市長コラム

 市長が市政などに関する思いをつづった「市長コラム」を、広報ひらつか第3金曜日号に掲載しています。
 広報ひらつかに掲載した「市長コラム」の内容をご紹介します。

令和3年(2021年)12月

地道な活動の成果

  • 軽石の写真 平塚海岸に漂着した軽石など。色調はさまざま
 先月、友好都市の岩手県花巻市を訪問したところ、最初に聞かれたのが「軽石の被害は大丈夫ですか」でした。平塚市の軽石対策が取材され、テレビニュースで流れていたのを見たそうです。

 小笠原諸島、南硫黄島近海の海底火山「福徳岡ノ場」から8月に噴出した軽石は沖縄県などに流れ着き、漁業や観光業の被害が報告されています。この場所では1986年にも噴火がありました。

 5年後の1991年9月、平塚市虹ケ浜の海岸で、帯状に打ち上げられた軽石(写真右上)が博物館の活動で発見されました。その後の調査で、この軽石は福徳岡ノ場由来であることが判明しています。一度どこかに漂着した軽石が台風などの影響で海に戻り、5年がかりで相模湾にたどり着いたと考えられます。

 今回の「軽石問題」で平塚市に取材があった理由の一つは、博物館がこのような過去の活動記録を公開しているからです。1991年に発見された軽石も今回の事態を受け、常設展示で公開しています。

 1976年に開館した平塚市博物館は「地域博物館」として、地域の資料や情報を収集・蓄積し、研究してきました。それは価値が定まったものばかりでなく、それぞれのテーマに沿って資料の収集状況や情報などを詳しく記録しています。研究によって新たな価値が見いだされることや、何年も後になって重要な意味を持つこともあります。

 例えば、軽石は噴出した時代や場所が異なる数種が保存されており、今回、その一つが日の目を見ることになりました。また、市民とともに続けてきた調査で採取され、収蔵されていたキノコの標本は、19年の歳月を経た後、2014年に専門家の研究で新種と認められました。

 軽石やキノコだけでなく、古文書や石仏、土器や流星の記録などは、市民の共有財産です。長年にわたる地道な活動の成果は現在に生かされ、未来の市民へと伝えられていきます。
 

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