「平野杏子展-生きるために描きつづけて」を開催

令和6年3月12日

平塚市
担当 美術館 学芸担当 勝山
電話 0463-35-2111
 

「平野杏子展-生きるために描きつづけて」を開催

 
 平塚市美術館では、企画展「平野杏子展-生きるために描きつづけて」を4月6日から6月9日に開催します。
 平野杏子(ひらのきょうこ)は1930年、伊勢原生まれ。神さびた大山信仰の地は古代の南関東でも多くの古墳が存在することでも知られ、画家の制作活動の大きな規範となりました。1954年から現在に至るまで70年間を平塚市に過ごし、その間にさまざまな面で地元平塚の文化振興に尽力してきました。
 現在、女性の活躍推進が社会の課題となっていますが、平野が美術の道を志したのはいまだ女性画家がまれであった時期であり、結婚や育児と制作の両立という課題に向き合いながら画業を切り拓いていきました。
 また、90代となった現在も活(い)き活(い)きと新たな画業を求め制作する姿勢からは、現代の長寿社会のなかでいかに生きるかという範をわれわれに示しているように感じます。
 その画業は具象から抽象、平面から立体まで多岐にわたりますが、われわれが太古から慈しみ祈り根を張って生活してきた原初的な風土や歴史がテーマとなっています。あるいは画家が共鳴する文学が裏打ちとなり、また平塚の出縄のアトリエで感じた自然、病を得て夢に現れたイメージ、仏教的な教えや人々の信仰が表現されています。
 さらに韓国・慶州で出会った摩崖仏の拓本制作は画家の大きな功績であり、また女性画家による美術団体「潮会」での活躍等で、洋画壇で大きな役割を担いました。地元平塚に目を向ければ総合公園のモニュメント「トキオコシ」の設置に加え、アトリエには近隣の画家や評論家が集い、その交流は平塚の文化振興の原動力となりました。
 本展は県内の美術館では平野杏子の15年ぶりの本格的な回顧展であり、その代表作や初公開の作品を含めた油彩画などおよそ60点により、その画業を振り返ります。
 

平野杏子展-生きるために描きつづけて

主催  

 平塚市美術館

協賛  

 神奈川中央交通株式会社

会期    

  令和6年4月6日(土曜日)~6月9日(日曜日) 56日間

開館時間

 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)

休館日  

  月曜日(ただし、4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日

会場   

   平塚市美術館
 〒254-0073 神奈川県平塚市西八幡1-3-3
 電話 0463-35-2111 ファクス 0463-35-2741
 平塚市美術館のウェブページ
 JR東京駅から東海道線、または新宿駅から湘南新宿ライン(直通)で約1時間。JR平塚駅より徒歩20分。または平塚駅東改札口(北口)より、神奈川中央交通バス4番乗り場乗車「美術館入口」または「コンフォール平塚前」下車。駐車場67台(美術館御利用の場合90分間無料・要認証)。

出展数 

 約60点

観覧料 

 一般800(640)円、高大生500(400)円、中学生以下無料
 ( )内は20名以上の団体料金
 毎週土曜日は高校生無料
 各種障がい者手帳の交付を受けた方と付き添い1人は無料
 65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金
 本展覧会の観覧券で「所蔵品展」もご覧いただけます
 

関連事業

学芸員によるギャラリートーク

日時
 4月20日(土曜日)、5月11日(土曜日)午後2時~3時
場所
 展示室1  申し込み不要・要観覧券
 

同時開催

令和6年度特集展

「1950~60年代の日本画―造形への挑戦」
 1950~60年代にかけて日本画の変革が目指され、欧米の絵画を参照した堅牢な造形や力強いマチエール、抽象表現が取り入れられました。本展では当館の所蔵品の中からこの時期に制作された作品約50点を展示し、その造形的な特徴の一端をご紹介します。
会期
 令和6年4月6日(土曜日)~6月2日(日曜日)
出品点数
 約50点
観覧料
 「平野杏子展」の観覧料で入場できます。
 単独の場合、大人200(140)円、高大生100(70)円、中学生以下無料  です。( )内は20名以上の団体料金