は、その真摯でひたむきな態度によって、現代の若い世代への力強いメッセージとなるはずです。
 是非この機会に各時代の画家たちが苦闘し悩みつつも世に残した、清冽な作品の数々をご覧ください。

関連事業

講演会1 会田誠 二十歳の原点をかたる  申込不要・先着順
 講師 会田誠氏(現代アーティスト)
 日時 4月30日(土)午後2:00~3:30 場所 ミュージアムホール

講演会2 画家たちの二十歳の原点  申込不要・先着順
 講師 窪島誠一郎 氏(信濃デッサン館・無言館館主)
 日時 5月15日(日)午後2:00~3:30 場所 ミュージアムホール

担当学芸員によるギャラリートーク  申込不要・要観覧券
 日時 5月1日(日)、6月4日(土)各回 午後2:00~3:00 場所 展示室1

 今後の記念事業

 7月16日から9月4日まで開催予定の「花ひらくエコール・ド・パリの画家たち」では、北海道立近代美術館のコレクションから、1920年代~30年代のパリで活躍したパスキン、シャガール、ローランサン、藤田嗣治などの画家たちの油彩画・デッサンなど約140点紹介します。
 10月22日から11月27日まで開催予定の「伊東深水-時代の目撃者」では、鎌倉市で過ごし、美人画家として知られる伊東深水の日本画約100点を紹介します。浮世絵師の系統をひく深水を、大正・昭和の社会風俗を写し取った画家として捉えなおす展覧会です。
このほか、特集展として、美食家として知られる北大路魯山人の器を紹介する「北大路魯山人展」、当館の所蔵作品を展示する「アーティストin湘南1 ~3」を予定しています。記念すべき年に、開館時の原点を振り返り、新たなスタートを切るべく、企画展から所蔵品展まで多彩な展覧会を開催します。