埋蔵文化財の取扱い

埋蔵文化財とは

 「土地に埋蔵されている文化財」(文化財保護法<PDF形式:194KB>第92条第1項)のことを埋蔵文化財といい、一般には、貝塚・古墳・集落跡・城跡等の「遺構」や、土器・石器・金属製品・木製品等の「遺物」、そしてこれらを包括する概念である「遺跡」と呼ばれるものを指します。
 埋蔵文化財の所在については、「周知の埋蔵文化財包蔵地」として神奈川県遺跡台帳に記されています。これらは、地表面の遺物の散布や客観的状況によって存在が認識される土地のほか、過去の文献や地誌、地域の伝承や口伝から地域住民によって知られる土地を含んでいます。
 
 

埋蔵文化財保護の必要性

 土地の掘削等により現状が改変され、遺跡が破壊されると、遺跡が本来もっている様々な情報が引き出せなくなります。生き物に例えれば死んでしまったのと同じであり、生命を失ったものは何も語ってはくれません。一般に、「発掘調査」が埋蔵文化財の性格・内容を知る最も良い方法と言われますが、発掘を行なうこと自体遺跡の破壊行為であり、記録を残せたにせよ、大半の遺跡は調査が終われば死んでしまいます。
 埋蔵文化財が国民共有の財産であるということは、それが後世の人たちの財産でもあるということを意味します。また、発掘調査の方法も日々進歩しており、調査を将来の方法に委ねればより詳細な情報が得られるとともに、優れた保存方法などが考え出される可能性もあります。したがって、遺跡の活用を踏まえた学問的な対応が可能となるまで、現状のまま保存するのが最も望ましいのですが、土木工事等で現状保存できない場合、やむ得ぬ措置として発掘調査を行い、文化財の持つ貴重な情報を記録の形で後世に残す必要があるのです。
 

開発事業と埋蔵文化財の取扱い

事前協議


 事業の種類・規模等によらず土木工事等を計画されたときは、その予定地が埋蔵文化財の保護措置が必要な地域なのかどうか、事前に市教育委員会社会教育課に照会していただく必要があります。埋蔵文化財は、一般的に目に見えない状態にあるため、かなり不確定要素の強いものとなっています。このため、不測の事態が生じる可能性が十分に考えられ、その点を踏まえた上での協議がなされていないと、後になって収拾のつかないことになってしまいます。開発事業等を円滑に行うためにも、事前協議・照会はできるだけ早い時期にしていただくようお願いします。
 なお、協議が必要な区域は、必ずしも周知の埋蔵文化財包蔵地だけに限らないので御注意ください。 
 手続きのフローチャート(PDF形式:126KB)
  

試掘確認調査

 
 事業予定地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当する場合、また、周知の埋蔵文化財包蔵地外であっても遺物の散布等により事業予定地内に遺跡の存在が予測される場合に、事前協議に伴い実施します。これは、遺跡の存否や範囲・密度、時代・性格、遺跡の出土レベル等の把握を目的としたもので、通常、この結果に基づき神奈川県教育委員会からの指示が事業者に通知されることとなります。試掘確認調査の方法(PDF形式:399KB)は、土木工事の規模や遺跡の状況などにより一様ではありませんが、一例として事業区域が1,000平方メートル程度であれば、4m×2mの試掘坑を数ヵ所ほど掘削して実施します。この場合、重機を使用すれば1日~2日で終了します。

 試掘確認調査実施依頼書(PDF形式:123KB)
 

 事前の届出等
 

  事業予定地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当する場合は、事業着工の60日前までに、神奈川県教育委員会へ土木工事を実施する旨の届出又は通知することが義務づけられています(文化財保護法第93・94条)。事業計画が平塚市内の場合には、平塚市教育委員会が届出の窓口になります。所定の用紙を備え付けておりますので、事前協議の際に必要図面を添付して提出(PDF形式:1005KB)してください(平塚市では、他の事業との混乱を避けるため、この届出に伴い「埋蔵文化財事前相談書」を提出していただいています)。また、工事中に埋蔵文化財を発見した時も、その現状を変更することなく遅滞なく神奈川県教育委員会へ届出又は通知しなければならないと定めてられており(文化財保護法第96・97条)、文化財保護法第93・94条の届出・通知とほぼ同様の手続きが必要になります。これらの届出等は、受付けの後、神奈川県教育委員会へと進達されます。
 なお、神奈川県教育委員会は、文化財保護法第96条の届出の有無に係わらず遺跡が発見され必要と認めたときは、工事の停止・禁止の命令を出すことができます(文化財保護法第96条第2項)。

 文化財保護法93条の届出(表)(PDF形式:87KB)
 文化財保護法93条の届出(裏)(PDF形式:110KB)
 記入要領(PDF形式:244KB)
 
 

神奈川県教育委員会の指示

 
 届出に対し、神奈川県教育委員会から指示があります。市教育委員会は、その指示に基づき遺跡の具体的な取扱いについて事業者と協議することになります。指示の内容は、概ね次のとおりとなっています。
 

