受動喫煙と健康
最終更新日 : 2025年11月11日
たばこのからだへの影響
たばこの煙の成分
有害な物質は喫煙者が吸う煙(主流煙)よりも、たばこの点火部から立ち上げる「副流煙」により多く含まれています。
| ニコチン | 依存性のある有害物質です。 また、血管を収縮させる働きがあり、血管や心臓に負荷をかけます。 |
| タール | 発がん物質や発がん促進物質が数十種類ふくまれています。 |
| 一酸化炭素 | 血管を傷つけて動脈硬化を早め、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの危険が高まります。 また、赤血球のヘモグロビンと結合して体を酸欠状態にし、持久力や作業効を低下させます。 |
喫煙している本人への影響
たばこを吸うと肺がんをはじめとして全身の様々ながんになるリスクを高めます。また、喫煙は脳卒中や心臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む呼吸器疾患、糖尿病、歯周病など様々な病気のリスクを高めます。

出典:「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書 スライド集」
- がんのリスク:たばこは肺がんをはじめとして喉頭がん、口腔・咽頭がん、食道がんなど全身の多くのがんになるリスクが高くなります。
- 虚血性心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患など多くの疾患になるリスクが高くなります。
- 妊娠中の喫煙:妊娠中の喫煙は母体への影響だけでなく、低出生体重児や流・早産などのリスクが高くなります。
- 出産後の母の喫煙:母乳を与えている場合は、乳汁を通してニコチンが赤ちゃんにも入ります。
受動喫煙の影響
たばこの有害物質は、副流煙に多く含まれています。
乳児では、乳幼児突然死症候群との関連が指摘され、子どもに対しては、呼吸器疾患(喘息、気管支炎など)との関連があるとの報告があります。
加熱式たばこの危険
「加熱式たばこ」とは、たばこ葉を燃焼させずに電気的に加熱し、ニコチンと化学物質を含んだエアロゾル(霧状)を発生させ、吸入するタイプのたばこ製品です。
加熱式たばこは喫煙者本人及び周囲への健康影響や臭いなどが紙巻たばこより少ないという期待から、使い始める人が増えています。
平成26年から加熱式たばこが販売されました。販売されて間もないですが、加熱式たばこの主流煙に健康影響を与える有害物質が含まれていることは明らかになっています。ただ現時点までに得られた科学的知見では、加熱式たばこの受動喫煙による将来の健康影響を予測することは困難なため、今後も研究や調査を継続していくことが必要と評価されています。つまり、どのような健康被害があるかは、まだ研究段階です。
2020年4月に改正された健康増進法では、加熱式たばこは規制の対象です。禁煙場所での使用が禁じられています。
たばこはなぜ20歳からなの?
喫煙が20歳からと制限されている理由は、成長期の体に影響を与えるからです。
20歳未満で吸い始めると、20歳になってから吸い始めるよりも依存しやすく、禁煙しにくくなります。また、20歳未満から吸い始めると、身体への影響が大きいことが分かっています。
<具体的な影響>
- 成長への影響…酸素が身体中に行きわたらなくなり、身長が伸びにくい。
- 運動への影響…身体が酸欠状態になり、若いのに息切れしやすくなる。
- 学力への影響…喫煙後は、脳も酸欠状態になり、思考力や集中力が低下する。
- 病気への影響…吸い始める年齢が早いほど、がんや心臓病で死亡する危険が高い。
- 美容への影響…たばこを吸っただけで、ビタミンCの吸収を妨げ、酸素が十分に届かなくなり、肌が衰えてしわが増える。
禁煙を考える方へ
たばこの煙には依存性のあるニコチンという物質が含まれているからです。ニコチン依存は治療により治すことができます。
禁煙外来
禁煙治療を実施している医療機関は、神奈川県内禁煙治療実施医療機関一覧(外部リンク)で確認ができます。
予約が必要な場合や、禁煙治療を中止している場合もあります。受診に当たっては、必ず事前に電話等で医療機関に直接お問合せください。
自分で禁煙したい方へ
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たばこの吸い方は「マナー」から「ルール」に変わりました
健康増進法の改正
望まない受動喫煙を防止するために、2018年7月に「健康増進法の一部を改正する法律」(平成30年法律第78号)が公布され、2020年4月に全面的に施行されました。このことにより、受動喫煙の対策は、マナーからルールへと変りました。注意:改正健康増進法での「たばこ」とは、加熱式たばこも規制対象です。
<改正法の趣旨>
【基本的考え方 第1】「望まない受動喫煙」をなくす
【基本的な考え方 第2】受動喫煙による健康被害が大きい子ども、患者等に特に配慮
【基本的な考え方 第3】施設の類型・場所ごとに対策を実施
受動喫煙の防止のための具体的な対策
改正法により、次のような新しい受動喫煙対策のためのルールができました。
- 多くの施設において、屋内が原則禁煙となりました。学校、行政機関などは、屋外も含めた施設が原則禁煙です。
- 飲食店、事務所、ホテルなどは、原則屋内禁煙です。施設における事業内容や経営規模により、喫煙のための各種喫煙室の設置が認められています。
- 喫煙室がある場合は、必ず指定された標識の掲示が義務付けられています。
- 20歳未満の方は、喫煙を目的としない場合や従業員であっても、喫煙エリアに入ることができません。
施設の
類型第1種施設 第2種施設 対象施設 子どもなど20歳未満の方、患者、妊婦が主たる利用者である施設
(例)学校、病院、児童福祉施設、行政機関の庁舎等左記以外のすべての施設 施行日及び規制内容 2019年7月1日より
原則、敷地内禁煙
ただし、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置が取られた場所に喫煙場所を設置可(設置を推奨するものではない)2020年4月1日より
原則、屋内禁煙
ただし、喫煙専用室のみでの喫煙可。加熱式たばこは専用喫煙室での喫煙可。経過措置 なし 既存の経営規模の小さな飲食店については標識掲示により喫煙可
(届出が必要)
厚生労働省 受動喫煙対策(外部リンク)
厚生労働省 なくそう!望まない受動喫煙(外部リンク)
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 喫煙(外部リンク)
神奈川県 かながわのたばこ対策( 外部リンク)
日本歯科医師会 タバコとお口の関係(外部リンク)
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