市長コラム

 市長が市政などに関する思いをつづった「市長コラム」を、広報ひらつか第3金曜日号に掲載しています。
 広報ひらつかに掲載した「市長コラム」の内容をご紹介します。

令和元年(2019年)8月

平塚らしさを探そう

  • スナモリ お盆のスナモリは富士山東方に広がる風習です
 お盆には、先祖の霊が家々に帰ってくると考えられています。私の家でも8月13日になると、門口に砂を盛って小さな山を作り、迎え火をたきます。平塚では、スナモリなどと呼ばれる風習ですが、これは江戸時代に富士山が噴火した際に火山灰が降った神奈川県や静岡県の一部などで見られる独特なものだそうです。

 9月29日(日)まで、博物館で開いている夏期特別展「平塚学入門」を見学しました。平塚の「まち」を、地質・生物・歴史・民俗など81ものテーマに沿って、解説しています。先のスナモリもその一つ。ほかにも展示や解説を追っていくと、私たちの生活が現在に至るまでの経緯や疑問が理解できるように工夫されています。

 もう一つ、印象に残ったのが、昭和39年に平塚駅西側の中央地下道の建設工事中に、地下5.1メートルから見つかったタブノキの大木。これは調査の結果、2000年前のものと分かっています。発見された東海道線付近は、現在では海岸まで1.4キロメートルほどありますが、この地点は2000年前には波打ち際で、このタブノキは台風などで漂着物として打ち上げられたと推定されます。今の海岸も、長い歴史の中では一時の形状にすぎないのかと、その変遷に思いを馳せました。

 当たり前と思っている風習や景観にも、その地域ならではの歴史や自然環境が反映されていることがあります。博物館の取り組みは、一つの分野を深く掘り下げてみることと、さまざまな角度から調べてみることの大切さを気付かせてくれます。平塚という地域に強い関心を持ちつつ、思い込みや独りよがりに陥らないよう、見方を広げることを心掛けたいと思います。

 まちの風習や歴史、自然環境を知ることは、身近な地域に愛着や誇りを持つきっかけになります。この夏はさまざまな視点から、平塚らしさを探してみませんか。博物館の展示や講座が、魅力発見のお手伝いをしてくれるはずです。
 

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