  1. 記録保存のための発掘調査の実施
  2.  市教育委員会等の職員立会いのもと工事
  3. 慎重に工事

 このうち、事前に発掘調査が必要とされるのは1で、2・3は、遺跡の状況や土木工事の内容から発掘調査までは必要とされないケースの指示事項です。
 発掘調査が必要とされるのは、原則として次のいずれかに該当する場合となっています(平成11年3月31日文第707号神奈川県内における開発事業等に伴う埋蔵文化財の取扱基準)。
 

  • 工事により埋蔵文化財が掘削され、破壊される場合
  • 掘削は埋蔵文化財に直接及ばないが、工事によって埋蔵文化財に影響を及ぼすおそれがある場合
  •  一時的な盛土や工作物の設置の場合で、その重さによって埋蔵文化財に影響を及ぼすおそれがある場合
  • 恒久的な工作物の設置により相当期間にわたり埋蔵文化財と人との関係が絶たれ、当該文化財が損壊したのに等しい状態となる場合

発掘調査

 「記録保存のための発掘調査」の指示があったときは、工事に先立ち発掘調査を実施していただくことになります。
 発掘調査は、精密な手作業による学術的な調査であるため、誰にでもできるという訳ではありません。また、充分な期間を必要としますので、調査期間の確保と事業計画の調整をお願いします。
 

 発掘の範囲
 

 工事によって消滅してしまう遺跡について発掘調査し、記録を作成してこれを保存するということなので、必ずしも事業区域の全てが調査の対象となるわけではありません。例えばマンション等の建築計画で発掘調査が必要となったとします。その際、併設する駐車場等については土地に手を加えないか、又は舗装などの行為を行なったとしてもそれが埋蔵文化財に影響を及ぼすものでなければ、その部分の発掘調査の必要はありません。
 

出土品等の整理及び報告書の刊行


  現場での発掘調査で得られた記録・出土品等を分類、写真撮影、図化することによって整理作業を行い、その成果を報告書としてまとめ、刊行します(文化財保護法第92条第2項)。この報告書の刊行をもって、記録保存のために実施した発掘調査が完了することになります。
 

 発掘調査の費用負担


  事業者が負担するのを原則としています。いわゆる原因者負担の原則で、これは開発という自らの利益行為のためやむなく記録保存のための調査を行なうことになったのですから、原因者である事業者が費用負担しなければならないという考えに基づくものです。負担の範囲は現場での発掘調査のほか、報告書の刊行までが含まれます。

 

 遺跡の保存 


 史跡指定等が必要と考えられる重要な遺跡が発見されたときは、その保存について文化庁又は県・市教育委員会と協議が必要になる場合があります。

普及・啓発・活用

出土品等の活用

 
 遺跡からの出土品は遺失物として扱われますが、神奈川県教育委員会が文化財と認め、所有者が判明しない場合は神奈川県に所有権が帰属します。これらの出土品は博物館などで公開され、文化財資料として活用されることになります。これにより、開発によって消滅した遺跡が初めて日の目を見ることとなります。また報告書は、各地の研究機関・図書館等で資料として活用され、考古学研究等の発展を導くとともに、その成果が次の遺跡の整備・復元などにも反映されることになります。
 
 

遺跡の整備・復元
 
 

 既に史跡指定等で保存されている遺跡や、土木工事に伴い発掘調査された遺跡の中でも幸いに保存措置が図られたものについては、現状のまま後世に残していくことが望ましいのですが、一部は史跡公園などとして整備・復元し、一般に公開していくことも大切なことといえます。特に復元については、教育的見地から学術研究に基づき適正に行われなければなりません。今日、全国各地でこうした整備・復元が行われるようになってきており、生活環境や学習環境に寄与するものとして遺跡が生かされています。
 

市内の遺跡について


 神奈川県中央部にあって相模湾に面する平塚市は、東の相模川、西の金目川に形成された肥沃な沖積平野が市域の約6割を占め、西部に大磯丘陵・伊勢原台地が控えます。
 古来から農業の生産性が高く、海の恵みも豊富で、多くの人たちがこの地を生活の拠り所としてきました。
 遺跡は、西部丘陵から平野部に至る各所に分布し、その一部が貝塚、古墳、城跡などとして知られています。貝塚遺跡としては広川の五領ヶ台貝塚が著名で、出土した土器は南関東地域で縄文中期初頭の標式土器とされ、遺跡は国の史跡に指定されています。
 代表的な古墳としては真土大塚山古墳があり、4世紀代に築造されたといわれています。出土遺物にはヤマト政権との係わりを示す銅鏡もあり、県内の他地域に比べ支配権力のいちはやい萌芽を物語るものとして注目されます。
 また、城郭遺跡としては、鎌倉幕府創設の功臣・岡崎四郎義実ゆかりの岡崎城があり、西相模支配の拠点の一つとして16世紀頃まで重きをなしました。
 これらの遺跡は、比較的早くからその歴史的価値が認識されていましたが、最近の発掘調査の成果では、真土・四之宮地区を中心に奈良・平安時代の大集落址の存在が明らかになり、貴重な出土品や古文献等から相模国府(中央政府により設置された国の役所)の所在地として有力視され、脚光を浴びています。武家政権が発祥した鎌倉よりも早く、相模国の中心としての役割を担い、多くの人々が居住していたのではないかと考えられます。

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社会教育課

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代表電話:0463-23-1111
直通電話:0463-35-8123(社会教育担当) /0463-35-8124(文化財保護担当)
ファクス番号:0463-34-5522

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