認知症とは

認知症とは

認知症とは、様々な原因による脳の神経細胞の働きの低下に伴い、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいいます

加齢による物忘れと、認知症による物忘れの違い

  違い
加齢によるもの忘れ 体験の一部が抜け落ちる
ヒントを与えれば思い出せる
食べたものを忘れる
認知症によるもの忘れ  体験の全体が抜け落ちる
ヒントを与えても思い出せない
食事したこと自体を忘れる

認知症の「中核症状」と「行動・心理症状」

認知症の症状には共通してあらわれる「中核症状」と本人の性格や生活状況、ケアなどの仕方などが影響して起こる二次的な「行動・心理症状」があります。
  • 「中核症状」は治すことは難しいですが、治療やケアによって進行を遅らせることは可能といわれています。
  • 「行動・ 心理症状」は人によって様々ですが、適切な治療やケア、周囲の対応などによる改善が期待できます。
中核症状 記憶障害 新しいことが覚えられない
覚えているはずの記憶を思い出すことができなくなる
実行機能障害 旅行や料理など、計画や手順を考え、行動することが困難になる
見当識障害 時間、日付、季節感、場所、人間関係などの把握が困難になる
理解・判断力の障害 考えるスピードが遅くなる
同時に2つ以上のことができなくなる
行動・心理症状 妄想(現実には起きない思い込み)、幻覚(その場にないものが実際にあるように見えたり聞こえたりする)、攻撃的な言動、道に迷う、無気力、便をいじるなど排泄の混乱、過食など食行動の混乱 など

認知症の種類

認知症の原因となる病気

認知症の原因となる病気にはさまざまな種類があり、病気によって症状は異なります。
代表的な認知症には次の4つのタイプがあります。
 
  特徴など 主な症状
アルツハイマー型認知症 一番多い認知症
  • もの忘れ
  • 物事の段取りが悪くなる
  • 日時や場所がわからない
  • 症状は穏やかに進行する
脳血管性認知症 脳梗塞、脳出血、 脳動脈硬化などが原因
  • 意欲低下
  • 感情のコントロールがうまくいかない
  • 手足のまひがある
レビー小体型認知症 幻視が起こる
  • 幻視・妄想
  • 日によって、もの忘れの症状に変動がある
  • パーキンソン症状がみられる (手足の震え、小刻み歩行など)
前頭側頭型認知症 自分本位な行動が目立つ
  • 性格の変化
  • 社会ルールが守れなくなる(万引きや無銭飲食など)
  • 同じ行動を繰り返す
  • 初期の物忘れは目立たず、比較的若い年齢で発症する

軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)とは 物忘れの自覚があり、実際の年齢に比べて記憶力が低下しているものの、日常生活には支障がない状態です。
 軽度認知障害(MCI)の段階で発見し、認知機能の低下を予防する生活習慣を実践するなど適切に対処すれば、認知症への移行を防ぐ、または先送りできるといわれています。
 

若年性認知症

「若年性認知症」とは 65 歳未満で発症した認知症のことを言います。
物忘れや徘徊など、症状は高齢者の認知症と重なることが多いですが、「若年性認知症」の方には、病気に対する苦しみだけではなく、働き盛りであったり、子育て中であったりすることから、これらに付随する様々な問題が生じます。
詳しくは若年性認知症のページをご覧ください。

段階別の本人の様子、対応のポイント

認知症の段階 健康な状態 軽度認知障害(MCI) 認知症(軽度) 認知症(中等度) 認知症(高度)
日常生活を自立して過ごせる 認知症ではないが、年齢相応に認知機能が低下した状態 誰かの見守りがあれば日常生活は自立 日常生活を送るには支援や介護が必要 常時専門医療や介護が必要
本人の様子
  • 健康づくり・介護予防に取り組む
  • 家族や友人、地域とのつながりを大切に
  • もの忘れが増えるが自覚もある
  • 外出がおっくうになる
  • 同じことを何度も聞くようになる
  • 料理や買い物、金銭管理など度々失敗する
  • 「物を盗られた」等の発言が聞かれる
  • 身だしなみを気にしない
  • もの忘れの自覚がない
  • 車いすやベッド上での生活が中心になる
  • 言葉による意思疎通がはかりにくい
家族の心得
対応のポイント
本人と一緒に認知症予防に取り組む
  • 気になったら早めにかかりつけ医師等に相談を
  • 家庭内での役割の継続を
  • 忘れることを指摘することは逆効果になりやすく、傾聴や共感の姿勢を意識する
  • 今後の生活設計をする
  • 自分時間を大切に
  • 残された能力を活用する
  • 症状が強い場合には早めの受診を心がける
  • 本人が安心できる環境づくりを心がける
  • どんな最期を迎えるか家族間でよく話し合う

認知症の方への接し方

認知機能が低下することで、色々な事がわからなくなるようでも、その人らしさや感情が無くなっている訳ではありません。
関わり方次第では介護者を悩ませる行動・心理症状の多くを和らげることができます。

認知症の方と接するときに心がけたい3つの「ない」

驚かせない

突然後ろから声をかけたりせず、ゆっくり近づいて相手の視野に入ってから声をかけましょう

急がせない

一度にたくさん話しかけたり複数で囲んだりせず、相手の反応をうかがいながらゆっくりと会話をしましょう

自尊心を傷つけない

失敗を責めたり叱ったりせず、気持ちに寄り添った対応を心掛けましょう

具体的な7つのポイント

  1. まずは見守る
  2. やさしい口調で
  3. 穏やかにはっきり話す
  4. 言葉に耳を傾けゆっくり対応
  5. 後ろから声をかけない
  6. 声をかけるときは1人で
  7. 余裕を持って

共生社会の実現を推進するための認知症基本法

2024年1月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。
認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望をもって暮らすことができるようにするための法律です。
認知症の人を含めた、国民一人一人がその人格と個性を尊重して支えあう、共生社会を実現するための礎としての役割もあります。法では7つの基本理念が定められています。

基本理念

  1. 全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活及び社会生活を営 むことができる
  2. 国民が、共生社会の実現を推進するために必要な認知症に関する正しい知識及び正しい理解を深めることができる。
  3. 認知症の人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるものを除去することにより社会の対等な構成員として、自立した日常生活を営むことができるとともに意見を表明する機会及び社会活動に参画する機会の確保を通じて、その個性と能力を十分に発揮することができる。
  4. 認知症の人の意向を十分に尊重しつつ、良質かつ適切な保健医療・福祉サービスが切れ目なく提供される
  5. 認知症の人及び家族等に対する支援により、地域において安心して日常生活を営むことができる
  6. 認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすための社会参加の在り方及び認知症の人が他の人々と支え合いながら共生することができる社会環境を整備する
  7. 教育、地域づくり、雇用、保健、医療、福祉その他の各関連分野における総合的な取組として行われる

認知症に関する情報(外部リンク)

認知症施策(厚生労働省)

認知症介護情報ネットワーク

認知症介護研究・研修センターが運営する、認知症ケアに関する情報ネットワークです。

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直通電話:0463-21-9622(高齢福祉担当) /0463-21-9621(高齢者相談支援担当)
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